OpenAI日本拠点設立記者会見文字起こし
はじめに
OpenAI社の日本拠点設立にあたっての記者会見です。重要な情報もありましたので、記録がてらYouTubeを文字起こししてみました。
自動文字起こしアプリと生成AIによる文章校正を使用しました。
音声認識の誤りも含まれていますがご了承ください。特に固有名詞などは誤っている箇所があります。
重要なポイント
重要なポイントをいくつか抽出します。
オープンAIはアジア初の拠点を東京に設立:日本法人の代表として長尾長崎氏が就任し、営業、技術、支援などの部隊から始め、政府系との対話も行う予定です。
OpenAIのミッション:AIが人類全体に利益をもたらすことを目指し、研究開発だけでなく実際のAI開発や実装にも取り組んでいます。汎用人工知能の開発と提供を目指しています。
ポートフォリオ:ChatGPTの有料版と無料版、スモールビジネスや中小企業向けのChatGPT Team、エンタープライズ向けのChatGPT Enterprise、AIのポテンシャルを引き出すOpenAI APIなどがあります。
日本語用のカスタムモデル:GPT-4よりも高速で、日本語に特化し、コスト効率が良く、正確なモデルを開発しました。
パートナーシップ:楽天グループとのパートナーシップをはじめ、多くの企業や政府、団体との協力関係を築き、AI技術の普及と発展を目指しています。
長崎氏の経歴とビジョン:クラウドコンピューティングの革命を日本にもたらした経験を持ち、生成AIの可能性を信じ、日本の社会や企業に貢献したいと考えている。
安全性への取り組み:OpenAIはAIの安全性と倫理的な使用をミッションのコアに置き、導入から活用、信頼性までを考慮したプロセスで安全性を担保しています。
投資計画:まずはチームの設立が優先で、日本語のカスタムモデルの開発や企業とのパートナーシップ、日本のテクノロジーに対する考え方への貢献なども考えています。
AGIの重要性:汎用人工知能の必要性を強調し、グローバルなエンゲージメントを高め、日本のユースケースに合わせたベストプラクティスを確立したいとしています。
パートナー企業へのメッセージ:AIの導入は始まったばかりで、共に学びの道を歩み、パートナー企業とも協力していきたいと考えている。
記者会見文字起こし(全文)
オープンAI、東京にアジア初の拠点を設立 法人向けサービスなど提供 - YouTube
この度、オープンAIはアジアで初めてとなる拠点を東京に設けることになりました。本日より、日本で活動をスタートいたします。本日は、USから多数の役員が来日しております。私は、OpenAIのCFOであるブラッド・バードです。本日は、OpenAIの事業概要、製品の紹介、そして日本における活動内容についてご説明させていただきます。それでは、ブラッドをお呼びしたいと思います。
(ブラッド・バード 氏)
皆さん、こんにちは。本日はお越しいただきありがとうございます。OpenAIチームを代表して、本日、東京で皆様にお会いできることを嬉しく思います。そして、これから発表できる内容を非常に楽しみにしています。私はブラッド・バードで、OpenAIのCFOを務めています。主に営業、パートナーシップ、ファイナンスチームを担当しています。そして、残念ながら本日はCEOのサム・アルトマンが来日できませんでしたので、ビデオメッセージをお送りしたいと思います。
(サム・アルトマン 氏)
皆さん、こんにちは。本日は、OpenAIが東京に拠点を設立したことをお祝い申し上げます。これは、日本における私たちの活動の第一歩であり、長期的なパートナーシップの始まりとなるでしょう。日本は、人々とテクノロジーが共に歩み、共に発展してきた歴史を持つ国です。私たちは、AIが日本の人々の創造性と貢献をさらに高め、社会の進歩に貢献すると信じています。OpenAIは、人工知能が世界中の人々に機会をもたらし、社会に貢献できると考えています。そのため、私たちはAI技術の研究、開発、そして安全で倫理的な使用のためのツールやベストプラクティスの開発に尽力しています。
