第五章 地獄 三

 高岡は昨晩よく眠れなかった。だが高校をサボる訳には行かないと思った。朝布団の中から出たくなかったが、高岡は這うようにして頑張って出た。

「あんた今日も食べるの遅い」ダイニングテーブルに座っていつも通り母親と朝食を食べていると、目の前の席に座った母親に高岡は文句を言われた。

「孫が馬鹿校に通ってるっておばあちゃん恥ずかしくて誰にも言えやしないよ」祖母は横の台所でせかせかと動きながら言った。

ここから先は

2,253字

ー俺の殺人告発文書。人を探しています。ー  ウェブデザイナーとして働いている高岡優希には秘密がある。それは高岡が過去に実家を燃やし、その…

期間限定!Amazon Payで支払うと抽選で
Amazonギフトカード5,000円分が当たる