継承語から外国語へ〜日本語サポートの進展[459]
オランダで4年間、継承語として日本語を学ぶサポートをメインにしてきました。日本に帰国する予定があったり、海外生活で日本語を維持するレッスンをこれまで提供してきました。つい先日、私のところに継承語としてではなく、外国語として日本語を学びたい子のサポートをお願いできないかという問い合わせをもらいました。これまで継承語としてのサポートしかしてこなかった私にとって、英語を介して日本語を教えるという経験はほとんどなく、まずはトライアルレッスンをしてみましょうということで先日レッスンをしました。今日はそのことについて記録しておきたいと思います。
きっかけはクラスメイトの母親から
先日、私の子どものクラスメイトの母親から「ポーランド出身の家庭で日本語を学びたいと言っている子がいるけれど、日本語のレッスンを受けることはできるかな?」と妻に連絡がありました。自分の英語力に自信のなかった私ですが、海外に住む日本人として何か貢献できることをしたいと思っていたのでトライアルレッスンとして自分のレッスンでも大丈夫かを相手に判断してもらおうと思いました。英語の説明には自信がなく表現も拙い私ですが、できるだけのことをやってみてあとはその子に判断を委ねることにしました。対面でのレッスンであれば、自分の英語表現をカバーするものはたくさんあるのですが、今回の依頼はオンラインレッスンということだったので私自身もできる限りの準備をして挑みました。
いよいよトライアルレッスン
日本語が0の状態からスタートするため、受講してくれる子どもの日本語を学びたいというモチベーションや家庭での言語状況などについていくつか事前に聞き取りをしました。その子の年齢は11歳、家庭言語と学習言語は異なり、日本語に対するモチベーションについてはクラスメイトに日本の子がいるらしく、日本語で話すことに興味があるようです。また、来年日本を旅行する予定だから日本のことを学びたいと思っているということでした。
最初のトライアルレッスンなので、本人が知りたいと思っていることを中心に授業を組み立て、その中に少し基本表現や文字に関する情報を取り入れることにしました。また、妻はオランダ現地の小学校で日本文化を紹介したり寿司のワークショップなどをしているので、小学生が興味をもちそうな日本文化はどんなものがあるのかを聞きながらレッスンの組み立て、トライアルレッスンの内容は以下のようになりました。
レッスンをしてみた結果ですが、やはり自分の語学力ではオンラインレッスンはまだまだ不自由な点が多いと感じました。もっと、いろんな言葉がけをしてあげたいのですが、すぐに言いたいことが英語で表現できなかったり、その子が話してくれる英語が時々分からないこともありました。しかし、自分の力不足を嘆くだけでは何も変わらないので、ただただレッスンを楽しんでほしい、日本語は面白いと感じてくれたらという思いでレッスンをしました。しかし、説明やコミュニケーションの点で不安を感じる場合は、継続はないかもしれないという思いもあったので、もっと自分の英語を磨かなければいけないということを強く実感できた経験となりました。
トライアルの結果は、、、
トライアルレッスンの翌日、受講してくれた子の母親から連絡があり、「私の子はあなたと学ぶことに熱心です。彼女が喜ぶレッスンをしてくれてありがとう。次回からもよろしくね。」というコメントをいただきました。
そのコメントをもらった時、あんなにつたない英語で申し訳なかったと思っていたけれど、それ以上に言語面とはまた別の「教えることに対する情熱」がその子に伝わったのかもしれないと感じた時は本当に嬉しかったです。
レッスンの継続を望んでくれたので、これからも外国語としての日本語学習を充実したものにできるように努力していきたいと思います。また、自分の英語面に関しても「やらなければならない」から「やった方がもっと自分の仕事が面白くなる」と理解できたので、明日からスタートする英会話レッスンも積極的に取り組んでいきたいと思います。
今回は、新たにチャレンジする機会を与えてくれた出会いに感謝するとともに、今後も自分の仕事を楽しみながらいろんな人の役に立てるように、自分自身ももっと成長していきたいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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