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170 「なぜ」を問え

物事を批判的に見るには、現状を疑うこと。
そもそもこの大前提はなぜ成立するのかについて、「自分自身」も含めて問いを突き立てて考えてみる。
特に、望ましい結果が出ないとき、思い通りにならないとき、人は「どうしたらいいのか?」と考えがちだ。
確かに、こうした問いも前向きに現状を打開させ、外から見ても意志力を感じさせるかもしれない。
しかし、一方でどこかズレてると思わせる要素も散見されるだろう。
どうするべきなのかという処方箋を見つけるために、なぜ成果が出ないのか、なぜ思う通りにならないのかを科学的に考える姿勢が、本質的な成果を生み出すのではないだろうか。


成果を生み出す要因は、「なぜ」という問いの破壊性にあるからではないだろうか。
自己を形成してきたこれまでの知識や概念は、過去に構築されてきたものだ。
「なぜ」はこうした遺物に、揺さぶりをかけ、時に革新的に破壊すらする。
たとえば、自分の見立て、あるいは常識では耳は一つで良い。
感覚として何か情報を得るためには、一つあれば十分なはずだ。
なのに、なぜ耳は2つあるのか?なぜ3つではないのか?
自分の認識に鋭くメスを入れ、方向転換させることが決定的な現状の改善に結びつくのではないだろうか。
つまり、過去の延長のまま、「どうすれば」と考えても過去の認識のままで方法論を紡ぎ出す限り抜本的な解決には繋がらない。
様々な要素を統計データとして調査したら、仮説とは異なる知見を得た、という風にならなければ単なる精神論で終わることさえある。
過去を問い直し、努力を正しい方向に継続的に積み上げる仕組みを論理的に考える。


成長マインドを持つ人は、将来ビジョンを持っている。
一方で、現状が伴っていない以上、何かを変えていかない限り、結果は好転していかない。
自分の努力が結果に正しく反映されていないと考え、結果で傷つきなくない、信じたくない、目を背けたいという心理は無意識のうちに働いてしまうものだ。
しかし、結果は自分の努力を反映していると考え、現状をまず認めること。
そして、なぜこのような結果に至ったのかについて思考し、努力を省察する。
一つの気づきや発見こそが、努力の質を変え、量に結びつくことになるだろう。

「なぜ」を問い、自己をたえず見つめ直すことができれば、必ず成果や成長は目に見えて出てくるようになる。
そして、未来へのビジョンとの距離がはかれるようになったとき、次の構想を生み出すことになるだろう。
この意味では現状から過去を問い直す作業は、より望ましい未来を掴むことにつながっていると言えるかもしれない。

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