(ブラッド・バード 氏)
世界中の様々な視点や多様性に触れることは、私たちのミッションである、AIが人類全体に利益をもたらすことを確実にするために重要です。私たちは、優れたツールを提供することで、人々が素晴らしい成果を上げられると信じています。日本は、AI技術を積極的に導入し、その可能性を広げようとしている国です。OpenAIは、2015年にサンフランシスコで小さなラボとして始まりました。現在では、グローバルな企業へと成長し、研究開発だけでなく、実際のAI開発や実装にも取り組んでいます。1年半前にChatGPTをローンチし、1年前にGPT-4、そして6か月前にはDALL-E 3を発表しました。私たちのミッションは、世界中の人々、全人類の役に立つ汎用人工知能を開発し、提供することです。
ChatGPTをローンチした時、地味なリサーチプレビューのような形でした。これは、ローンチ前日のSlackのメッセージです。"GPT、やっとリリースするよ。午前10時にサイレントローンチするよ。基本的にはリサーチャーしか見ないから地味な感じだね。"と言われていましたが、今では世界中の方が利用しています。左側はエンタープライズの利用例です。チームエンタープライズの製品がどのように取り入れられているか、そしてGPT-4のトークン数のグラフを見てください。これによって、数百万人の開発者がツールを利用し、自分たちの活動を行っていることがわかります。私は、様々な企業や方々と協力して、今後も開発を進めていきたいと思っています。
こちらは、私たちのポートフォリオです。左側は、皆さんもご存知のChatGPTです。有料版と無料版があり、世界中のコンシューマーに利用していただきたいと思っています。2番目はChatGPT Teamで、主にスモールビジネスや中小企業向けです。3番目はChatGPT Enterpriseで、エンタープライズ向けのスケーラブルな製品です。現在、数千の企業にご利用いただいています。右側は、OpenAI APIです。AIのポテンシャルを引き出す製品を開発し、人々が利用できるようにしていきたいと思います。人々が必要としているツールを、どのように作って、提供し、利用していただくかを考えています。
そして、一番右側は、私たちのモデルです。GPT-4がフラッグシップモデルですが、様々なモデルやモダリティがあります。言語、コード、オーディオ、テキスト、オーディオイメージ、そして動画もご覧いただけます。私たちのチームも拡大しています。元々はサンフランシスコの小規模なラボでしたが、グローバルな需要に対応するために、世界中に展開しています。サンフランシスコだけでなく、ロンドンやダブリンにもオフィスを構えています。そして本日、東京にオフィスを開設し、グローバルに拡大していきます。
東京への拡大は、非常に意味のあることです。日本では、テクノロジーが未来を作っていくという考えがあります。私たちにとっても、日本は非常に重要なマーケットです。アクティブユーザーは200万人以上で、ChatGPTをよくご利用いただいています。日本への投資を考えた時、このテクノロジーの可能性を広げられると感じました。日本の人、企業、政府、教育などにも広げていきたいと思っています。本日は、長崎が日本法人の代表として、この場に立っています。楽天やトヨタコネクティッドなどの企業の皆様にもご利用いただいています。
こちらは、日本語用のカスタムモデルを開発したものです。GPT-4よりも高速で、日本語に特化し、コスト効率が良く、正確で、現在のモデルよりも3倍の速度を実現しています。本日より、APIを通じてアクセスが可能です。OpenAIのタイムラインとしては、AIのイノベーションの速度に合わせて、私たちも開発を続けていきます。一つ一つの開発が、AI技術における大きな進歩になると考えています。企業や政府がこれらの技術を利用することで、イノベーションのペースについていくことができるでしょう。
