男性の体毛・脱毛について
この間、ゲイの友人達と食事をしていた時に、一人の友人が「VIO脱毛を始めた」と話してくれました。
公告を目にすることが多いので、最近流行っているのだな、くらいの認識でしたが、彼曰く「毛が白髪になってからだと脱毛できなくなる。介護の時に邪魔になるから脱毛しておいた方いい」とのこと。
介護のことを考えるのは早いのでは・・・、と思いましたが、確かに最近髪の毛に白髪が混じり始めてきたので、そろそろ考え時なのかもしれないと思い、体毛について考えてみました。
僕と体毛
僕は体毛が濃い方だと思います。髭も濃いですし、胸からアソコまでつながって毛が生えているような状態です。
小学生の高学年の頃には、腕にも、脛にも、太ももにも、胸にも毛が生えていました。アソコの毛も確か小4くらいで生えていました。
当時はそれが心の底から嫌でコンプレックスになっていました。
体育の時間に短パンになると、自分の足にだけ毛が生えているの嫌で、姉のカミソリや父の髭剃りをこっそりと拝借して、ずっと毛を剃っていました。
確か小学校の修学旅行でも、自分のアソコの毛が見られのが嫌で、剃っていったのを覚えています。しかし、その頃になると、毛が生えている同級生も結構いて、「そろそろアソコの毛は生やしてもいいか」と周囲の状況に合わせて剃る部位を選択していました。
当時はビジュアル系バンドが全盛期で、僕も女性のような美しさがあるビジュアル系バンドのメンバーに憧れていました。それに、ファッション誌や漫画の雑誌などを見ても、除毛クリームの広告がたくさんあって、女性がしかめ面をしながら腕で×をつくって「男性の毛は不潔!」なんて吹き出しに書いてある広告をみて、やっぱり周囲も体毛は不潔だと思っているのだと思っていました。だから、小遣いを貯めてそういった広告に載っている除毛クリームを試したこともありました。結局、剃るのが一番安いし楽だという結論に至って、除毛クリームはやめて剃刀で剃っていましたが。
中高校生にの頃には周囲もすね毛などは生えているようになりましたので、脛や太ももの毛は剃らないようになりました。ただ、胸毛はずっとコンプレックスで、大学生になっても剃っていました。
コンプレックスが強みになる
そして、ゲイとしてデビューする頃に、ゲイの中では体毛のことが好きな人も結構いるということを知り、どうせゲイとして生きるのなら、ありのままの自分を受け入れて貰える人を探そうと考え、毛を剃るのを止めました。
すると、意外にも「毛深いのがいいよね」と言ってくれる人がたくさんいました。「毛深いのは苦手なんで」と言われることもありますが、自分のコンプレックスだった部分を受け入れてくれて、更には好きだと言ってくれる人がいるということに、幸せを感じました。
そして、自分にとってはずっとコンプレックスであった体毛ですが、僕自身も毛深い人が結構好きだということに気づきました。
振り返ってみると、中高生の頃に憧れを抱いていた男性の先輩は毛深かったり、髭生やしていたりする人が好きでした。
そんなわけで、長年コンプレックスだった自分の体毛に自信をもち、なんなら武器として使えるということを知ったのです。
そして、毛深い体がカッコよく見えるようにするにはどうすればよいか考えて、外国人の毛深いモデルを見て体を鍛えるのが良いと思い、そこから筋トレにハマっていきました。
最近の脱毛ブーム(?)に思うこと
昔から脱毛に関する広告はありましたが、最近は技術も進化して、レーザー脱毛などが手軽にできるようになったこともあり、男性向けの脱毛の広告が至る所で目に入るようになりました。
コンプレックスに悩んでいる人が、脱毛で救われるのであれば良いことではないかと思います。昔のようにただの除毛クリームを高い値段で売っていたりする状況よりも、コストと効果が見合ったものになっているようにも思います。
ただ、いわゆる”コンプレックス広告”みたいなものは、どうかと思います。コンプレックスを煽ることで消費を促す広告です。例えば、「世の中の女性は、男性の体毛が気持ち悪いと思っている」というような表現をしている広告です。
女性向けの男性の体毛についてのアンケート結果をもとにしていたりしますが、多くの場合は脱毛業界の会社がスポンサーとして実施しているアンケートであることや、体毛へのネガティブな反応を強調する書き方をしているものであるということをよく考えたほうが良いと思います。あくまで、広告のために行われたアンケートを、広告のための切り口でまとめたものです。
体毛で悩んでいる人が、こういった広告でより一層深く悩んでしまうというのは避けてほしいなと思います。女性の中にも体毛が好きな人はいますし、そもそも男性の体毛はさほど気にしていないという人が多いと思います。更に世界に目を向ければ、男性の体毛がセクシーだと考えている女性が多い国もたくさんあると思います。体毛より女性がもっと重視する要素(収入とか、清潔感ある服装とか)があるはずで、むしろ、そちらの要素に投資したほうが良いのではないかと思います。
僕の脱毛
体毛のコンプレックスを克服した僕ですが、脱毛を否定するつもりは全くありません。実は医療脱毛も経験しています。頬や首付近に生える髭や、鼻毛の脱毛をしています。というのも、その辺の毛は自分の美意識的にはいらないもので、なおかつ処理が面倒だからです。完全に生えなくなったわけではないですが、処理する頻度も減ったのでやってよかったと思います。
公告に書かれたどこかの誰かの無責任な意見に動かされるのではなく、自分の美意識や機能性に基づいて行う脱毛は、どんどんやっていいんじゃないかな、と思います。ただ、自分の美意識も流行りの影響を受ける部分があると思いますので、永久脱毛する場合は、ある程度の覚悟が必要なのかなとも思います。