3月11日は、特別だけど、特別ではない日
今日は、3月11日。
特別な日だけど、特別な日ではない。
学校は春休みなので、非常勤で急ぐ仕事も無い僕はのんびりと、いつもより一本遅いバスで仙台通勤する。
変わらない日常。でも、ちょっとだけ違う。
車窓から流れる景色は、見慣れた風景。
それでも冬から春へと進んでいる変化は感じる。
高速道路は、乗用車や、トラック、バス……、それぞれの目的に向かって、様々な思いを乗せて、いつもと変わらないように走っている。
でも、いつもと同じではない。
3月11日は、特別だけど、特別ではない日。
ただ、普通に過ごせる。当たり前の日々が、どれほど尊いか。
毎日、出会う人や経験が、どれほど有り難いか。
ちょっとだけ思い出す。感じる1日。
2011年3月11日。
みんなの人生は、大きく変わった。
僕の人生も大きく変わったけど、ほんとのジブンは何も変わってない。僕は僕。
2011年の3月11日の14時46分。
一瞬の判断が、全ての生死を分けた。
目の前で車が、家が、人が、一瞬にして、黒いモノに流されていく。
僕の1m前に黒い死があった。みんなで必死に逃げた。
その夜。
停電した街の中で、海が燃え、孤立したビルの屋上で、ただ、空を見上げることしかできなかった。
満天の星が照らす、一歩先に死が広がる残酷で美しい世界を眺めながら、
「僕は、生き残ってしまった。」と感じた。
ずっと、そんな気持ちでいた。
でも、それは違った。たくさんの出会いがあり、たくさんの経験を積んだ。
今は、思う。
「僕は、やっぱり生かされているのだ」
生かされている。は、行かされている。
みんなが背中を押してくれている。
今日の夜は、静かに空を見上げる。
みんなに、ジブンに、ありがとう。
3月11日も特別で、特別でない日。
最後まで読んでくれた、あなたにありがとう。
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