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最短で進まないけど何か起こりそう感を「発酵」って表現するの素敵だな仮説

落合陽一さんの「2030年の世界地図帳」をペア読書して、非常にインスパイアされたのでノートの記事を書きます。


僕がすごく興味を惹かれたのは日本の国家戦略。GAFAに代表される”情報”のレイヤーで覇権を握るアメリカと”工業”および”(ある程度の)情報”のレイヤーで派遣を握ろうとする中国。この2人の戦いには、日本は入っていけないというのは、当たり前の話。そこからが面白いのよ~。

ヨーロッパはすげぇ

興味深いのはヨーロッパ。彼らはこの2人に対して真っ向から勝負せずに、”情報””工業”より上位の”倫理観と法律”レイヤーで世界を支配しようとしていると。それが、SDGsであり、GDPR(情報統制)だ。これまでSDGsはなんだかお説教臭いと思ってたし、GDPRはなんだか煩いなと思ってましたけど、上記のレイヤーの整理を聞くと味わい深い。
#余談ですが 、なぜ、ヨーロッパがGDPRにこだわるかというと、ナチスドイツの時代に個人情報をデータベース化して民族を迫害したことを二度と起こさないためにここまで厳格なものを作っているとのこと。

で話は戻りますが、”情報”や”工業”という資本主義でいうところの力業じゃない、”倫理観と法律”で世界を支配するうえで重要なのが「歴史と文化」になる。彼が言ってるから仕方ないよねっていう重鎮感。車でいうとアルファロメオや、時計で言うとスイスの時計などは、確かに、歴史と文化を使いまくってる。

じゃあ日本はどうするか?

山口周さんとかの論調だと、ヨーロッパのようにブランドを作れってなるんですけど、落合さんはもっと優しい。今のままでいいんやでって言う。

日本は、アメリカと中国を横目に見ながら3番手として追っかけていってます。(ヨーロッパはおっかけもしない)で、資本主義的に頑張ったなかで、日本がなんとなくこだわったものが、ヨーロッパ的な倫理感に当てはまり、アメリカでも中国でもない勝ち方ができるんじゃないのって言うわけ。

例えばコンピューター開発。単純な演算性能では莫大な予算をかけているアメリカと中国に勝てなくなってます。しかし演算性能を消費電力で割ったスコア(省エネスコア)は日本のスパコンは非常に性能が良い。でこれがSDGsの方向性にすごくフィットしているわけです。面白いのは、これは狙ってやってはいないということ。グローバルの基準から外れた熟練がたまたま当たった。デジタルな発酵であると。発酵の方向性を決めているのがSDGsってこと。

無駄にこだわれるオタク気質がオリジナリティ?

で、ここからは、ペア読書相手の面白い意見。日本独自の”熟練”って、何が生み出してるのか?と。これは、高校時代とかの教育、とくに部活なんじゃないかと。面白い。例えば日本の部活はアメリカのクラブに比べて非常に熟練度が高い。吹奏楽部であったり高校野球であったり。高校生のときに何かの方向性で最短で頑張るというわけでない無駄に熟練した技術を身に付けたことが、日本のオリジナリティではないかと。

では、さなぜ日本の部活がここまで熟練度上げるかと言えば軍隊的に皆が従うからである。これはルーズベネディクトが菊と刀で示していた「階層や不条理を受け入れ上手な日本人の特性」によるのではないかな。あくまで仮説だけど。

トヨタのイーパレットとか面白い

これもペア読書相手から聞いたのだけど、トヨタのイーパレット。動く部屋っぽいんだけど、ちょっとプロダクトアウトっぽい。様々な利用方法が模索されてる感じがすごく日本っぽい(もちろんある程度の事前検討はあったと思うけど。)


発酵と捉えるとなんだか許せる

大企業が戦略を立てられなかったり(全て捨てられないから)、日本のテレビのリモコンが無駄な機能の集まりで全然ユーザファーストじゃないやーんだったりも、「発酵過程」と捉えると、ポジティブにとらえられそう。ネーミングすげぇ。ほんとすげぇ。もちろん、腐っちゃうこともあるから、発酵の方向性をヨーロッパに見習って決めないといけないんだけど。あと、落合さんの本を読むと、日本は捨てたもんじゃない、日本好きになれるから、本当によいなと思う。



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