デイヴィッド・バーンが選んだタンゴ~選ばれたアーティストたち (その3)
前々回、前回に引き続き、デイヴィッド・バーンが選曲したタンゴのプレイリストに登場するアーティストの解説です。
本家のプレイリストはこちら。
これまで同様、オリジナル表記の名前、その日本語表記、カッコ内にプレイリスト内で登場するトラック番号、簡単な解説、というフォーマットです。よく知らない人については中途半端に調べて不正確なことを書いてしまうことを避けるため、ほとんど情報リンク先を貼るだけになっています。
Leopoldo Federico レオポルド・フェデリコ (19) アルゼンチンのバンドネオン奏者、作編曲家、楽団指揮者。タンゴ史上最高のバンドネオン奏者のひとり。1940年代からカルロス・ディ・サルリ、オラシオ・サルガン、アストル・ピアソラ等多くの楽団に参加。1960年より当時人気絶頂の歌手フリオ・ソーサの伴奏楽団を指揮し、64年にソーサが亡くなった後もそのまま楽団を率いて活躍。またバンドネオン独奏の優れた編曲と演奏を残したことでも知られる。本プレイリストではオルケスタ・エル・アランケとの共演で登場。2014年没。
Escalandrum エスカランドゥルム (20) 1999年に結成されたアルゼンチンのコンテンポラリー・ジャズ・グループ。編成はサックス×3、ピアノ、ベース、ドラムスのセクステットで、リーダーでドラマーのダニエル・”ピピ”・ピアソラはアストル・ピアソラの孫。→ ホームページ、Música Tierra: ピアソラの遺伝子を受け継ぐジャズ・タンゴ・セクステット「Escalandrum」が再び挑むピアソラ曲集
Vale Tango バーレ・タンゴ (22) アルゼンチンのピアニスト、作編曲家、楽団指揮者のアンドレス・リネツキーが率いるタンゴ楽団。1999年結成。伝統的な楽器編成を用い、レパートリーにも古い曲を多く含むが、編曲と演奏は現代的な感覚に溢れる。
Lise de la Salle リーズ・ドゥ・ラ・サール (23) フランスのピアニスト。 → Wikipedia: リーズ・ドゥ・ラ・サール
Madeleine Peyroux マデリン・ペルー (24) 米国ジョージア州生まれのシンガーソングライター。1996年にデビューすると「21世紀のビリー・ホリデー」と評される。→ TAP the POP: マデリン・ペルーの魅力〜アメリカで生まれてフランスの道端でバスキング、トム・ウェイツからビートルズまで“国境やジャンルを越えて”歌いつづける人
Medialuna Tango Project メディアルナ・タンゴ・プロジェクト (27) イタリア人ミュージシャンのジャンフランコ・パニギーニとジャンルカ・ポッツィによって結成されたグループ。→ Medialuna Tango Project
The Tango Project ザ・タンゴ・プロジェクト (28) 米国のアコーディオン奏者ウィリアム・シンメルを中心に1986年に結成されたグループ。アコーディオン、ピアノ、バイオリンのトリオ編成。アル・パチーノ主演の映画『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』でのタンゴダンスのシーンで使われた「ポル・ウナ・カベーサ」は彼等の演奏。
Osvaldo Pugliese オスバルド・プグリエーセ (30) アルゼンチンのピアニスト、作編曲家、楽団指揮者。いくつかの楽団に参加の後1939年に自身の楽団を結成。以来「ジュンバ」と呼ばれる強烈なリズムと緻密なアンサンブルでタンゴ界最高峰の楽団のひとつとして長年活躍。メンバーから多くの優れたミュージシャンを輩出し、後進にも大きな影響を与えた。1995年の没後も彼の楽団のスタイルや音楽性の継承を目指す若手は多い。
以上、デイヴィッド・バーンが選んだタンゴのアーティスト達でした。次回、これまで3回のまとめで感じたことやプレイリストを聴いての所感等をまとめてこのシリーズを締めたいと思います。
ブログとの同時投稿です。