【ちょっと圏外】を意図的につくる
『圏外』
はじめて知った頃は、不安を感じることばでした。
「ケイタイがつながらない・・・!あの人からのメールが届かない。。。みんなから取り残される。。。」
なんとか少しでも電波が届くように窓の近くに行ったり、外に出てなるべく建物がなくて広い方向にケイタイを向けてさまよってみたり。そして、電波マークが反応すると、ホッとする。
昔の人が見たら、宇宙人と交信する不思議な儀式と思われたかもしれません。
あの頃と比べると、今は圏外になる場所は少なくなりました。町の中はもちろん、地下にも電波が届いています。
いつでも、どこでも、誰かにつながれる。すごく便利で安心できる環境が整っているのは、ありがたいことです。
その一方で、息苦しさを感じてしまう自分もいます。常に、何かに見張られているような感覚とでも言いましょうか。そこらじゅうに電波の網が張りめぐらされていて、一瞬も油断できない感じ。
中高生の間で、「LINEですぐに返信しないと仲間はずれにされるから、いつまでもやめられない」と問題になる話も聞きます。
さすがに、大人同士ではそんなことはないけど、いろんなものを抱え込んで、いっぱいいっぱいになっていた時期があったから、きゅうくつさを感じてしまうのかもしれません。
だから、今は、あえてネットにつながらない時間をつくるようにしています。
電波は届いているなかで、意図的につくる『ちょっと圏外』。
夜遅くや、朝早い時間は、LINEもFacebookもお休み。
ひとりでぼーっとしたり、家族とただ一緒にいたり、本を読んだり。
今やるべき仕事だけに集中するために、ケイタイを別の部屋に置いておくことも。重要な用事は、留守電やメールがあるので、困ることはありません。
オンとオフのメリハリをつけることで、つながっている時間は限りあるものになり、大切に扱えるようになります。自分のなかでうまくバランスを取りながら、楽しむことができるようになりました。
『圏外』
今は、おだやかさを感じる、大切なことばになっています。
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毎週テーマを決めて共同運営を続ける日刊マガジン『書くンジャーズ』。
今週のテーマは、先週の【ちょっと県外】に続いて【 ちょっと圏外 】でした。
noteを書く時間も『ちょっと圏外』にしているのは、土曜日担当の吉村伊織(よしむらいおり)です。
今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
メンバーみんなのnoteも、忘れずチェックしてくださいね。
それではまた、お会いしましょう。