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Vol.3 プレミアリーグで起きた珍事!解説します
世界最高峰のプレミアリーグでめずらしいプレーが起きたので解説しておきます。ラグビーのルールの奥深さは多くの人が語るところですが、僕も長年ラグビーを見てきて、選手として、指導者として、今や専門家と呼ばれてもおかしくない立場にも関わらず、いまだに初めて知るルールもあります。(Xでこれを言うと「プロコーチのくせにルールも知らないのか!」と叩かれる。笑)
22mライン内でフェアキャッチした場合、マークした選手のキックでプレー再開。そして、マークした位置にキッカーが少しでもアプローチしたらディフェンスはプレッシャーをかけることができる。覚えておこう。#JEK
— Japan Elite Kicking 🇯🇵 #JEK (@JekOfficial) January 26, 2025
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ツッコミどころがいくつもある一連の流れですが笑、22mライン内でのフェアキャッチや反則によるフリーキックで起きるプレーなので、これ自体はそれほど珍しいものではありません。しかしこれが世界最高峰のプレミアリーグで起きたのはとても驚きでした(学生の試合ではよく見られます)。とはいえ僕自身も、ディフェンス側がプレッシャーをかけられるだけでなく「キックを阻止した場合はスクラムで再開となる」というルールについては、今回のプレーで初めて知ったというのが正直なところです。
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1.選手のルール理解度
22m内フェアキャッチからのフリーキック。キッカーが1歩でも助走に入ったらディフェンスはプレッシャーをかけることができる。キックだけでなく、ルールの理解でテリトリーをコントロールしよう。#JEK @TAKEHIRO_K1MURA
— Japan Elite Kicking 🇯🇵 #JEK (@JekOfficial) July 14, 2024
pic.twitter.com/wHr6CvPQwP
こちらのシーンも同様ですが、ルールを熟知したディフェンスがプレッシャーをかけたことでキッカーは慌てて蹴らざるを得ず、苦し紛れのミスキックになりました。映像ではこの先が見られませんが、この後に有効なカウンターアタックを仕掛けることもできたはずです。ルールを知っているだけで、キックを阻止したり、チャージダウンができるだけでなく、キックミスやコントロールエラーにつながることも少なくありません。チームのプレーメーカーとなるキッカーにプレッシャーをかけることで、勝敗を左右するようなチャンスを生み出す可能性もあるのです。
選手の皆さんに伝えたいのは、競技規則を全て熟知してからプレーする必要はありません。疑問に思ったことや、試合で起きた事象について少しずつ覚えていきましょう。ルールを知っていて損はないです。
2.レフリーへの重圧
ワールドカップでも起きたフリーキック時のキッカープレッシャー。この判定どう思いますか? #JEK pic.twitter.com/J2cqsSPzjK
— Japan Elite Kicking 🇯🇵 #JEK (@JekOfficial) October 7, 2023
こちらはスクラムでの反則によるフリーキックから似たようなシーンでしたが、なぜかキック阻止が認められずフリーキックがやり直しになりました。レフリーがなぜこのような判断をしたのかわかりませんが、競技規則の観点から見ると、プレーオンだったのでは?と疑問が残ります。
競技規則を語る上で最も大変なのは、レフリーです。どんどん進化するゲーム展開についていくだけでなく、大きなフィールドで一つ一つのプレーを一瞬で判断しなければならない。たとえ競技規則が頭に入っていても、それを咄嗟に判断できるかどうか。想像するだけで大変さがわかります。
3.ファンの方々、これからラグビーを見る人へ
ルールや用語(最近もありましたね)が定期的に変更されたり、試験的なルールを一定期間トライアルしたり、目まぐるしく変わっていくのがラグビーの特徴です。すべての競技規則を頭に入れるのは至難の業です。信じられないかもしれませんが、多くのトップ選手も完璧に理解していません。基礎となるルールさえ分かれば、プレーする人も観る人も十分楽しめます。鮮やかにボールが動く「球技」の要素、力と力がぶつかり合う「格闘技」の要素、そして緻密な戦略で得点を奪い合う「戦略」の要素、様々な楽しみ方でラグビーを観てみてください。
このnoteでは、世界中の試合で起きた事象を紹介しながら、ルール理解を一緒に深めていける場所になればと思います。ご意見、ご感想などもあれば、是非コメントしてください。