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自分の部屋が物置のようになってしまい、なかなか片付けられない人のためのプロンプトエンジニアリング


はじめに

以下では、「自分の部屋が物置のようになってしまい、なかなか片付けられない」という事例を題材に、バイアス抽出 → 軸づくり → マトリックス展開のステッププロンプトを使ったケーススタディを行います。あくまで一例として示しますので、自分や周囲の実情に合わせてカスタマイズしてみてください。


ケーススタディの前提設定

事例の状況

  • 都内で一人暮らしをしているAさん(30代前半)。

  • 仕事が忙しく帰宅時間が遅い、かつ休日は疲れていて部屋の片付けを後回しにしてしまう。

  • いつか使うかもしれない物が大量にあり、家具や床スペースまで“物置”状態。

  • 何回か思い切って片付けようと思ったが、すぐ挫折してしまい、自己嫌悪になっている。

問題を整理したいゴール

  • 部屋に散乱している物を整理・処分して、日常的に居心地の良い空間を取り戻したい。

  • 片付けるモチベーションを維持したい。

  • 整理整頓が定着する仕組みを作りたい。


ステップ1:バイアス抽出

まずは、Aさんが抱えている「当たり前」や「固定観念」を洗い出し、片付けられない原因や思い込みを可視化してみます。

1. バイアス抽出プロンプト例

あなたは都内で一人暮らしのAさんで、部屋が物置のようになってしまっています。
なぜそこまで物が増えてしまったのか、あるいはなぜ片付けられないのか?
“当たり前”のように思っている前提や思い込み、意識できていない行動パターンをできるだけ多面的に列挙してください。

2. 想定されるバイアス(例)

  • 「いつか必要になるかも」 → 使わないのに捨てられない。

  • 「捨てるのはもったいない」 → 物を貯めがち。

  • 「片付けは気力と時間があるときにまとめてやるもの」 → 日常的にこまめにやる習慣がない。

  • 「自分ひとりでなんとかするべき」 → 他人に頼むのは恥ずかしい。

  • 「部屋が散らかっていても自分が我慢すればいい」 → 部屋が散らかることをそこまで重大視していない。

  • 「プロに頼むとお金がかかる」 → そもそも検討しない。

  • 「今は忙しい」 → 日々の仕事や生活で精一杯で、先送りにしてしまう。

  • 「片付けは一度やれば終わる」 → 維持管理の考え方がない。


ステップ2:軸づくり

抽出したバイアスを、両極端に分かれる形で「○○ <--> △△」という軸として整理します。複数の軸候補を作り、その中から組み合わせるとアイデアを動かしやすくなります。

1. 軸づくりプロンプト例

先ほど列挙した「片付けられないバイアス」を踏まえ、
それぞれを「○○ <--> △△」という両極に分かれる軸として、箇条書きで示してください。

例:
- 「捨てることをためらう <--> 即断で捨てる」
- 「一気に片付けたい <--> こまめに片付けを続けたい」
- 「自力ですべて完結 <--> 他人の手やサービスを積極活用」
...など

2. 軸例

  • 捨てられない <--> バンバン捨てる

  • 一気に片付けたい <--> 毎日少しずつ続けたい

  • 他人を頼らない <--> プロや友人に手伝ってもらう

  • お金をかけずに対処 <--> お金でサービスを購入して解決

  • 現状維持(物をそのまま) <--> とにかくモノを減らす


ステップ3:マトリックス展開・ズラし

上記の軸のうち2つをピックアップし、4象限で組み合わせます。具体的には以下のような例を挙げます。

軸の選択

  1. 捨てられない <--> バンバン捨てる

  2. 他人を頼らない <--> 他人を大いに頼る

4象限

  1. 捨てられない × 他人を頼らない

  2. 捨てられない × 他人を大いに頼る

  3. バンバン捨てる × 他人を頼らない

  4. バンバン捨てる × 他人を大いに頼る

これを、LLMに対して「ちょっとズラすアイデア」「真逆にぶっ飛ばすアイデア」を1つずつ出させ、特徴やメリット・デメリットを整理させます。

1. マトリックス展開プロンプト例

以下の2つの軸を使って4象限を作ります。
1) 「捨てられない <--> バンバン捨てる」
2) 「他人を頼らない <--> 他人を大いに頼る」

それぞれ
A. 捨てられない × 他人を頼らない
B. 捨てられない × 他人を大いに頼る
C. バンバン捨てる × 他人を頼らない
D. バンバン捨てる × 他人を大いに頼る
の4パターンについて、以下のことを回答してください。

1. 「ちょっとズラす」程度のアイデア例
2. 「真逆にぶっ飛ばす」極端なアイデア例
3. それぞれのメリットとデメリット
4. 片付けを習慣化するための具体的な一歩

よろしくお願いします。

2. 出力イメージ例

(以下、あくまで一例としてのアイデアサンプルです。実際はLLMの出力に応じて変化します。)

