絵本は世界の入り口だから・・【子どもにプレゼントしたい絵本】を3冊チョイス
「子どもに絵本をプレゼントかぁ・・」
と考えたとき、ふと頭に浮かぶ絵本があります。
父親が子どもに何をプレゼントできるか?そんなことを見つめさせてくれる絵本です。
◆おとうさんのちず
戦争中の話なので、ちょっと切ない気持ちから始まります。
住むところにも、今日食べるパンにも、困っている家族。ある日、父親が市場から買ってきたのは、食料ではなく一枚の世界地図。ひもじさを少しも満たすことはできないプレゼントに、最初は怒りと悲しみを感じます。
でも、・・・。
少年は、おとうさんが買ってくれたちずで、世界中を旅することができた。豊かな世界がそこにあったのです。
僕たち大人が子どもに何を残せるか?
絵本を通じて何を伝えたいか?
世界の入り口となる絵本。できれば子どもたちにはその気持ちを受け取ってほしい。そんなことを考えさせられてくれる絵本です。
ちょっとまじめな話になってしまいましたね。
絵本は、もっと肩の力を抜いて楽しみたい!という気持ちもあるので、次にこちらを紹介します。
◆りゆうがあります
「ハナを ほじっても いいんじゃない!?」
と帯に書かれ、まさにハナをほじっている少年が「りゆうがあります」とタイトルコールをしている絵本。
ハナをほじるクセをおかあさんに怒られる少年が、ついついやってしまうクセについて言い訳を重ねていきます。
ハナをほじるのは、ハナの奥にあるスイッチを押して、ウキウキビームを出すため。
ツメをかむのは、大人には聞こえない音を出して、カラスを追い払うため。
ほかにも、びんぼうゆすり、食べこぼし、高いところに上る、ストローをぶくぶくしたりガジガジしたり。いろんなクセにはちゃんとりゆうがあるんだよと語る少年。
世界旅行や動物へのやさしさも飛び出して、そこまで言ってくれたら気持ちいいねと思わせてくれます。子どもと一緒に、言い訳の作戦会議をするのもおもしろそうです。
作者のヨシタケシンスケさんは、ほかにも子ども目線ので子どもの気持ちを代弁してくれる絵本をたくさん出されています。どれもクスッと笑ってしまうものばかりです。どの本をプレゼントしても、ハズレはないと思います。
最後に、もう一冊。
僕の好きな絵本を3冊選ぶなら、これを入れたいと思う作品を。
◆カクレンボ・ジャクソ
絵本の主人公カクレンボ・ジャクソンは、はずかしがりや。目立つのが嫌いなので、いつもひっそりとかくれるように暮らしています。
絵本の中でも、周りの風景に溶け込むような服を着ていて、「どこにいる?」と探しあそびをしながら読み進められます。
公園に行くときは草花の柄、図書館では本の柄、スーパーでは棚に並ぶ果物の柄。実は、この服は、カクレンボ・ジャクソンが自分で作ったもの。はずかしがりやの性格が、特技を身につけさせてくれたのです。その特技が、王様に認められ、町のみんなに認められ、ハッピーエンドに導いてくれます。
いまでも ちょっぴり はずかしがりやですが、
それも また カクレンボ・ジャクソンの いいところです
これが最後の言葉。
ついつい、明るく元気いっぱいであることがいいことであるように思ってしまうけど、「はずかしがりやでもいいんだよ」というメッセージは、子どもとも共有したい大切なことを気づかせてくれます。
このカクレンボ・ジャクソは、春日原にある子どもの本の専門店エルマーの前園さんが教えてくれた本です。絵本に込められたメッセージを教えてもらって、感動してすぐに購入しました。
絵本と言えばエルマーというのも、一緒に覚えておいてください。
◇
毎週テーマを決めて共同運営を続ける日刊マガジン『書くンジャーズ』。
今週のテーマは、【 子どもにプレゼントしたい絵本 】でした。
「子どもに絵本をプレゼント」と考えると、親目線の願望がどうしても入ってしまうなぁと感じました。子どもに伝えたいこと、その気持ちを代弁してくれているものを選んでしまいます。
もっと理想的なのは、子どもと一緒に本屋や図書館に行って、子どもがこれがいいと選んだものが一番。大人の好きと、子どもの好きは違います。
これから絵本の世界に入ろうとするパパさんが読み聞かせの本を選ぶなら、読む本人が楽しいと思えるものを。「なんとなくこの絵が好き」とか、「このフレーズおもしろいね」とか、「読んでたらあっという間に終わっちゃった」とか。難しく考えずに、その感覚を信じてください。
家にいながら、絵本を通じて世界が広がる。
なんてことをつい語りたくなる絵本好きなパパは、土曜日担当の吉村伊織(よしむらいおり)です。
今週も最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
メンバーみんなも素敵な絵本を選んでいます。ぜひチェックしてくださいね。
それではまた、お会いしましょう。
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