見出し画像

島の看護記録vol.32(続き)

本日も快晴。とにかく暑い。利用者さんと外を少し散歩したら汗ばむようきでした。

本日は昨日の続きを書いていきたいと思います。昨日は救急救命士を取った話です。今回はなぜ、看護師を目指したかということを話します。

結論から言うと、自衛隊では圧倒的に現場経験を積むことができないということです。自衛隊という組織は皆さんが知っている通り実働してはいけない組織です。実働=日本がなんらかの危機的状況にあるからです。震災にしてもそうですが、自衛隊は日々何してるのかわからないくらいが日本にとってはいいのです。有事の際に動けるように日ごろ訓練をしているわけです。

しかし、訓練はどこまでいっても訓練です。やはり実践から学ぶことの方が圧倒的に多いのです。これはどんな仕事もそうです。いくら勉強しても実際にやってみないと問題点は見てきません。練習と本番はそれだけの違いがあります。実践経験なくしての練習はないと思います。特に医療はその極みだと思います。

いくら訓練で傷病者の対応をしても実践では予期せぬことが起こります。私は看護師になって1年目から大学病院のICUに配属されました。勤めていた病院も外傷に関しては日本でも有数の病院でした。ドクターヘリヘリもあり毎日何件も重症な患者さんを受け入れてきました。自衛隊では経験できないことを大学病院では経験できたましたし、自衛隊で学んだ医療知識はなんだったのだろうとも思わされました。やはり訓練だけでは賄えない経験値は実践でしか身につかないと感じました。

い自衛官の時の話に戻りますが、医療資格を持っていても結局は資格を持った自衛官です。医療資格はおまけみたいなものです。養成所を卒業したばかりでも資格を持っているからと言って、教育をしたり応急処置を教える側になっていました。当時は本当に何をやているんだろうという気持ちでいっぱいでした。何も経験を積んでいない救命士の資格を取りたての若造が偉そうに指導するなんておかしいと心の底から思っていました。当時は年齢も24歳と若く教える対象はほとんどが先輩でした。なにより、経験値がない自分に教わる相手の立場を考えたら本当に申し訳なく思ってました。

そして、ある日1週間の訓練にいきました。正直言うと本当に訓練ばかりで嫌気がさしてました。訓練をするために努力して資格を取ったわけではないと思ってました。私の中で何かが限界を向かえていたのだと思います。そこからは、実践を積むために病院内救命士を目指しました。東京で少しづつ増えている時期だったので病院で働いている救命士にアポを取り話しを聞きに行ってました。しかし、どの病院救命士の方も口を揃えて言うのは「若いんだから看護師を取った方が良い」という言葉でした。すでに准看護師を持っていたのでなおさら進められました。

どの病院に行っても、そう言われたので看護師を目指しました。看護師と救命士を両方持っていた方が何かと有利に働く場面があると思ったからです。そして当時コードブルーといドラマが流行っておりドクターヘリに乗りたいという気持ちも強くなりました。自衛隊を退職し夜間の看護学校へ入学を決めました。日中は看護師として働き、夜間は学校に通うという日々を3年間過ごしていました。この男社会の自衛隊から女社会の看護の道へ進むのもなかなか大変でした。

次回は大学病院での3年間を振り返った話しをしたいと思います。

それでは、また明日。

いいなと思ったら応援しよう!