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クリスマスに親バレして、自分の人生を歩みはじめた風呂屋の話②


この記事のつづき。医師志望の少女が風俗の世界に足を踏み入れたきっかけ。



かなり拗らせた理由で医師を志望していた19歳の夏。

風俗のお仕事に興味を持った理由は
「少ない時間で効率よくできるお仕事をしたい」
「性的なことを体験してみたい」

主にこの二つが理由でした。

前者の理由は「実際に勉強で忙しかっただろうし」と納得される方が多いかと思いますが、後者の理由には「そんなフィクションのような志望動機ある……?」と思われる方も少なくはないでしょう。

というのも、わたしはすべてのファースト●●●がこのお仕事での経験となるくらいには、それまでにプライベートでの性的な経験がありませんでした。
そうなった原因は大きく二つ。

一つ目の原因は、家族が性的な話題を“神聖なもの”として捉えていたこと。
ドラマなどで艶っぽいシーンが来そうになると即座にチャンネルを変えるような家族だったので、何となく「触れてはいけないものなのだろうな」と感じていました。同時にロマンチックな価値観も持ち合わせていたので、「初体験は絶対に人生の伴侶と……!」なんて意気込んでもいました。(漂う箱入り娘感)

もう一つの原因は、学生時代あまりにも交友関係が狭すぎたこと。
前回の記事で学生時代について少し触れましたが、端的に言うと中高と不登校で引きこもっていました。たまに学校に顔を見せることはあったし、不登校と言えど信頼できるお友達は数名いたのですが、それにしたって交友関係があまりにも狭すぎたのです。


交友関係が狭いのは、不登校でなくなったその後も続き。

恐らく「繊細そうな雰囲気」が何となく気軽に近づいてはいけない人のように感じさせたのかな、と。中高ときて、大学生~20代となると遊びたい盛りを迎える方は多いと思うのですが、わたし自身そういったライトでアッパーなノリにはついていけない繊細さを持ち合わせていて、「よしたんをそういうノリに巻き込まないように」という周囲の人たちの気遣いを一身に受けていたように感じます。あとは普通に不思議ちゃんだと言われることが多かったので、どう接していいか悩む存在だったのでしょう。極めつけは、オタ活や好きなことをしている瞬間がいちばん楽しそうで(実際そうだった)それ以外の事柄への熱量が低く、軽いノリで声をかけたとて興味を持たなさそうなのが火を見るより明らかだったからというのもあります。(要はただの陰キャオタク)


そんなこんなで、交友関係が大きく広がることはなく。

それでも性的なことを抑制していたからなのか、裏でひっそりと多種多様なアダルト作品を楽しんでいた影響でエロへの興味だけは人一倍強かったです。自分の身に実際に起こるのがOKかどうかは置いておいて、見たり語ったりする分には結構ニッチな性癖もイケるタイプだったりします。ただのムッツリである。

ちなみに、読みかけで寝落ちしたエロ漫画が手元からそっと本棚に戻されていたことと、当時プレイしていたエロゲーの推しキャラのえっちな抱き枕カバーたちが定位置の隠し場所から片付けられていたことは、今でも思い出したくないトラウマですね。アーメン。


閑話休題。

こうして「風俗ってどうなんだろう?」とこの世界に興味を持ったわけですが、同時に「ちゃんとした人間でいなければ」という気持ちも強くありました。

己の価値証明のために選ぶ道が医師、そしてその医師こそが己の中での“ちゃんとした人”の最上級。要は、世間で広く認められている職業こそがちゃんとした人の象徴という考えを持っていて。加えて家族から影響を受けた性を神聖視する価値観もある。とすればアングラな職業である風俗は、当時のわたしの価値観では当然“ちゃんとしたお仕事”ではありませんでした。いけないことをやろうとしている、そんな罪悪感のような気持ちを持ちながらも……。

好奇心と性体験への淡い期待に突き動かされ、勢いでとあるお店の求人フォームへ向き合い、程なくして1週間後に面接をしてもらうことになったのです。


③へ続く。



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