【短歌】うら寒きまちかどにプールのにおい かつてぼくらは守られていた
うら寒きまちかどにプールのにおい かつてぼくらは守られていた
行きしなに傘を忘れる とつとつと風は夢境の草原をゆく
どこへも辿り着けずじまいの孤独 冬の抱擁の処方箋
寝つけずに覗いたひみつ 4時の光は太陽のいろをしている
天を衝く雲の彩度に驚いてああなんだ、ただの現実か
直視すらままならぬまま親愛は茶碗の底でみるみる腐る
死にたいに早く死ねるといいねって返すあなたに愛をされたい
私がいなくなったあとのきみ いずれ遺品になる文庫本は希望