第六章 契約 二
「もう帰るの?」小鷹創一朗が聞いてきた。
高岡はワンルームのロフトの上で裸だったが、下着とパンツを履きながら答えた。
「うん、ごめん。用事があるんだ。シャワー借りてもいい?」
「いいよ。優希忙しそうだもんね。資格試験今度いつなんだっけ?」小鷹は聞いてきた。
「今月末」高岡は小鷹を見ずに、自分の服を持ってロフトの階段を降りながら正直に答えた。
高岡は小鷹の家のシャワーを借りた時、身体を念入りに洗った。異物感があり、腰が痛かった。小鷹の家に置かせて貰っていた電気シェイバーを使い薄い髭を剃り、洗顔をした。シャワーで身体を再度軽く流した後、シャワーカーテンを開けて便器の蓋の上に置いておいた自分の服を着た。やはり風呂場とトイレは別が良いと高岡は思った。高岡の住んでいるマンションはトイレと風呂場が別だった。
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