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AIが急に賢くなった理由を探れ!
登場人物
僕(AI初心者):AIに詳しくないけど、最近のAIの進化に興味津々の普通の人。
教授(AI専門家):AIのことなら何でも知っているベテラン科学者。ちょっと偏屈で学者肌だが、親しみやすい。
1. 深層学習:AIの筋トレ革命
僕:「教授、最近のAIってすごく賢くなってません?以前はおばあちゃんみたいに話しかけてもなかなか通じなかったのに、今じゃAIが返事するどころか、クッキーのレシピまで教えてくれるんですよ!」
教授:「ほほう、君もついにAIの進化に気づいたか。でも、驚くことじゃないよ。AIが急に賢くなったわけじゃなくて、長い時間かけてこっそり筋トレをしてきた結果なんだよ。」
僕:「筋トレって、AIがジムに通ってるんですか?なんだか笑えますね。」
教授:「まあ、実際に通うわけじゃないけど、たとえば『深層学習』、英語で言うと『ディープラーニング』という手法がその筋トレみたいなもんだな。AIは昔、やたら痩せてて、ヒョロヒョロだったんだ。つまり、データを使って知識を得る能力が限られてたんだよ。」
僕:「ヒョロヒョロ…って。じゃあ、今はAIもムキムキ?」
教授:「その通り!AIはディープラーニングのおかげで層を重ね、どんどん複雑な問題も解決できるようになったんだ。これはまるで、ジムに通って筋肉を鍛えたボディビルダーのようなもんさ。たとえば、昔のAIは猫と犬の違いがわからなかった。でも今じゃ、何も教えなくても『これは猫だ』『これは犬だ』と勝手に学んで判断できる。」
僕:「それ、すごいですね!でも、どうして昔はそんなにバカだったんですか?」
教授:「昔のAIは、人間が全部教えてあげないとダメだったんだ。『猫の特徴は耳が尖ってる』『犬は鼻が大きい』とかね。でも、ディープラーニングを使うと、AIが自分でデータの中から特徴を発見して、判断できるようになる。これが筋トレ効果だな。」
2. 自己教師あり学習:天才AIの自習能力
僕:「なるほど、AIが自分で学べるようになったんですね。でも、たくさんデータが必要ですよね?一体どうやってそんな膨大なデータを処理してるんです?」
教授:「いい質問だね。そこで登場するのが『自己教師あり学習』ってやつだ。AIが自分で『自習』できるようになったんだよ。」
僕:「自習?先生なしで?それってどういう仕組みなんですか?」
教授:「AIが大量のデータを使って、次に何が来るかを予測するんだ。たとえば『私はリンゴを…』という文があったとする。AIはその続きを『食べた』とか『見た』とか勝手に考えられるんだ。これが自己教師あり学習だよ。」
僕:「つまり、AIは自分で問題を解いて、答えを導き出すんですか?まるで学校の優等生みたいですね。」
教授:「そうそう、まさにそんな感じだ。今までは人間がAIに全部教えないといけなかったけど、自己教師あり学習なら、AIが勝手にウェブの膨大なテキストデータから学習して成長する。まるで、先生に頼らずひたすら教科書を読み漁る生徒みたいなもんだ。」
僕:「それって、なんかちょっと怖いですね。AIが一人でどんどん賢くなるなんて…僕よりもずっと努力家じゃないですか。」
教授:「はっはっは、確かにAIは休むことなく勉強してるからね。でも心配はいらない。今のところ、まだ君に宿題を代わりにやってくれる程度の賢さだよ。」
3. 単語のベクトル:AIの脳内マップ
僕:「教授、もう一つ気になることがあるんですけど、AIってどうやって言葉を理解してるんですか?人間みたいに意味をちゃんとわかってるんですか?」
教授:「いいところに目をつけたね。AIは単語を『ベクトル』で表現しているんだよ。」
僕:「ベクトル?なんか数学の授業で出てきた『方向』と『大きさ』のやつですか?」
教授:「そうそう、君も覚えてたか。AIにとっては、単語はただの記号じゃなくて、ベクトルという形で数字の並びになってるんだ。だから『リンゴ』と『ミカン』は、数字上で近い場所にいる。でも、『リンゴ』と『車』は遠くに離れている。これが、AIが言葉の意味を理解するための基盤だ。」
僕:「じゃあ、AIの頭の中には、言葉の地図みたいなものがあるんですね。リンゴとミカンはお隣さんだけど、車は遠くの別の国にいる、みたいな感じ?」
教授:「まさにその通り!AIはこのベクトル空間を使って、言葉の関係性を理解するんだ。だから、文章の中で『リンゴ』が出てきたら、『食べる』とか『皮をむく』とか、関連する言葉をちゃんと引き出してこれるようになってるんだよ。」
僕:「なんか、AIが言葉のサファリを探検してる感じがしてきましたね。似たような単語が群れを作っているみたいに。」
教授:「いい喩えだね。AIはまさに、サファリのように単語の世界を巡って、その意味を探し出しているんだ。」
