オランダ市民化テスト"Inburgering Examen"総括(2023〜24年)[408]
4月にオランダ市民化テストの最後に受験した「スピーキング」が終了し、無事に合格をもらうことができました。これから申請に移っていくわけなのですが、学科試験が無事に終了したのでここで記録を残しておきたいと思います。
苦手な言語の学習
私にとってオランダ語は第3言語になります。大学卒業までは日本の教育で英語を学んできましたが、入試科目としての読み書きはできても実用的な外国語習得には至っていない感覚が残っています。そのため私の中には言語を学ぶということについて苦手意識も強く、本当にオランダ語を習得できるようになるのかが不安でした。
また、オンラインの家庭教師の仕事を午前と昼に行い、夕方や夜は教室でのレッスンをしているので、オランダ語を学びにいく時間を取ることができないまま独学で進めてきました(実際にスケジュールを調整して行こうと思えば行けたのですが、なかなか重い腰が上がらずというのもあります、、、)。
自分に合った学び方で行こうと思い、独学と自分なりにコミュニケーションを積み重ねた結果、試験には何とか合格することができました。自分なりのコミュニケーションとは、ちょっとした会話の時にオランダ語を使ってみるということです。つまり、買い物に出かけた時の会話やカフェなどの注文からスタートして、少しずつオランダ語の会話を広げていくようにしました。未だにスムーズに会話することには自信はありませんが、何とか試験の結果にはつながったのだと思います。
あくまで「試験対策」としての学習
私は言語の学習は苦手でしたが、オランダで暮らす以上現地の言葉は学ぶべきだと考えていたので、自分なりにコツコツ進めてきました。当然言語はすぐに身につくものではなく、学ぶことが苦痛に感じることもありますが、やった分は必ず前に進んでいるという実感もありました。街で耳にするオランダ語が少しずつ理解できるようになってきたり、オランダ語のニュース番組が以前よりも分かるようになっていました。
それでもオランダ語を思うように操れる訳ではないので、日常ではがっかりする経験もありました。しかし、何よりも試験はあくまで試験です。試験の傾向を把握してしっかりと準備すれば対応できるようになります。また、合格の基準が6割というのもありがたいです。
試験を受ける順番はどうする?
言語習得が苦手な私にとって、まずはインプット系の科目から始めることにしました。「リーディング」は文字として単語が書かれているので、その意味を覚えていれば比較的余裕を持って取り組むことができます。
その次は「オランダ社会の知識」と「リスニング」を同時に受験しました。この2科目は、問題文が音声で出されるところが共通しており、対策がどちらも一緒に進められると思いました。ここも1科目ずつでも良いと思いますが、何回も受験会場に行くのは手間だと思ってまとめて受験することにしました。
そしてアウトプット系の科目であるライティングとスピーキングは基本的に難易度が高いので、最後の2科目にして1つずつ分けていきました。この2科目の準備は非常に難しかったです。どちらも模範回答や動画で紹介されている表現をほぼ暗記するという形で対策しました。ただ、試験のためだけの勉強は苦痛になりますので、子どもと一緒にオランダ語のニュースを見たり、YouTubeでオランダ文化に関する動画などを視聴しながら自然と耳に入ることも一緒にしました。
モチベーションはオランダ社会へのリスペクト
このようにオランダ市民化テストの学科試験が無事に終了したのですが、私のオランダ語の学習を支えてくれたのは、オランダ社会へのリスペクトです。私たちは自分たちの意思でオランダに移住し、オランダ社会の中で外国人として暮らしています。移民に対して比較的寛容な政策が取られているものの、最近では移民排斥の思想が拡大しつつあるオランダ社会の中での私たち一人ひとりの行動はとても重要だと感じています。また、子どもが現地の学校で学びそこで出会った友達や、私がこちらで知り合ったオランダで暮らす人たちからいろんなことを学ばせてもらったので、オランダにきちんと税金を納めつつその社会の中でオランダ社会の移り変わりを見たいと思っています。
私にとってはオランダも日本も素晴らしい社会で、どちらにも魅力とそうではないところがあります。しかし、それに気づかせてくれたこの社会のことを理解するために少しでも社会に統合する(inburgering)姿勢は持ちたいと思っています。
各科目で使った教材や動画のサイト
最後に、私がこれまで独学で使用してきた教材やYouTubeの動画などのURLを載せています。これから勉強を始める方、もしくは日本在住でこれからオランダに来られる方の予習に役立てていただけたらと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。