A. 捨てられない × 他人を頼らない

  • ちょっとズラすアイデア

    • 「1日1アイテムだけは手放す」チャレンジを始める。

    • メリット: 心理的負担が少ない。

    • デメリット: 進むペースが遅い。

    • 具体的ステップ: 毎晩寝る前に“要らない紙類”を1点だけシュレッダーする、など。

  • 真逆にぶっ飛ばすアイデア

    • 「寝室・リビング以外はすべて倉庫スペースとして封鎖」してしまい、とりあえず使わない物を移動し、視界から完全に消す。

    • メリット: 視覚的にスッキリした空間を即座に確保できる。

    • デメリット: 物が減っていないので根本解決にはならない。

    • 具体的ステップ: 物理的に段ボールに詰めて全て押入れや納戸へ移動し、必要になれば取り出すルールにする。


B. 捨てられない × 他人を大いに頼る

  • ちょっとズラすアイデア

    • 「友人を呼んで、一緒に仕分けパーティーをする。友人が判断役となって“これは不要では?”と指摘してもらう。」

    • メリット: 自分だけでは踏ん切りがつかなかった物を捨てられる。

    • デメリット: 他人に見られる恥ずかしさ、プライバシーへの懸念。

    • 具体的ステップ: 事前にタブーゾーンを決めておき、そこは見せない。

  • 真逆にぶっ飛ばすアイデア

    • 「プロの片付けコンサル・不用品回収サービスをフル活用し、一気に短期集中で部屋をクリアにする。」

    • メリット: 時間と労力を大幅削減。心理的ストレスの軽減。

    • デメリット: 費用がかかる。気軽に実行しづらい。

    • 具体的ステップ: 断捨離のプロと契約し、数日で一斉清掃&不用品処分まで完了。


C. バンバン捨てる × 他人を頼らない

  • ちょっとズラすアイデア

    • 「毎週末に“捨て祭り”デーを作り、その日には45Lのゴミ袋に必ず1袋分の不要品を詰める。」

    • メリット: 一定のペースで確実に物が減る。

    • デメリット: 意志力の維持が必要。特に疲れが溜まっているとサボりがち。

    • 具体的ステップ: 不要になった衣類・雑誌・小型家電などを優先処分対象にする。

  • 真逆にぶっ飛ばすアイデア

    • 「引っ越しを決行し、持ち出す物を段ボール数個だけに制限する。」

    • メリット: 物理的に強制“断捨離”できる。

    • デメリット: コスト・手間が大きい。引っ越しそのものはハードル高め。

    • 具体的ステップ: 新居を極端に狭い部屋にして、荷物を物理的に置けない状況にする。


D. バンバン捨てる × 他人を大いに頼る

  • ちょっとズラすアイデア

    • 「家族や友人からも“お墨付き”をもらいながら、不要品をメルカリやフリマに大量放出。定期的に売上を報告しあってモチベーションを高める。」

    • メリット: 捨てる罪悪感が減り、収益が得られる。仲間と共有している感覚で楽しく続けられる。

    • デメリット: 多少の出品・梱包・発送手間がある。

    • 具体的ステップ: 毎週オンラインで報告会。売れ残り品は不用品回収へ。

  • 真逆にぶっ飛ばすアイデア

    • 「業者や知人にすべてお任せプランを組み、“今ある物を9割処分”という目標を設定する。」

    • メリット: 最短で実施可能、確実に部屋が片付く。

    • デメリット: 後で“必要だった物も処分してしまった”という後悔リスクが大きい。

    • 具体的ステップ: カタログ的に残すものだけを選び、あとは一括で引き取ってもらう。


3. 全体の評価や次のアクション

最後に、LLMに対し「これらの選択肢の中で、Aさんが最も取り組みやすい方法はどれか?」「長期的に部屋の状態をキープできるコツは何か?」などを分析させます。

【評価と検証プロンプト例】

いま提案してもらったA~Dの各パターンについて、
- 心理的ハードルの低さ
- コスト
- 継続性
- 効果の大きさ

の観点で比較検討し、どれがAさんにとって取り組みやすいかを考察してください。
あわせて、最終的に「片付けを習慣化し、部屋をキレイな状態で維持する」ために必要となる要素や仕組みについても提案をお願いします。

まとめ

  1. バイアス抽出

    • 「いつか使うかも」「捨てるのはもったいない」「他人に頼るのは恥ずかしい」など、片付けを阻む思い込みや先入観をリスト化。

  2. 軸づくり

    • 例:「捨てられない <--> バンバン捨てる」「他人を頼らない <--> 他人を頼る」など両極端にして可視化。

  3. マトリックス展開

    • 4象限(A~D)で組み合わせ、具体的な片付け方針を「ちょっとズラす/真逆にぶっ飛ばす」の両面で検討。

  4. 評価と次のアクション

    • それぞれの方法のメリット・デメリットを整理し、Aさんに合ったアプローチを選定。

    • 長期的維持・習慣化の仕組みを模索する。

この手順を踏むと、なかなか手がつけられない片付け問題にも、「ありきたりな方法」から一歩離れた新しい解決策が見えてきます。必ずしも極端な方法を実行する必要はなく、複数アイデアの「いいとこ取り」をするのもありです。日常的に徐々に続ける方法・一気に外部サービスを使う方法など、多角的に検討してみてください。

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