4. アテンション機構:AIの集中力向上計画
僕:「でも、教授、AIが単語の意味をわかるようになったとしても、長い文章の中で大事な部分だけを理解するのって難しくないですか?」
教授:「鋭い質問だ。そこでAIが得たのが『アテンション機構』という集中力だよ。これを一言で言うと、AIが『今何に注目すべきか』を自分で判断する能力だ。」
僕:「集中力ってことですか?なんだか、僕が長い会議中に気を張って重要な話だけ聞くのと似てますね。」
教授:「その通り。君が長い話を聞くときに、全部聞く必要はないだろ?重要な部分にだけ集中する。AIも同じで、文のどこが大事かを判断するためにアテンション機構を使ってるんだ。これで、たとえ長い文章でも、どの単語が一番重要かを理解して処理できるんだ。」
僕:「なるほど、だから最近のAIは長文のメールにもきちんと対応できるんですね。昔のAIみたいに、途中で無視されたりしないわけだ。」
教授:「その通り。昔のAIは、途中で『何が言いたいのかわからん!』と投げ出してしまってたけど、今は違う。AIはアテンションを駆使して、長文や複雑な文脈でも理解しているんだよ。」
5. パラメータの増加:ムキムキAI
僕:「教授、集中力もあるし、言葉も理解するし、AIがどんどん賢くなってる感じがしますね。でも、どれくらい賢くなったんですか?どの
くらいのデータを処理してるんですか?」
教授:「ここで重要なのが『パラメータ数』の増加だ。パラメータっていうのは、AIの『筋肉』みたいなもんだな。パラメータが増えることで、AIはより複雑なことを考えられるようになる。」
僕:「パラメータって、筋肉ですか?じゃあ、AIは本当にボディビルダーみたいなもんですね。」
教授:「その通り!昔のAIは数百万のパラメータしか持ってなかったけど、今のAIは数千億、いや、数兆ものパラメータを持ってる。これはまるで、ジムで筋トレをしまくった結果、巨大なボディビルダーになったようなものだ。」
僕:「ええっ、そんなに増えたんですか?それじゃあ、今のAIはスーパーコンピューターみたいなものですね。」
教授:「そうだ。パラメータが多いほど、AIはより細かい違いを見分けたり、複雑な問題を解決したりできる。つまり、どんどん強く賢くなっていくんだ。」
6. インストラクションチューニング:AIの家庭教師
僕:「すごい、AIはもう完全無敵ですね。でも、これだけ賢くても、まだ人間のように自然な会話をするのは難しそうですね。」
教授:「そこで最後に登場するのが『インストラクションチューニング』という手法だ。これは、AIに家庭教師をつけるようなもんで、人間が質問に対してどう答えるべきかをAIに教える仕組みなんだ。」
僕:「家庭教師付きですか!じゃあ、AIがちゃんと答えられるようになるまで、何度もテストされるんですか?」
教授:「その通り。人間が質問に対して良い回答と悪い回答を見分けて、AIにフィードバックを与える。AIはそれをもとに『もっと自然に』『もっと人間っぽく』答えられるようになるんだよ。」
僕:「じゃあ、最近のAIがやたらと自然な会話をするのは、この家庭教師のおかげなんですね。」
教授:「そういうことだ。AIはこのインストラクションチューニングを通じて、人間のようにもっと自然に、適切な応答を返せるようになったんだ。人間と話しているような感覚を作り出しているわけだ。」
終わりに:AIはどこまで進化するのか?
僕:「教授、今日の話でAIがどうして賢くなったのか、ようやくわかってきました。深層学習で筋トレして、自己教師あり学習で自習して、ベクトルで言葉をサファリみたいに理解して、集中力もあって、筋肉モリモリで、しかも家庭教師付き…。完璧じゃないですか!」
教授:「ふふ、まぁ君もここまで理解できればAIのことを少しは誤解せずにすむだろう。AIはただの道具じゃない、進化し続けるものなんだ。これからもどんどん賢くなるだろうから、楽しみにしておきたまえ。」
僕:「次にAIがどんなスキルを身につけるのか、今からワクワクしてきましたよ。でも…ちょっと怖くもなってきました。いつかAIが僕よりも頭が良くなっちゃうんじゃないかって。」
教授:「はっはっは、もうとっくに君より賢くなってるかもしれないな。でも安心してくれ、AIはまだ僕たち人間の手助けがないと学べない部分もある。今は、僕たちがどうAIを賢く使っていくかが大事なんだよ。」
僕:「それを聞いてちょっと安心しました。教授、今日はありがとうございました!AIの世界がぐっと近くなった気がします。」
教授:「どういたしまして。次回はもっと面白い話を聞かせてあげよう。」
(参考YouTube動画)黒橋先生の講義
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