本日より、このテクノロジーのインパクトを企業の皆様にも感じていただきたいと思います。これは、タスクあたりの時間短縮になります。AIを利用することで、どのくらい時間短縮できるかを示したグラフです。私たちのトレンドとしては、効果のあるものを多くの方に利用していただき、企業にスケールさせていくことです。企業ごとに利用していただくことで、特定の技術に依存することなく、それぞれの部署でコストや時間を削減することができます。日本でも、多くの方にご利用いただいており、今後は企業での利用も広げていきたいと考えています。
こちらは、世界中の企業への営業活動の様子です。このようなことを、日本でも実現できると考えています。こちらは、カスタマーサービスをアウトソースしている企業の例です。ChatGPTを導入することで、チケット対応時間が11分から2分に短縮されました。また、品質も人間に近いレベルに改善され、リピートインクワイアリーも減少しています。これにより、年間40ミリオンのコスト削減が可能になると予想されています。AIがビジネスの成果に大きく貢献できる一例です。
こちらは、アメリカの非営利教育団体の例です。AIを使って新しいプロダクトエクスペリエンスを配備した結果、学習効果が向上しました。他にも、様々な企業の例があり、ユーザーからのフィードバックもいただいています。読み聞かせや絵本の読み聞かせ、企業での開発など、様々な場面でAIが活用されています。日本でも、多くの事例を作って、皆様にご紹介したいと思います。テクノロジーの提供だけでなく、パートナーシップを広げていきたいと考えています。日本、そして日本の企業や政府、団体の皆様と協力できることを楽しみにしています。
続きまして、長崎よりご挨拶させていただきます。
(長崎 氏)
改めまして、長崎です。アジア初の拠点を東京に開設し、新たな一歩を踏み出せたことを大変嬉しく思っています。同時に、この責任ある役割を担うことに対して、身の引き締まる思いです。3月にこのポジションに就き、オープニング準備のために尽力してきました。本日を迎えるにあたり、米国本社からのサポート、特に企業のトップの方々との会合など、多くの方々のご協力がありました。心より感謝申し上げます。
私は、テクノロジーの業界に25年以上身を置き、特に新しいテクノロジーの日本市場への普及浸透に努めてきました。様々な日本のお客様、デベロッパーから中小企業、スタートアップまで、幅広い方々と対話を重ね、新しいテクノロジーをどのように活用していただけるかを考えてきました。AIは、まさに今始まったばかりです。生成AIは、皆様が関心を寄せ、様々な分野で活用できる可能性を秘めたテクノロジーです。特に、生成AIの分野において、私の経験を生かし、日本の社会や皆様に貢献したいと思い、このミッションを遂行することにしました。
OpenAIが開発するテクノロジーは、研究に裏打ちされたものであり、様々な産業や業種をより良い方向に導くことができると信じています。まだスタートしたばかりですが、日本のお客様と対話を重ねることで、今まで考えられなかったような事例を作っていきたいと考えています。OpenAIのツールは、今後も飛躍的に進化していくでしょう。このツールが普及し、浸透することで、生活の質の向上、社会全体の生産性や創造性の向上につながると信じています。本日は、その第一歩を踏み出せたことを嬉しく思います。最後に、この場をお借りして、これまでご支援いただいた多くの方々に感謝申し上げます。今後も皆様のご支援、ご協力を賜りたく、よろしくお願い申し上げます。
(質疑応答)
司会者:
質疑応答に移ります。ご質問のある方は挙手をお願いします。お一人ずつ、一問ずつお願いします。たくさんの方にいらしていただいているので、まずは一巡させていただきます。
(日本テレビ 渡辺氏)
日本テレビの渡辺です。2点質問があります。1点目は、日本市場の魅力について教えてください。株価や円安などの影響もあると思いますが、日本市場に投資される理由は何でしょうか?2点目は、安全性についてです。OpenAIは、AIの利用について安全性を担保しながら進めていくとおっしゃっていましたが、どのような提案を日本の政策担当者に行っているのでしょうか?
