![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/148015518/rectangle_large_type_2_5867f4ec8d5c63804bdc543445f3e1cd.jpeg?width=1200)
デスティニープラン再否定! 終わらない明日へレディーゴー! 「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」観た。
アマプラさんでようやく観られたよ「機動戦士ガンダムSEED FREEDOM」。
長かったよな正直…………。
公開からアマプラさんに来るまでの五ヵ月とか、六月からアマプラさんで公開が始まって私が観た今日までの一ヵ月とか、そういうチャチな時間じゃなくって、「劇場版ガンダムSEED」そのものを、もう何年も前から待っていたような気がする。
その割にはアマプラさんに来てから一ヵ月も経ってようやく観たんだなって? まぁ、それはそう。そこを突かれるとなんともかんとも言えん。
言い訳して良い? ありがとう。
今月、ようやくパソコンをWin7からWin11につい先日切り替えたんだけれど──ここに至るまで実は一本記事が書ける程度の話があったりするんだが、まぁ、今回はそれは良い──なんとWin7ではMicrosoft edgeもGoogle chromeもしばらく前からアップデートできなくなってしまい、最新版のブラウザでなければプライムビデオが観れない……という、そういう、そういう、なんともしょっぱい理由があったりもしたんだ。
お陰でYouTubeのサンライズ公式チャンネルとか、Vtuberさんとかをここ数か月は家でよく観ていたよ。
惑星クエント3,000年の歴史に隠されたアストラギウス銀河すべてを巻き込む壮大な物語もいよいよクライマックスだぞ。
果たしてキリコはワイズマンの後継者となるのかッ?
────ガンダムSEEDの話だったな。
そう、「劇場版ガンダムSEED」な。
これ、だい~~~ぶ昔から作るぞみたいな話してなかったっけ? 体感的には「月姫リメイク」くらい実在性が疑われてきていた存在だった気がする。
私がリアルタイムで「機動戦士ガンダムSEED」を観たのは、2002年……私が1986年生まれだから……16歳、高校生の頃って事かな。その2年後の2004年に続編の「Destiny」がやっていたから、その時は18歳。
もうね、多感な思春期のど真ん中にガンダムSEEDが在ったって言っても過言じゃあないんだよ。
やっぱり全世代に「好きだったガンダム」とか……まぁ、これはガンダムに限らず、中高生の頃に夢中になったアニメとか……まぁ、これはアニメに限らず、あった訳じゃない。「その頃に夢中になったもの」って。
そういうものの一つが私にとって「ガンダムSEED」だったんだと思う。
もちろん夢中になったものは他にもたくさんあったし、ガンダムって事に限れば小学生の頃は「G」や騎士、武者シリーズが大好きだったけれど、高校生くらいの頃は「SEED」だった。
スタイリッシュだと思ったんだ当時は。
それに00年代初頭くらいからアニメの絵が一気に物凄く綺麗になったのもビックリしたかな。
当然アニメはなるべく毎週観ていて、ガンプラもたくさん組み立てたし……そうそう、上戸彩さんがCMしてたやつ。
あ、「SEED」に登場するMS、GATシリーズの中ならデュエルが一番好き。チョバムアーマー的なアサルトシュラウドを取り付けるのもいいし、素体がシンプルにカッコイイ点も良い。
あ、でもブリッツも好きだったな。
左右非対称で、黒くて。
ミラージュコロイドで奇襲をかける! なんて点も相まって忍者っぽさもあって良かった。他にも切り落とされたクロー部分が後に外伝で改修されて別のMSに転用されてたりもあって、そういう世界観の広がりなんかも魅力の一つに感じられた。
当時は「平成のファーストガンダム」を標榜していた事もあって、旧いガンダム作品を意識したシーンや台詞回しも多かったと記憶しているし、なにせMSのデザインが良い。
ザフト軍側のMS、ジンやシグーのデザインなんかも、いかにも「平成のザク」って感じが出ていたし、「SEED MSV」で多数の派生機が出たのもワクワクした。
シグー・ディープアームズとかソードカラミティとかさ。
派生機がたくさん出せるというのは、元のデザインが良いって事なんじゃないかなと思うので、やっぱりジンって絶妙に良いデザインをしていたと私は思うかな。
ガンダムエースで連載されていた「SEED ASTRAY」とか「ASTRAY X」とかも好きだったな。
小説版で描かれたブルーフレームの物語も好きだし、ガンダム漫画の大家の一人であるときた洸一の描くレッドフレーム、ジャンク屋のロウの物語も、どっちも好きだった。
ミゲルが「SEED」作中で専用のジンに乗れなかったのはその少し前にブルーフレームと交戦して機体が損傷したからだったんだよ、とかいう後付け設定大好き。
ところで「後付け」と「補完」を分けるのはどこなんだろうな。
私は「面白いと感じたか否か」でしかないと思ってるよ。
一番好きなキャラクターは「Destiny」の主人公、シン・アスカ。
生きるのが下手くそ過ぎるくそがき過ぎて好き。
![](https://assets.st-note.com/img/1721545870951-PPVimZPRVo.png?width=1200)
この辺のシンに関する心境は「HGに恋するふたり」というガンプラを組み立てる女の子の漫画でされている描写が本当に近くって。
もちろんザフト軍の赤服を着ている以上シンだってエリートなのは間違いないんだけれど、やっぱりキラとかアスランには一歩及ばないイメージが強く……でもその分、青臭くて泥臭くって葛藤があって、心は少年と青年の間に在って、文字通り運命に翻弄されながら必死に自分なりに為すべき事を、バカで不器用なりに一生懸命やり抜いた男。
そういう印象。
そりゃ好きだよね高校生だったんだもの当時の私はさぁ!
