お仕事③「旅行会社の裏方事務」
船の仕事をオファー下さった派遣会社が、次の仕事(船の仕事業務)が本格化する春以降まで、冬の一カ月半、最大手旅行会社のインバウンド事業での事務作業を手伝う仕事をオファーしてくれた。
時給は、前職+250円。全然良い!。
週3回、8時間ほど。ざっと計算しても、以前週4で働いていたパートを、軽く超える月収。
やってみることにした。
毎日東京駅を通り抜けて職場へ行った。あるエリアは、毎朝ツアーの集合場所になっていた。数グループのツアー添乗員が旗を持って受付をしていた。全員日本人ツアーだ。絶対にやりたくないと思った。私はやっぱり外国人をお連れする添乗員でありたいと思った。
でも、やっている様子は参考になった。
この事務方をやってみて解ったことが2つ。
私は事務方の仕事はいくらお手伝いとはいえ向いてない。
いくら高い時給を頂くとしても、一生お受けしない方が良い。
私が働いていた30年以上前とはオフィスは全く違う。
✅恐らく200人ほどいるオフィスで、全員私より年下。
✅席が毎日、自由。
✅自分のことに全員が集中している。
✅隣の人は周囲の人の仕事には我関せず。
(挨拶すらままならない)
✅隣の人に質問する雰囲気はない。
(質問したところ「私の時間を奪った」という態度をされる)
✅隣の人が立ってどこへ行くのか告げない。
(昔は?食事へ行きます。トイレへ行くのでもし☎あったら伝言残してください。のような声かけあったんじゃない?)
【ずっと8時間、黙って仕事をするのがスタンダード】
半月ほどして、具合が悪くなった。血圧が上がりめまいが再発。
作業が大変でも誰もヘルプしてくれない。質問したい上司(といっても我が子達よりずっと年下)が常に忙しくて不在。
「Teamsで質問してください」と言うが、そのTeamsの返信が、どこに対する返信か、二転三転した挙句、結局どれが最新の正解か、とても判り難い。読み間違えたら大きな問題になりそうだった。
「電話で話さなくても、Teamsで処理できる」という。
その判断力に自信が無いと判断して、体調も悪くなっていることもあり、わ予定通り一カ月半で終ることにした。
本当の理由は『私がやりたいことはインバウンドツアー添乗だ』がハッキリとしたから。
現場の方たちは、やめる私に対して
「こんな積極的な方は今までいなかった」と言ってくれた。
私が、「何でも申し付けて下さい」と言ったから(それ、普通じゃない?)
「申し付けたら悪いな~と感じるような、仕事も快くやってくれた」とも言われた。(他部署の簡単な封入や2分で終る入力がその類らしい。全然OK。そんなの普通の主婦なら誰でもできるんじゃない?)
そういう裏方要員として雇われているんだから、遠慮しなくてよいと思うが、あちらは「積極的に声をかけてくれて助かった」と言った。
ホスピタリティ精神(私としては当たり前)は、相手に伝わったことは嬉しかった。
最後に『契約延長してずっと働いてほしい』『週〇回と決めずに、来られる日にだけいつでも来てくれたらそれで良い』とまで言ってくれた。
だけど、お断りした。
ここに居たら、私の精神的なものが壊れていくと感じた。
私はやっぱり「いらっしゃいませ」「こんにちは」「いかがしますか?」「何かお手伝いしましょうか?」のお仕事が大好きなんだ。
私のように添乗員を長年やって、もう疲れた!といって、その事務方に徹している方々も居た。逆の現象=面白いなと感じた。
辞めたのが3月末。
私はいよいよ4月1日~8日間、グループツアーのロング添乗を初めてお受けしていた。その事が楽しみ過ぎて、この事務仕事とのお別れは全然悲しくなかった。
ただただ、我が子よりもお若い上司の健康だけが心配だった。
昼ごはんは食べる時間がほぼない。クッキーなどで済ませている。PC見すぎか?目が常に充血。時には「コンタクトレンズができない」と、白いはずの眼球が黄色く腫れて、分厚い眼鏡で出勤していた。「お腹が異常に痛い」とうなだれていたが病院へ行く時間が無いと嘆いていた。
私は職場を辞す時に、タンパク質が入っている、最近よくきくパンを数個お土産に上司にお渡しした。最後だけ母親気分で話してみた。お礼を言われた。
でも派遣スタッフの立場に徹した一カ月半は、このやり取りは皆無だった。話しかけるのも申し訳ない程、忙しく大活躍の、大きな商談や上司との会議をこなしている方だった。今も頑張っているだろうか。体調は大丈夫だろうか。少しは他の管理者へ仕事を手分けして、適切な仕事量になっているだろうか?という気持ちが時々湧いてくる。
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