(ブラッド・バード 氏)
日本市場に対して期待していることは、日本が世界においてテクノロジーを事業に導入し、社会で活用している国であることです。AIの分野でも、産業界や政府に貢献したいと考えています。日本は非常に重要な市場であり、日本の企業や社会に貢献したいと思っています。2点目の安全性については、OpenAIのミッションのコアに置いています。人々の役に立つAIを提供するだけでなく、安全性を担保することが重要です。新しいテクノロジーなので、導入から活用、信頼、ソフトウェアと人間の関係まで、安全性を担保しながら考えていきます。それはプロセスであり、訓練から導入まで、安全性を重要視しています。また、使用事例から安全性についての課題を見出していきたいと考えています。日本の企業や政府にとって何が重要かを学び、それに合わせていきたいと思います。
(フリーランス 西田氏)
日本のローカルサーバーについては、どうお考えですか?独自のローカルサーバーを作る予定はありますか?
(ブラッド・バード 氏)
ビジネスを行う上では、非常に重要な問題だと考えています。日本の企業をサポートし、エンタープライズのコンプライアンスやデータのコンプライアンスなど、必要な対応をしていきたいと思います。インフラストラクチャーのパートナーとして、マイクロソフトとパートナーシップを組んでいます。マイクロソフトが日本での大型投資を発表しましたので、協力しながら進めていきたいと思います。
(森田氏)
長崎さんに質問です。日本法人の初期メンバーや機能、今後の強化について教えてください。
(長崎 氏)
まずは、営業部隊や技術部隊、OpenAIのサービスをご利用いただいているお客様からのフィードバックを得るための支援部隊などから始めます。同時に、政府系との対話も必要になってくるので、グローバルアフェアーチームのような機能も日本に置く予定です。何名くらいいるかはお答えできませんが、年内で10数名を予定しています。
(週刊BCN 日高氏)
営業販売戦略について教えてください。AWS時代は、必ずしもクラウドパブリッククラウドの取り扱いに積極的ではなかったと思いますが、OpenAIではどうでしょうか?パートナー戦略も含めて教えてください。
(長崎 氏)
本日が1日目なので、まずは日本のお客様がどのようにOpenAIのツールを利用されているか、何が足りなくて、もっと使っていただくために何が必要かということを理解したいと思っています。AIツールの素晴らしさは、企業規模に関わらず、個人からスタートアップ、中小企業、政府、教育機関、NPOまで、あらゆる業種の方々にメリットを提供できることです。それを正確にお客様に伝え、適切なフィードバックを得ることで、バリュープロポジションを確立したいと考えています。
(ラタ 山本氏)
日本は生成AIの採用に積極的であると聞いていますが、AIに関する規制やルールについては、他の国と比べて緩いのではないかと思います。OpenAIとして、AIに関する独自のフレームワークやルールを作ったり、リーダーシップを発揮していくお考えはありますか?
(グローバルアフェアーズチーム 責任者)
自民党のホワイトペーパーがリリースされ、AIに関する対話が進められていることを嬉しく思います。東京にオフィスを開設することで、このような会話の一部になれることを楽しみにしています。東京にオフィスを設立したのは、AI開発やリサーチに前向きな国だからです。
(ラタ 山本氏)
世界でChatGPTを使っている企業はどのくらいありますか?エンタープライズプロダクトを使っている企業数と、日本の割合も教えてください。
(ブラッド・バード 氏)
現在、92%の企業が何らかの形でChatGPTを利用しています。GPT TeamやGPT Enterpriseのユーザーは60万、大企業から小企業まで1000社以上の企業にご利用いただいています。APIで開発している方は数万となります。日本の割合は、200万人以上の方が毎日利用しています。
(ラタ 山本氏)
成長については、どのくらい期待していますか?
