映画「シン・ウルトラマン」を見て
シン・ウルトラマンを公開初日に見てきました。
最初は、映画のいろいろな要素において、非常に作家性の強い個性的な作品だと思いました。作風に庵野秀明氏のテイストが凄く出ていると感じられました。樋口真嗣監督の持ち味でもあるのかもしれません。庵野氏のファンなら大歓喜かとも思われます。
そして映画を見終わって立ち上がり、劇場を出ようとする時に、ふと余韻として胸の中に蘇ってきたのは、中学生の頃に小松左京氏のSF短編を読み終わった時に感じた感覚でした。
まさに小学生や中学生の時に、図書館で借りたSF小説を読み終わった時に感じていた気持ちを再び思い出させてくれる、じわ~っとくる満足感に浸れる作品でした。
テンポよく話が展開していき、途中で集中力を切らすことなく最後まで楽しんで見ることができ、そして見終わった時に「SFっていいよな~」という想いがしみじみとした満足感として湧き上がってくる映画体験でした。
世界観のスケールの大きさと、人間観の志の高さ、そして、仲間同士の暖かい人情味のある空気感といったものが小気味よくブレンドされていて、現在の小中高校生が見たらどんなものが心に残るのだろう、という興味が引き起こされた気持ちの良い空想特撮映画でした。