ソニーはクランチロール買収でプラットフォーマーになれるか
実はソニーはアニプレックスを傘下に持ちます。そんなソニー>アニプレックスの子会社、ファニメーションがクランチロールを傘下に収めます。
実は鬼滅にも関わっているソニーのエンタメ事業
ソニーがアニメ?という向きもあるかもしれませんが、知っている方は知っている、いま話題絶頂の「鬼滅の刃」を制作するアニプレックスはソニーのグループ会社です(正確にはソニーミュージックエンタテインメント)。ソニーのエンタメ領域は歴史が長く、1980年代にさかのぼります。
初代PSプレイステーション(PS)が発表されたのは1994年です。しかし実際には開発に10年くらいかけています、任天堂のファミコンの発表が1883年ですので、そのあたりから事業としては始まっていたようです。また86年にはコロンビア・ピクチャーズを買収して映画事業に参入しています。
この頃から、すでにエレキだけではない展開を見せていたわけです。
現在はゲーム、音楽、映画などエンタメ事業において多元展開しています、音楽事業(ソニー・ミュージック)では鬼滅でおなじみのLiSAをはじめ、ミュージシャンだけでなく俳優や芸人、声優なども擁しています。
また前出のアニプレックスは鬼滅の刃より以前から人気作品を多数輩出していますし、コンテンツメーカーとして着実に成果を出しています。すげぇよソニー。
プラットフォーマーとしてのクランチロール
一方のクランチロールは、もともとはアニメ系の動画アップロードサイトとしてスタートしました。まあグレーなやつっぽいです。むしろそこからテレ東や東映と提携してしまい、オフィシャルな存在になっていたタイプのやつです(アニメ界隈は海賊版だ!とすぐに潰さずに、むしろホワイト化する柔軟性とウマさがありますね)。
https://www.crunchyroll.com/about/ja/index.html
(クランチロールのサイトです、なぜかリンク埋め込みできん)
日本の大手アニメーション企業と提携した同社は自己浄化し、違法アップロードされたコンテンツを一掃、さらにはオリジナル作品の制作まで乗り出しています。ユーザーは9,000万人、オフィス拠点も6カ国に展開しています。もはやアニメ会のNETFLIXかもしれません、すげぇよクランチロール。
よくGAFAはプラットフォーマーだ、と言われますが彼らとて最初はひとつのサービス提供者でした。Googleは検索エンジン、Facebookは学生掲示板、AmazonはECサイト、Appleはコンピュータ屋さん。
Appleはわかりやすい例で、
iMac --> iPod --> iTunes --> Apple Music
--> iPhone --> App store
といった具合にiTunesをフックにプラットフォーマー化を果たしています(こんな感じで合ってるかしら)。
ソニーはエレキのトップランナー、さらにエンタメのプラットフォーマーへ
ご存じのとおりソニーはトランジスタでラジオを開発しました、テレビのリモコンを開発したのもソニーです、ウォークマンは誰もが知るところですし、今はイメージセンサー事業で世界シェア5割に迫ります。過去から現在まで常にグローバルなステージでトップを走り続ける企業です。
最近は発売する予定はないとしつつも、センシングの研究目的としてクルマVISION-Sも開発しました。めちゃカッコいいぜこれ。
これまで本業としてきたエレキの世界では、プラットフォーマーというよりトップランナーという印象でした。
エンタメの方ではどうでしょう、これまではソフトの配信プラットフォームとしてのプレイステーションがありましたが、クランチロール買収によりアニメなどにおいても配信プラットフォーム+グローバルのユーザーを得ることになります。プラットフォームを獲得するにしても、最初からグローバル展開にするあたりがSONYって感じですね。
Youtuberがユーチューバーを生み出したように、プラットフォームは新たなトレンドも連れてきます。NETFLIXやFulu、Desney+など並み居る先行者に割って入り新しいトレンドを巻き起こせるか、ソニーの新しい展開をワクワクしながら見守りたいと思います。