(ブラッド・バード 氏)
日本市場では、たくさん成長したいと思っています。長崎氏が就任し、日本の需要に応えていきたいと思います。需要に応えるだけでなく、私たちのツールを紹介し、多くの方に使っていただきたいと考えています。日本に貢献していきたいと思いますが、時間やリソースも必要です。パートナーシップの機会もあると思っています。
(週刊ダイヤモンド 大家氏)
日本での投資計画について教えてください。Microsoftが4400億円の投資を発表しましたが、OpenAIとしての投資額や投資先を教えてください。主にどのような分野に投資していくのでしょうか?
(ブラッド・バード 氏)
まずはチームを作ることが優先事項です。企業の皆様と一緒にお仕事できるChatGPTやAPIなどの営業活動を行っていきます。日本語のカスタムモデルも開発しているので、GPT-4だけでなく、日本用のモデルも開発していきたいと考えています。企業の皆様とのパートナーシップも考えていますし、日本のテクノロジーに対する考え方についても、一緒に貢献していきたいと思います。
(NHK 氏)
規制のあり方について、どのようにコミットしていくのでしょうか?政府との対話も進めていると思いますが、法律に関しても考えていかれるのでしょうか?また、今後の営業の方向性について、もう少し詳しく教えてください。
(長崎 氏)
政府との対話を嬉しく思っています。G7広島サミットで発表されたプシルの貢献も、国際的に認められた枠組みの中で開発できるという意味で、大きな意義があると考えています。自民党のホワイトペーパーも拝見し、どのように協力できるかを考えています。法律に関しても、企業や法律の観点から考えていきたいと思います。営業の方向性については、まずは日本のお客様と対話し、OpenAIのサービスラインナップやエンタープライズ向けのセキュアなサービスをご提案したいと思います。データを気にするお客様に対して、足りないものを埋めていくことにフォーカスしたいと考えています。製品のラインナップやビジョンステートメントをお客様に正確にお伝えし、バリュープロポジションを理解していただきたいと考えています。
(新聞 氏)
どのように日本のデータを集めて、モデルをトレーニングされたのでしょうか?GPT-4は主に英語でトレーニングされていると思いますが、今後、英語以外の言語でトレーニングする戦略はありますか?
(ブラッド・バード 氏)
カスタムモデルについては、言語の理解を改善する方法が複数あります。1つは、日本語の文字を読み取る能力を向上させることです。もう1つは、トレーニング時にアテンションシフトをすることで、重要なデータに重点を置き、パフォーマンスを向上させる方法です。将来的には、日本の皆様とのパートナーシップを通じて、日本語の言語、文化、コミュニケーションのニュアンスなどを学習していきたいと考えています。モデルをスケールアップすることで、より多くのことができるようになりますが、特に日本語や日本の文化に関する要素を改善していくためには、国とのパートナーシップが必要だと考えています。すでに日本語特有のAIモデルを開発している企業とも協力する可能性はあります。
(日経ビジネス 関山氏)
サム・アルトマン氏が来日された時、OpenAIが日本に来る予定だとおっしゃっていましたが、ロンドンのオフィスが先に開設されました。日本にビジネスを展開するのに時間がかかった理由や、どのような課題を乗り越えたのか教えてください。
(ブラッド・バード 氏)
新しいマーケットに進出する際には、十分な準備を行い、その国に貢献できることを確認してから導入したいと考えています。そのため、マーケットの理解が十分でないといけません。日本の企業が何を期待しているのか、どのようなスタンダードを満たす必要があるのか、カスタムモデルはどうあるべきかなどを熟知した上で、テクノロジーをビジネスに提供できるようにしました。もう1つは、チームの組成です。今回、長崎が日本の代表に就任され、AIの価値を提供できると期待していますし、積極的に投資していきます。
(携帯ウォッチ 関口氏)
パートナーシップの考え方について教えてください。昨年、OpenAIが楽天グループとパートナーシップを結んだと発表されましたが、東京オフィスの開設でどのように変化するのでしょうか?また、楽天がAIツールを提供していくと発表していますが、このようなパートナーを増やしていくのでしょうか?
