IBDP日本語A SSSTのスタート!「マイブックリスト」の作成[219]
(2024.09更新)IBDP日本語AのSSST(セルフスタディ)の生徒は、9月から新年度を迎え新しい生活をスタートすると同時に、学習を始めるにあたっての準備をいろいろと進めているようです。
私はSSSTのチューターとして学習のサポートをさせていただいていますが、言語AのSSSTの生徒たちは初めに2年間でどの作品を読み進めるのかを自分で決めて、それをリストにして学校に提出しなければなりません。
今回の記事では、どの作品を読み進めるのかを決めるための「マイブックリスト」の作成方法についてまとめます。この記事は、「自分で学習を進めなければならないけれど、どうして良いかわからない」という方向けに記事を書いています。お困りの方のお役に立てれば何よりです。
"My Booklist"を作成しよう!
日本語Aの科目が学校で設定されている場合は、先生があらかじめどの作品を扱うのかを設定しています。しかし、日本語が開講されておらずSSSTとして自分で学習を進める場合は、作品の選定も自分でしなければなりません。学校によっては、"EnglishA"の授業に混ざって翻訳作品を読み、英語でディスカッションなどに加わる授業もあれば、SSSTの生徒が学ぶ時間があり、みんなで翻訳作品から読み始める授業もあるようです。SSSTの学習の進め方は、学校の方針によって変わってくるので、まずは学校の進め方を確認するのが良いと思います。
どんな学校であっても、初めにしなければならないのは2年間でどんな文学作品(あるいは非文学作品)を読むのかを決めることです。作品は好きなものだけを選ぶことはできず、IBが指定した条件に合わせて作品選定をしなければなりません。そのため、ブックリストの作成する上で、おすすめの手順をご紹介します。
「マイブックリスト」の項目
初めに「マイブックリスト」を作成するのに必要な項目について確認していきます。こちらの項目に合わせて条件を見ながら作品を選びます。学校がいくつかの作品を指定することがあります。
・作者(Author) → SSSTの生徒は全てPRLから選択!
・タイトル(Title) →学習している言語の作品3作品、翻訳作品2作品
・言語(Language) →学習している言語の作品か、翻訳作品か
・文学形式(Literary form) →最低3つの形式
・世紀(Period) →最低3つの時代(世紀)
・場所(Place) →最低3つの国もしくは2つの大陸
・探究領域(Area of Exploration) →最低2つずつ
学校で指定された入力するフォームがあると思うので、それに合わせて入力してください。作品を探すのには時間がかかります。また、最後にそれぞれの条件を満たしているかどうかを確認する必要もあるので、時間に余裕を持って取り組むことをお勧めします。
作成の手順
学校から指定されている作品や、自分が読みたい作品(できればPRLから選んだほうが分かりやすい)を決め、リストアップする。この時、文学形式や場所、世紀などを調べて入力しておく。
作品を選定する条件を見て、足りない項目を見ながら作品を探す(例えば、「世紀が20~21世紀ばかりになっている」「作品がヨーロッパの国ばかりになっている」「文学形式が2つしか入っていない」など)。迷ったらPRLで条件を絞り込んで探してみる。
7作品を選べたら、全ての条件が揃っているのかを確認する。最低9作品以上なので、追加しても良いが大変になるかもしれない。
各項目の細かい条件
もし作品を選定する場合に、各項目の細かい条件を確認したい方はこちらをご覧ください。
◯学習する作品は7作品
そのうち、
日本語で原作が書かれた作品(最低3作品) "SSST-language"
翻訳作品(最低2作品) "translated"
を含む
※いずれもPRLにある作家から選択
◯それぞれの探究領域で最低2つの作品を選ぶ
※探究領域とは?
「読者、作者、テクスト」
"Readers, writers and texts"
「時間と空間」
"Time and space"
「テクスト間相互関連性:テクストをつなげる」
"Intertextuality / connecting texts"
◯3つの文学形式、3つの時代(世紀)、最低2つの大陸に存在する3つの国または地域
※文学形式とは?
戯曲(drama)
詩(poetry)
散文:フィクション(prose:fiction)
散文:ノンフィクション(prose:non-fiction)
◯同一作家は不可(他の言語Aの科目あるいは言語B)
以上が「マイブックリスト」を作成するのに必要な手順になります。チューターとしてサポートしている生徒に対しては、これらの手順に従い、学校からの指示に合わせて作成のお手伝いをしました。あくまで、作品を決めるのは生徒ですが、最終試験とのバランスや文学作品として認められるかどうかなどの細かいところを私の方で確認しました。
今回は以上になります。次回は、学習計画の作成について記事を書きます。
日本語A SSSTの学習で困っている生徒の役に立てば嬉しいです。
最後までお読みいただきありがとうございました。