「先の大戦で大事な家族が全員亡くなってしまった」とか、「戦場で心を通わせた相手が最後はボロボロになって死んでしまう」とか、実は物凄くハードな部類の人生を歩まされているんだけれど、それでも過度に暗い影を感じさせないのは、シン・アスカというキャラクターの持つ勢いとか力強さ、青さと熱さの成せるわざなんだろうなぁ……と思う。
だから生き様の部分が好きなんであって、印象的な名台詞みたいなのはないんだ。
「また戦争がしたいのか、あんたたちは!」とか
「あんたって人はァーッ!」とかあるにはあるけれど、まぁ別に響かんやん。その部分だけじゃ。
アムロでいう「見える!」、ショウでいう「南無三!」、ダバでいう「ごめん!」とかと同じタイプでしょこういうのは。
その部分だけ切り抜いても別に名台詞、名言ではないというか……。
「戦いは勝って終わってこそ意味がある!」とか「核は持ってて嬉しいタダのお守りじゃないんだ」とかくらいからじゃないかな。こう、名台詞的なやつって。
台詞だけでいえばカガリの方がよく残っていて、月並みだけれど
「殺されたから殺して、殺したから殺されて、それで最後は本当に平和になるのかよ!」とか「逃げるな! 生きる方が戦いだ!」とか、……文字、文章、意味として記憶に残るのはこういう台詞になる。
でも未だにラクスの「泣いてもいいんですよ。だから人は、泣けるのですから」はよく分からないんだよな。たぶん良い事言ってるんだとは思うんだけど。
どうしても進次郎構文にしか見えなくなってしまってダメだ。
笑いが先に来る。
あと少し話は逸れるけれど、劇中で結ばれるルナマリア役の坂本真綾さんとシン役の鈴村健一さんがご結婚なさった時も本当に嬉しかったし、同時に物凄くワクワクした。
シンとルナマリアだ!
即ちコクトーと式じゃねえか! たまんねえな! って。
鈴村健一さんといえばシンでコクトーでリュウタロスだよ。
坂本真綾さんといえばルナマリアで式でアイギスであります。
お二人のご結婚が本当に嬉しかったの、今でも強く覚えている。
ふう。長いな!
いつまで「SEED」の思い出話を書いているんだって感じだ。
でもまぁ許してくれよ。もう20年前の作品なんだし、その期間の長さだけ思い出だって積もっていくもんなんだから。
そんな感じで3,187文字打ってようやく「劇場版ガンダムSEED FREEDOM」の話が始まる。
あ、今回もドンドンネタバレをしてしまうので、未視聴かつ今後観る予定のある方はこの辺で止めても良いし、止めなくても良いし、そんな感じ。
*
すごくかんたんにかくとさ……。
「デスティニープラン再否定! 終わらない明日へレディーゴー!」
みたいな話だった。
まぁホントにそんな感じだったんだって。
忘れた方のために再度デスティニープランってのが何なのかを説明すると、遺伝子操作で生まれたコーディネイターは予めどんな生き方をするのが最適解なのか分かるから、そのプランで提示された通りに生きてみんな良い感じに適材適所しようぜ、みたいな感じのアレです。
つまりコレをガチで運用すると例えばのび太くんなんかは最強のガンマンになったり、諸葛亮は遠征せずに宰相一本道で生きる事になるよ。
でも大槻ケンヂは筋肉少女帯に入るよ(最適解)。
今回のキラたちはまだまだ終わらない国際紛争、主にブルーコスモスの残党が行うテロ活動なんかを鎮圧しにかかる、「コンパス」という国際的な平和監視機構に入り、総裁となったラクスとか、部下のシンとかルナマリアとか、なんかギャンに乗ってる桑島法子たちと一緒に各地を転戦しては世界の不要な争いを食い止めるために頑張ってる感じ。
カガリは相変わらずオーブの首席。なんか弟みたいな子が居るが誰だこの子。知らん。すまん。
アスランはもっとよく分かんないな。なんかズゴック乗ってたよ。
なんでズゴックなのかはさっぱり分からん。
で、コンパス一同はデスティニープランを国策として採用して復興めざましい発展途上国、ファウンデーションにテロ鎮圧のために招聘されたんだけれど、実はまぁそれはデスティニープラン的にラクスと一緒に世界を統治していく予定でデザインされた宰相と、彼をデザインした女王の策略で……みたいな話。
![](https://assets.st-note.com/img/1721546510336-8yICvUV2in.jpg?width=1200)
ところで「ファウンデーション」って聞くと「ハッピーバースデイ!」って叫ぶ宇梶剛士さんが思い浮かぶんだよな私。私だけ?
