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中高年の睡眠状態と筋力には関係がある

はじめに

・筋力は加齢とともに低下することが知られています。
・筋力を判断するには、握力、膝を伸ばす力、立ち上がりテストが用いられます。
握力は、全身の筋力、上肢機能、骨密度、骨折、転倒、栄養状態、認知障害、うつ病、糖尿病と関連するといわれています。
・高齢者における睡眠の問題は、多くの健康影響に寄与し、転倒、うつ病、認知障害などの有害な結果のリスクを増大させます。

そこで、今回は、睡眠の質と握力の関係性を調べた研究を紹介いたします。
今回の文献は、睡眠の質と握力の多くの文献を収集してこういうことが言われていると示したものになります。
要するに、まとめのような文献になります。

タイトル

Association between muscle strength and sleep quality and duration among middle‑aged and older adults: a systematic review

結論

睡眠の質の低下と握力の弱さには関係があります。
要するに、睡眠の質が悪ければ握力が弱く、逆に良ければ強いということです。
※全部で13件の文献がみつかりましたが、1件のみ関係がないと報告していました。

睡眠の質とは?

今回調べた文献では、睡眠時間、睡眠効率、睡眠潜時、不眠症などが睡眠の質を判断する項目でした。

睡眠時間
単純に何時間寝たか
睡眠効率
実際の睡眠時間÷ベッドにいる時間×100で示される。
例えば、ベッドに7時間いて、7時間睡眠であれば睡眠効率は100%
睡眠潜時
ベッドに入ってから寝つきまでの時間

これらの情報を得るためのアイテムが、アクチグラフです。

時計型のもので、装着して眠るだけで自動的に測定できます。
1つの研究では、24時間連続5日間装着してもらいデータを収集しています。

このように、測定機器を使い睡眠が測定されています。

握力とは?

ものを握るときの力のことです。
下記のように測定されており、左右2回ずつ測定し、平均値が解析に使われています。

対象年齢

40歳以上を対象とされていますが、多くの研究で65歳以上が対象でした。

まとめ

・睡眠の質と筋力には関係があります。睡眠の質が低ければ筋力が弱く、睡眠の質が良ければ筋力が強いということです。
・今回は、筋力の中で握力が用いられていました。
・睡眠の測定には、アクチグラフが利用されています。握力の測定には、握力計が用いられています。

筆者の考え

睡眠の質と筋力には、関係があることがわかりました。しかし、今回の結果からは因果関係まではわかりません。
睡眠の質が低下すれば、筋肉を作るために必要な成長ホルモンの分泌が減り筋力に影響を与えます。逆に、筋力低下の原因が筋肉量が低下と仮定すると、深部体温の上昇を招きにくくなり、睡眠の質を低下させる可能性があります。
どちらも関係があるため、どちらかを改善したいとの目標があればもう一方にも意識を向けることが大切だと感じます。

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