第四章 退化 三

 公立高校受験に落ちた。

 高岡は受験会場で自分の受験番号を確認しに行く前に、一緒に結果を見に来た祖母の反応を見た。高岡を止めて番号を先に見に行った祖母は顔を横に振ると手で大袈裟にバツサインをし、受験番号を見に行こうとした高岡に言った。

「だめだめ。最悪よ」祖母は周囲に聞こえる大声で言った。

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ー俺の殺人告発文書。人を探しています。ー  ウェブデザイナーとして働いている高岡優希には秘密がある。それは高岡が過去に実家を燃やし、その…

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