こう、こう、グッ……と全面的に「愛」を押し出してきてる。
このファウンデーションの罠によってアークエンジェルは沈むし、新型機のライジングフリーダムを含むMS隊はバタバタ落とされるし、ラクスは攫われちゃうしでキラたちは踏んだり蹴ったりだ。
宰相のオルフェはラクスに求愛する形で一緒に世界を良い感じに統治していこう! それが我々の運命なんだヨー! と言わんばかりに迫るんだけれど、ラクスは「必要だから愛するのではなく、愛するから必要なのである」とかいうラオウみたいな理屈でこれを拒否。
そこからラクスを取り返してファウンデーションのやり方を否定すっぞ! ってな感じでキラたちの反撃が始まるんだけれど、新キャラもところどころ立っていて、新MSは特にブラックナイトがシックな色合いかつバーニアが騎士のマントみたいでカッコイイ。
なんかキラの部下の桑島法子……アグネスも、劇場版で初出のキャラながら人間関係を引っ掻き回す痴話げんか要因というか、そういう立ち方をしていた。というか「運命か自由か」という「Destiny」でも描かれていたテーマに「自由を選ぶ権利がある。LOVE」みたいな返し方をしているんだよなこの作品。
だからこそ「デスティニープラン再否定!」って話なんだな~と。
先の例えに倣うなら、のび太くんにあやとりや昼寝をする自由を持たせてあげたいよねって話だ。
でも大槻ケンヂは筋肉少女帯に入るよ(最適解)。
まぁだからある意味無責任な奴らなんだよキラもラクスもコンパスも。
なんもかんも政府で決めたら効率的ちゃ効率的やが、そんなおもんないやん! ラブアンドフリーダーム!! みんな踊れー!!! みたいな理屈というか、理屈なのか……? まぁ……とにかく、とにかくそういう筋書きだ。
ここだけ書くと「ガンダムSEEDリベラル」って感じだ。
そうそう、音楽面にも少しだけ触れていたいかも知れんから書こう。
「Freedom」は小室哲哉×西川貴教だ。
TMRっぽさはないけれど嫌いではない。小室哲哉は劇場版ガンダムの楽曲を手掛けるのは二回目なんだよなそういえばな。
ところどころで「静かな夜」のアレンジがあったり、「SEED」の頃のBGMが使われていたりと「オッ!」となる瞬間が多かった。
以上だ。
そう。
とはいえお祭り映画というか、同窓会というか、そういう立ち位置の映画だと私は解釈したので、ヌルヌルMSが動いて痴話げんかを繰り返し、ふわっとした政治ドラマっぽさも醸し出しつつ最後は新型機でドーン!!!! こういう感じ。
でもそういう感じ正直好きなんだよな私。
良くも悪くも「SEED」らしいじゃない、そういうの。
この00年代初頭の、今からすればちょっとヌメっとした感じ。
あとこれは「復活のルルーシュ」を観てても思ったんだけれど、TVシリーズで一度完結した物語にさらに付け足して面白い話を書くって凄く難しいんだろうなって。
やっぱり劇中のバトル的には最高レベルに達した主人公たちが居て、そいつらがラスボスをやっつけて終わるのが大体のロボアニメなんだろうけれど、劇場版はさらにその上を行ったり、単純な強さ以外の角度からのアプローチで主人公たちを一度は窮地に陥らせる必要がある。
当然、劇場版で初出のキャラクターにはみんな誰も愛着はない分、魅力的、かつ脅威になるキャラクターを立てていかなくちゃならない。そういう意味では少しファウンデーションの面々はキャラクターが薄かったかな? と思わなくもない。
宰相のオルフェとブラックナイトの団長の人くらいかなぁ……。
で、新たな強敵、魅力的なキャラクターを描きながら、ファンサービスも忘れずに、劇場版としてのテーマを掲げてそれをキッチリ描き切って着地させる……ってのは難しい事なんだろうな、というのは素人の私が考えてもわかる。
二時間の尺の中で「SEED」らしさを描き切ってくれた、面白い劇場版だった。
いや本当に。
良いところもそうでないところも、「SEED」らしいというか、そうそうこういうやつ、こういうアニメだったよな「SEED」って! って感じられる、なんともワクワクとノスタルジィの詰まった……同窓会みたいな劇場版だった。
私は好きだし楽しく観られた。
ところで
![](https://assets.st-note.com/img/1721545064307-WxJYwHgpfj.jpg?width=1200)
今回もなんかパッとせんかったが一切構わんぞシン。
お前みたいなガキは真っすぐ前だけ見ててくれれば良いんだぞシン。