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患者さんを「家族」と想って接する医療

初めてnoteに記事を執筆いたします。
横浜市神奈川区の整形外科【吉野整形外科】院長の吉野匠です。

私は整形外科医であり、特に「足の外科」を専門としています。
足の専門医は、全国でも約1,000人と言われており、医療の中でもとても特化した領域です。

私たちが暮らしの中で「足」を使わないことはほとんどありません。
足の健康を守ることは、人々の人生を豊かにすることだと信じて診療を行ってまいりました。


人と人の関係性から診療をはじめる

昨年、ありがたいことに当院は開院から20周年を迎えることができました。
開院当初の患者さんはご家族が増えた方もおられ、そのお子さんにも来院していただけることに日々感謝しております。

当院は、開院から現在まで「紙のカルテ」を使っています。
今は電子カルテが主流になっていますが、診察中にパソコンの画面に向かっていると、患者さんに背を向けてしまうため、現在も紙のカルテを使用しています。

診療の際に大切にしていることは「患者さんとの人間関係をつくること」です。
医師と患者さんが初めて出会うのは診察室ですが、最初から「医師と患者さん」という関係にならないようにしています。

初めてお会いする患者さんには、

「初めまして。院長の吉野です。●●さん、どうぞよろしくお願いします」

と笑顔で挨拶し、患者さんのお名前をお呼びするようにしています。

そうすると、医師と患者さんではなく、「人と人の関係性」から始められると考えています。

これは開院当初から意識していたわけではないのですが、以前にGoogleのレビューで患者さんから「とても安心できた」「お話しやすかった」と評価していただき、とても嬉しかったので、今ではより意識して診療に臨んでいます。

患者さんを「家族」と想って接する医療を行う

医療には、病気や症状を治すというゴールがありますが、そこに辿り着くまでには複数のルートや選択肢があります。
富士山の頂上にいくために、様々な登山ルートがあるようなものですね。

医師は、そのルートや選択肢の判断をするわけですが、時には迷いますし、なかなか答えがでないこともあります。

そんなとき、私は患者さんを「もし自分の家族だったら」と考えて判断するようにしています。
そうすると、一番間違いのない判断ができると思います。

しかし、家族だからこそ判断が難しくなることもあります。
命に係わることやリスクが大きい手術の場合です。

そんなときは改めて患者さんの立場になって、最善の選択ができるようにしています。
ただ、基本的には「患者さんを家族と思って接する医療を行うこと」で良い選択ができると考えています。

まずは患者さんの意見を受け止める

私は来年で60歳を迎えるのですが、気持ちはまだまだ若いです。
若い頃には苦杯をなめることもありましたが、そこから学ぶことも多かったです。

開業したばかりの頃は40代で体力もバリバリだったのですが、若さのあまりついつい正義感に燃えてしまっていました。

例えば、患者さんのご意見が医学的に間違っていたとしたら「それは違いますよ」と説得していました。

ただ、人が病気を指摘されたときの反応はさまざまです。
仮に正しい診断であっても、自分の意見と違うことで気分を害されてお怒りになる方もいれば、どの整形外科でも診断がつかずに悩んでいた方が「やっと自分の苦しみを理解してもらえる人に出会えた」と泣いて喜ばれることもあります。

医師の仕事は、病気を診断し治療することですが、そうした患者さんの状態を鑑みずに「それは違いますよ」と意見を否定してしまうと、それは誰でも心を閉ざしてしまいます。

なので、それからは患者さんのご意見が医学的に違ったとしても、まずは「そうかも知れないですね」と受け止め、それから医師としての見解をお伝えするようにしています。

そうすると、患者さんも心を開いてくださり、医師としての見解をしっかりと聞いてくれます。そしてより深く理解してもらえるようになりました。

足の疾患は「人知れず悩む方が多い」

日本整形外科学会の発表によると、2024年現在、整形外科専門医は約21,000人いるそうです。
足の専門医が約1,000人であることを考えると、その専門性の高さが良く分かると思います。

足の疾患は、整形外科医というだけでは判断できないことが多くあります。
私たち足の専門医では、意図的に体重をかけた状態でレントゲンを撮ることもありますが、整形外科医としては一般的なことではありません。

一般的な撮影では診断がつかないことがあるため、そのような特殊な撮影を行うことで、患者さんの足の不調や痛みの原因を診断できることがよくあります。

そうすると、痛い思いをしている患者さんは、誰からも理解されず、ひどいときは本人の精神的な問題ではないかと誤診されて来られる方もおられます。

複数の整形外科クリニックを回って診断がつかなかった患者さんが、当院にこられて、診断がついたことで泣いて喜ばれることは少なくありません。

このように、足の疾患は足の専門医でしか分からないことがあるので、人知れず悩む方が多いのです。

足の疾患についての情報はまだまだ不足していると感じていますので、今後noteを通じて発信してまいりたいと思います。

今回の記事は以上です。
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どうぞよろしくお願いします。

吉野整形外科
院長 吉野 匠

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©Yoshino-seikei


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