『ダーマー』を見た感想(一人のゲイとして)
Netflixのおすすめに出てきたので、「ダーマー」を見てみました。
一気に引き込まれてしまい全話を2日間で見終わりました。
映画ハンニバルのモデルにもなったと言われる猟奇的な殺人鬼のジェフリー・ダーマーの話です。
かなりグロテスクなシーンもあって、終始重苦しいような、おどろおどろしい雰囲気が漂っているドラマなので苦手な人は見ない方がいいかもしれませんが、苦手じゃない方は、色々と考えさせる内容でありおススメです。
アメリカにおける人種差別
ジェフリーが何人も殺人を犯しているのに、その犯行がなかなか警察に見つからなかったのが当時のアメリカの人種差別が原因であったということがドラマでは描かれています。
ジェフリーの犯行も恐ろしいし、社会的に弱い立場の人を意図的に狙っていたところに怒りや恐怖を感じますが、
個人的にはそれよりもジェフリーが逮捕されてからの、被害者の家族や隣人の有色人種の人達が受けた酷い仕打ちや、警察の酷さに、強烈な胸糞悪さを感じました。
アメリカは数十年前までのこうした強烈な差別があったからこそ、
人々が立上げって社会を変えていったという部分もあるのかもしれないと思います。今でも、根強い差別があるようで、悲しく思いますが。
日本における差別
日本でも色々な差別問題はあると思いますが、ここまでの人種差別は無いんじゃないか、と思いました。
しかしよく考えると、アメリカのように様々な人種が入り混じっている環境ではないため、それが表面に出てくることが少ないだけで、それなりに起きているのではないかと思いました。
例えば、ウィシュマさんの痛ましい事件がありましたが、名古屋出入国在留管理局の職員が人権を踏みにじるような行為をしたのも人種差別ではないかと思います。
ここからは完全に推測に過ぎないのですが、恐らくこれまで入管職員の人達がたくさんの外国人を見てきたなかで、仮病を使ったり嘘をつくような外国人もいたのではないかと思います。そういった経験から、「外国人は仮病を使う」とか「信用できない」というような意識があったのではないでしょうか。
普段外国人と触れ合う機会が多く、かつその外国人が違法滞在者であることが多いがために、偏見が生まれて差別的な行動につながったのではないかと想像します。
クソデカ主語の危険性
よく「男って~」とか「女は~」とか「日本人は~」とか、主語が大きいことを言う人がネット上で揶揄されていますが、
主語が大きくなってしまう人や、自分がそういう判断をしてしまっている時には本気で注意が必要だと思います。
そうやって主語を大きくして考えて、例えば「外国人は嘘をつく」という意識が自分の中に根付いてしまうと、全ての外国人を嘘つきだと考える偏見につながってしまうと思います。
例えば、ジェフリー・ダーマーがゲイだったからといって、「ゲイは異常だ」などと短絡的に考えてしまう人もいると思います。
実際に以前、浅山克己死刑囚の事件を紹介したYoutubeを見ていた際に、コメントで「ゲイは頭がおかしいから」というようなものや、犯行の原因がまるでゲイであることのように書いているコメントがいくつかあり、悲しい気持ちになったことがありました。悲しいのでとりあえずそういったコメントは全てYoutubeに「報告」しておきました。
残虐な人間がゲイであっただけであり、ゲイが残虐な人間であることにはならいということは、論理的に考えることが出来る人は分かると思いますが、
残念ながらそういったクソデカ主語でカテゴライズして語ってしまう人が実際にいるのです。本人は何の気なしに書き込んだものかもしれませんが、そういったコメントが偏見のもとになることだってあるかもしれませんし、とても危うい考え方だと思います。
n=1に過ぎない
僕がHIV感染者のゲイであることを自分の属性の1つとしてnoteに記事を書いていますが、当たり前ですが、僕がゲイを代表するわけでもHIV感染者を代表するわけでもありません。
ただ、僕という個人はこういう経験をしたとか、こう思うということを書いているだけです。
僕には”普通”とか”一般的”と言われるものが分からないので何とも言い難いですが、すごく”普通”から外れた考え方をしている部分が多々ある、というか殆どの部分がそうなんじゃないかと思います。
あくまで僕の経験や考えは、1つのサンプルとして、「こんな人もいるんだなー」と誰かの参考になればと考えています。
人間って物事を安易にカテゴライズして考えようとしまうところがありますから、気を付けないといけないですよね。
と、最後にクソデカ主語を使って締めさせていただきます。
僕自身、うっかりクソデカ主語で語ってしまいそうになる時があるので、気を付けていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。