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米国発前川のニュースレター

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
3週間ぶりのニュースレターをお届けします。
日本ではそろそろ秋の気配が感じられるようになったでしょうか?
私が、日本からLos Angelesに戻ってくると、日本の暑さが懐かしくなるくらいこの地は涼しくてびっくりです。しかし、米国大統領選挙と金融業界は熱気を帯びてきました。 
神戸の生田神社に咲く、真夏の蓮の花は涼しげで美しかったです。

生田神社の蓮の花

9月16日のニュースレターをお送りします。
【株式・為替市場の動き】
ダウ工業株は4日続伸して228.30ドル高の41,622.08ドルとなり、2週間ぶりに最高値を更新しました。S&P500も7.07ドル高で
5,633.09ドルと若干の上昇。18日にFRBが大幅利下げが景気を支えるとの見方から買いが入ったようです。
しかし、FRBが大幅利下げをするという事は、景気減速を止める為と解釈できるため、もし、0.5%の利下げとなれば、逆に株価が大きく下がる可能性もあります。
CPIやPPIのデータは、インフレ率の明らかな下落を示していなかったにもかかわらずです。要は、FRBはもうインフレから雇用統計に関心を移したと考えられます。いずれにせよ、世界の市場は18日のFOMCの政策金利の動向に注目しています。もし、0.5%の利下げが現実のものとなれば、一段の円高、ドル安が来そうです。現在のドル円は140.60円から140.81円の間で動いています。 利下げは確定、その利下げ幅はFRBの景気動向の見方を反映するのですが、市場は6割以上が0.5%の利下げと見ており、私もそう思っています。という事は、実は市場関係者は景気後退を予想していると考えられますね。 前回、8月26日のニュースレターを書いた時点ではドル円は144.50円でしたので、今日は約4円も円高、ドル安となっています。何か大きなサプライズが無ければ、今年中に9月、11月、12月の3回の利下げは確実で、ドル円も130円台に入って行くでしょう。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】 
 住宅ローン金利は順調に下落をしています。30年固定金利では5%台が見えてきました。外国人ローン金利も0.375%下がりました。
金利もさがり、供給件数も増えてきたにもかかわらず、8月の中古住宅売買件数はー1.3%の予想です。
どうしてでしょうか? 理由は大きく2つでしょう。一つ目は、もう少し待てばもっと金利が下がるので買いやすくなるから待っている人が大勢いること、もう一つは、先行き景気が悪くなり、収入が下がる可能性が高いので、今は購入をやめておこうと考えている方が少なからずいるという事です。 
いろんな分野の経営者に話を聞くと、売り上げが下がって来たと仰る方が増えてきています。じりじりと不景気が迫ってきている様です。
売り上げが下がり、我慢できなくなると、レイオフが始まります。今は何とか均衡が保たれている状況でしょう。
前回も言いましたが、地域によって物件価格が横ばい、上昇、下落が見られますが、コロナ禍の大きなインフレのお陰で物件価格が全米規模で上がっていますので、ローン金額が物件価格より大きい所謂アンダーウォーターの人が自宅所有者の1%と極端に少なく、例え、不景気が訪れて、支払いに困っても物件売却さえすれば、ローンが精算出来るので、物件差し押さえが極端に少なくなっており、その分物件価格はたとえ大きな景気後退が来ても、多少の物件価格下落は覚悟しなければならないでしょうが、リーマンショックの時の様な大きな価格下落は無いと思われます。
 
この状況は将来自宅購入を考えている方、投資物件購入を考えている方にとっては絶好の買い時が来ると考えられます。物件の供給が増え、ローン金利が下がり、景気後退に陥れば、物件価格が下がり、売り主は弱気になるので、値引きに応じてくれる可能性が大きくなります。今売っておかないともっと相場価格が下がると考えるからです。 投資の場合は、家賃が下がるから、利回りが悪化すると考えがちですが、元々住宅の供給不足と物件価格の高止まり、また景気後退の場合は、家を売却して、賃貸にもどる人たちも増えますので、大きく家賃が下がるとは考えにくいですね。あのリーマンショックの時でさえ、大きく家賃が下がることはありませんでした。
参考までに、全米の家庭数は1億3千600万戸。その内9千100万家庭(67%の人)が自宅を所有しており、その内でローンを持っている自宅所有者が 62%、ローンを持っていない家庭が38%、レントしている家庭が4千500万戸となっています。この所の不法移民を含む移民の急増でレント物件不足に拍車がかかっています。特に移民を大量に受け入れている民主党の州知事がいる州で顕著です。(カリフォルニア、イリノイ、ニューヨーク、ワシントンDC,コロラドなど) 住宅価格の高止まりと米国経済の不調が続けば、自宅所有者の比率の上昇より、レントの比率が増えることは簡単に予想が付きます。その状況は投資物件が購入できる金持ちが益々有利になり、政府の真剣な状況改善努力が無ければ、貧富の差の一層の拡大につながるのでしょう。
 