(ブラッド・バード 氏)
楽天は、非常に良いパートナーです。日本の企業とどう仕事をしていくかを学び、大きなポテンシャルを感じています。楽天の三谷さんとパートナーシップを深めていくための対話を進めています。まだ始まったばかりだと考えていますし、楽天だけでなく、多くの企業がAIのジャーニーを歩み始めたばかりです。私たちも学びの道のりが始まると同時に、パートナー企業の皆様も同様だと思います。
(建設通信新聞 中村氏)
建設業界に特化した質問で恐縮ですが、エンタープライズについて教えてください。建設業界でもAIを活用した生産性向上の動きが活発化していますが、具体的な差別化や戦略を教えてください。また、業界に対してメッセージがあればお願いします。
(ブラッド・バード 氏)
このテクノロジーの魅力は、横展開できることです。業種によって導入の早さは異なるかもしれませんが、業界を問わず適用できると考えています。特にビジュアル系のデータについては、理解が深まっています。画像の生成や認識も日々改善しているので、建設業界のビジネスの改善や生産性向上に貢献できると思います。建設業界は複雑なので、十分な準備と改善が必要ですが、予防保全や資材の管理、画像認識によるオートメーションやワークフローの改善など、AIを取り込むことで働き方を改善できると考えています。このような業界特化のチャレンジに対して、私たちは貢献できると信じています。日本の事例を世界に発信していきたいです。
(テレビ朝日 渡辺氏)
サム・アルトマン氏のビデオメッセージで、AGIという言葉が出てきました。OpenAIの製品は素晴らしいと思いますが、AGIの登場はインパクトがあると思います。そのインパクトについてどう思われますか?また、日本オフィスはどのような役割を果たし、活用していくのでしょうか?
(ブラッド・バード 氏)
AGIは必要であり、グローバルに提供できる汎用的な人工知能は必須だと考えています。グローバルなエンゲージメントを高める必要があり、日本のユースケースに合わせたベストプラクティスや使用事例を確立し、トレーニングしていく必要があります。建設業界やデザイン、建築、マテリアル関係など、あらゆるワークフローでAIを使い、学習を含めて人間と同じくらい効果的に働けるようにしたいと考えています。今日は、日本におけるDay 1なので、モデルが使える分野と使えない分野を見極めて、改善していきたいと思います。
(フリーランス 五味氏)
長崎さん、社長就任おめでとうございます。OpenAIを次のキャリアに選んだ理由を教えてください。また、ブラッドさんが長崎さんを選ばれた理由も教えてください。
(長崎 氏)
OpenAIと出会った時、クラウドコンピューティングやインターネットの登場に似ていると感じました。私たちの生活を変える可能性がありますが、それを実現するには、お客様との対話を通して浸透させていく必要があります。生成AIが持つポテンシャル、特にOpenAIはAIネイティブカンパニーとして、AI技術の研究開発に情熱を注いでいます。生成AIは始まったばかりで、これから劇的に変化していくでしょう。その中で、日本社会や企業の皆様に貢献できるのではないかと思い、この会社で日本のリードを進めることにしました。
(ブラッド・バード 氏)
長崎氏を選んだ理由は2つあります。1つ目は経歴です。クラウドコンピューティングの革命を日本にもたらし、インフラの確立に貢献された人物です。OpenAIは、コンピューティングの方式を変える存在であり、企業は大きな革命をくぐり抜けることになるでしょう。それをリードしてくれる人物だと考えています。2つ目は、リーダーとのミーティングです。日本の企業が何を重要視しているかを優れたコミュニケーション能力で掌握し、素晴らしいアイデアを持っていました。そのような豊富なアイデアを期待していたので、彼を選びました。日本に導入するにあたり、私たちも学んでいく必要があるので、その役割も担っていただきたいと考えています。
(ブラッド・バード 氏)
それでは、これで質疑応答を終わらせていただきます。ありがとうございました。
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