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ヨーロッパ旅行(2022.10)元高校歴史教員がギリシア🇬🇷クレタ島の魅力を振り返る【306】

 昨年10月に友人家族とギリシアのクレタ島に行きました。その時に訪れた「クノッソス遺跡」と「イラクリオンの要塞」について記録しておきたいと思います。

 また、ギリシアと聞くと、都市国家ポリス、アクロポリスなどアテネを中心に栄えた古代文明が有名です。しかし、今回の旅はギリシア最大の島であるクレタ島についてまとめていきます。クレタ島は、ミノタウロスが登場するミノス文明やクノッソスの迷宮、未だに解読されていない線文字Aなどで知られています。

 ちなみに、ギリシアは「ギリシア」と「ギリシャ」の両方の呼び方がありますが、外務省にはギリシャ共和国とあり、古典や歴史・哲学においてはギリシアと表記されるとのことでした。

クノッソス宮殿

 約4000年前に存在したとされるクレタ(ミノス)文明の遺跡。外敵の侵入を防ぐ城壁などはないものの、貯蔵庫とされる場所があったり、生活に必要な水をめぐらせるために水圧を生み出すための高度な技術が既に存在していたことが分かったそうです。

はっきりとは分かりませんが、複雑な構造をしていたようにも見えます
通路を渡りながら遺跡の中を歩いていきます

 何よりも小部屋がたくさんあり、この構造が迷宮(ラビリンス)の伝説の元になったと言われています。ミノタウロスや運命の赤い糸などの話の元がここにあるそうです。

地下につながる階段
この先は迷宮のような構造なのでしょうか、、、

 復元模型や絵画などの現物を見る場合は、イラクリオンの考古学博物館に行けば見られます。

ギリシア神話:ミノタウロスと迷宮の話

 ここでクノッソス宮殿にまつわるギリシア神話を簡単にご紹介します。クレタ島の王ミノスは、海神ポセイドンとの約束を破ったために、頭が牛、体は人間の子が生まれてしまいました。その怪物ミノタウロスを隠すために、ミノス王は大工のダイダロス(イカロスの翼を作った張本人)に迷宮を作らせます。ミノタウロスはそこに住まわされ、ミノス王はアテネから送られてくる生贄をミノタウロスに捧げることになりました。

 アテネの王子テーセウスは、生贄の一行に加わりミノタウロスを倒すことに成功します。その時に、ミノス王の娘アリアドネから迷宮で迷わないように糸を繋いでもらい、その糸をたどって迷宮から出ることができたと言われています。迷宮はここでは発見されていないそうですが、このクノッソス宮殿が迷宮のようなつくりをしていたことから、ギリシア神話につながったと考えられています。

高度な文明

序盤で目を引くのはこちらの壁画(レプリカ)
王の間
この玉座はオランダ・ハーグの国際司法裁判所の裁判長が座る椅子のモチーフになっているそうです
貯蔵庫とされていた場所
この中の壁画を見たかったのですが入れず


 クレタ文明についてさらに詳しく読みたい方は、以下のURLもしくはHP「世界史の窓」をご覧ください。

イラクリオンのクールス要塞

 次はクレタ島最大の都市イラクリオンに訪れました。そこにある、9世紀頃から破壊と改修を繰り返し建設されたという要塞。
 ヴェネツィア共和国の統治下にあっただけに、イタリアの港風景に似ているような感じもします。

 かつてイラクリオンに住んでいた昔の人々も、この広大な海を見て外敵の侵入に恐れたり、海の美しさに感動したりしていたのかと思うと感慨深いです。

ここは港付近のヴェネツィア人が造船所もしくは船の修理に使ったものだそうです
堤防沿いのアート、クノッソス宮殿の女王の間にもイルカの壁画が見られます
堤防沿いを歩くといろんなアートを見かけます
当時の様子が分かりそうな壁画です
撮影スポットのマーメイドはかなり錆びておりました
堤防の一番先まで来るのに40分ぐらいかかりました
夕日が沈みます

 次はヴェネツィアに行く予定なので、イラクリオンの港とどれぐらい似ているかを観察してきたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

<参考HP>


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