 
【経済の動き】
 Wall Street Journal などのニュースを読むと、景気後退、不景気到来が来るのか、ソフトランディングするのかについてはいつも意見の分かれるところとなっていますが、商業ローンの延滞、未払い、差し押さえ、クレジットカードの延滞、未払いなどの話はあまり出てこない。注意深く景気後退の予兆には触れないようにしていると思われます。マクドナルドなどのファーストフード店の不振、100均ショップの倒産、レストランの不振などの話はあまり語られない。消費が減退しているのは明らかで、そうなれば、小売業は人件費を削り始めます。
米国の雇用統計にはフルタイム(正社員)とパートタイムの区別がなく正社員を切って、パートタイムで働かざるを得ない状況の人たちが増えていることを伝えない。 家計を支えるために、収入が減った分を副業で賄う人たちが増えています。副業が雇用統計には雇用増、雇用の強さとして出てきます。
先行き不安がある時は、貯蓄率が増えるのですが、今がまさにそうなっています。
消費を削って、もしかの為に蓄えを増やす傾向が出ています。市場で回るお金の量が減りつつあります。資本主義経済で一番大事なのは市場に出回るお金の量で、そのお金の量の増減は銀行が貸し出しをするかどうかにかかっています。
FRBが雇用統計を見て、景気後退懸念が出てくると利下げするのは、銀行がお金の供給量を増やせるように、企業や国民がお金を借りやすくできる様にして、市場に出回るお金の量を増やす為に行うのですが、0.25%金利が下がっても景気後退を巻き戻すことはほぼ不可能です。
そこで、0.5%の利下げという話が出てきます。過去、FRBが大きく利上げした時はほぼ必ず景気後退がおき、大幅利下げに着手した時はほぼ必ず景気後退が原因です。ですから、0.5%の利下げが行われると、市場は景気後退確実と捉えて、株価下落、ドル安、円高、長期金利安(国債価格上昇)が予想されます。
 
 
【今週の???な国際ニュース】
バイデン政権はウクライナに提供したミサイルをロシア本土攻撃用に直接使用することを許可したとのニュースが届きました。
ロシアのプーチン大統領はこれまでも、直接ロシア本土への攻撃があれば、ウクライナ支援国へも報復すると、メドベージェフ前大統領は核攻撃をすると言っています。どうして、ここに来てバイデン政権は方針を変えたのでしょうか? これでは、米ロ直接戦争となってしまう可能性が有ります。
そうなれば、大統領選挙どころではなく、戦時体制を敷き緊急事態宣言発令となるかもしれません。戦争が終わるまで、バイデン、カマラハリス政権が維持されるかも知れません。ウクライナのゼレンスキー大統領の様に、任期が切れていても戦時下なので大統領選挙を無期延期とするのでしょう。
そんなことにはなって欲しくないのですが、可能性はゼロではありません。
この様な物騒な世の中にあって、世界の大富豪は危機感を募らせているのか、お金も持って自国を捨て他国に逃げています。
自国を脱失した大富豪国別ランキングと人数は以下の通りです。
1.    中国 15,200人  
2.    英国  9,500人  
3.    インド 4,300人  
4.    韓国  1,200人  
5.              ロシア 1,000人  
 
【豆知識】
 
大富豪の移住先トップ5
 1.ドバイ    6,700人
 2.米国     3,800人
 3.シンガポール 3,500人
 4.カナダ    3,200人
 5.豪州     2,500人

【今日の住宅ローン金利】

9月16日

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