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米国発前川のニュースレター

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。私が住んでいるLAの南の田舎町は保守的でカリフォルニア州内でありながら、昔から共和党支持者が多い街です。下の写真は、この町のOld Townにある旗や凧を売っている店です。カリフォルニアの海沿いの都市は殆ど民主党支持者が大勢を占めているのですが、オレンジ郡は例外的に共和党支持者が多い所です。アメリカの今の雰囲気が伝わるといいのですが。 

さて、11月18日のニュースレターをお送りします。
 
【株式・為替市場の動き】
株式市場は不安定な動きになっています。ダウは3日連続で下落$55.39安で$43,389.60となっています。
S&P500とナスダックは15日の下落から反発して値を戻していますが、しつこいインフレと強い経済指標がFRBの12月の利下げ休止観測を呼び、株価は弱含みで、一方強い経済指標の発表やパウエルFRB議長の利下げは急ぐ必要はないとの発言で、米国債の利回りが上昇し、
ドル高によって為替市場は円安に振れました。
日銀の利上げが何時かは分からないままの状態で日本の国債の利回りが上昇していることも影響して、日米金利差が若干縮小して、1ドル156円から円高に戻り現在154.64円付近で推移しています。
今後のドル円予想は【経済の動き】で詳しくお話ししたいと思います。
 
 
【不動産・住宅ローン金利動向】 
弊社のローン実績を見てみると、ミズーリ州セントルイス、フロリダ、ジョージアがトップ3になっています。要するに沢山家が買われているわけです。弊社の実績がそのまま全米の状況を100%反映しているとは言えませんが、参考になるデータだと思います。NRA(National Association of Realtors)やMBA(Mortgage Bankers Association)が発表する全米のデータと合わせてみても大きな乖離はありません。中西部、北東部、南東部が堅調です。新築も北東部と中西部の活況感が上昇、南部、西部は低下しています。 今後は大きな物件価格上昇はしないでしょうが、9月までは上昇していた売買件数は10月に入ってのローン金利の上昇で向こう数カ月は低調に推移すると思います。 インフレ率の高止まりは消費者の購買意欲を低下させます。ましてや高額の住宅購入には影響してきます。
しかし、CPIやPCEで示されるインフレ率は全米平均ですから、全米主要都市ではインフレ率も大きく違います。
かつてインフレ率が特に高かったアリゾナ州フェニックス、ジョージア州アトランタは現在米国の大都市の中でもインフレ率が低い地域となっています。
以下は全米のインフレ率が高い都市のランキングです。

  • New York / New Jersey 4.0%

  • Chicago / Naperville      3.5%

  • Baltimore-Columbia      3.4%

  • Philadelphia                 3.4%

  • Detroit-Warren             3.3%

  • LA / Long Beach          3.0%

  • Seattle-Tacoma           3.0%

  • Miami-W.Palm Bch       2.7%

  • St. Louis                     2.6%

  • San Francisco     2.4%

  • Houston             2.1%

  • Urban Alaska      2.1%

  • Atlanta               1.9%

  • Phoenix              1.6%

インフレ率が低いという事は物件価格も落ち着いている、或いは下がっていることを意味します。以前のニュースレターでもアトランタ、フェニックスは物件価格が下がっているとお知らせしました。また、インフレ率が低いという事は住みやすさの条件の1つでもあります。今後の人口増加が見込めますので、先行き物件価格の上昇も見込めます。いはま買い時だと考えられます。ローン金利は先週より若干の上昇ですが、今日の午後に下落しましたので、先週月曜日とほぼ同レベルで推移しています。
  
【経済の動き】
FRBは9月から金利を0.75%も下げているのですが、長期金利は逆に同じぐらい上昇しています。長期金利上昇に伴ってドル高が進んでいます。ユーロもポンドも円も安くなっています。トランプ政権になればウクライナやイスラエルの紛争が落ち着くとの見込みと、中国、EU諸国の景気後退による
需要減少が見込まれるため、原油価格が下落していましたが、突然バイデン政権はウクライナにNATOが提供したミサイルをロシア国内への攻撃使用を許可するとのニュースが出て、いきなり上昇しました。インフレにとっては悪い影響です。トランプトの当選を受けて、インフレ懸念も手伝って米国債の利回り上昇が加速。米国債の利回り上昇は長期金利上昇を意味します。
その為、金価格は下落しています。
FRBの利下げは景気を上昇させる為、企業の資金需要を上げる為に行ったと考えていいと思います。 23年の4月から資金需要が上がって来たのに、24年の7月から下がり始めています。(恐らくここから米国は景気後退入りしているのでは?)故に、FRBは10月から利下げを始めました。しかし、長期金利が上昇しローン金利や企業への貸出し金利が上昇しています。 銀行、投資家は金利をもっと払ってくれないとお金は貸さないと言っているのに等しいんです。(不景気だからお金を貸すと危険?)資金需要が下がっているのに、金利が上がってしまうと米国金融市場に出回るお金の量が増えてゆきませんから、景気は上昇してゆきませんね。不景気に入り始めている或いは、不景気に入っている証拠の一つと考えられそうです。企業や個人の資金需要が低下して、借入金利が上昇しているのですから、これは大きな矛盾です。資金需要低下期には金利は下がるのが普通ですから、やはり、トランプトレードの影響で一時的に高金利、ドル高に振れていると考えるのが合理的です。故に、今後は金利が下がって行く可能性が高いと思われます。それが何時かと言われると難しいですが、2-3か月後には長期金利がさがるのでは?と私は思っています。そうなって欲しいですね。長期金利が下がって住宅ローン貸出金利が下がれば不動産業界はまた盛り上がってきます。しかし、一旦米国の景気が後退し始めるといくらFRBが政策金利を下げても一挙に景気が回復することは無いでしょう。トランプ大統領就任後いろんな政策を次から次に実施するでしょうが、一定期間は不景気に見舞われると予想しています。その後は減税、無駄遣い解消、原油価格下落、インフレ低下などが起こり、景気回復してくると思います。
 
【今週の???な国際ニュース】
あと2か月で政権が変わるという土壇場のこの時期にバイデン政権はロシアとNATOの直接の戦争に発展することを懸念してこれまで認めていなかった米国製長距離ミサイルの使用を承認しました。欧州の指導者がトランプのウクライナ停戦の動きに傾き始めているこの時期にどうしてでしょうか? イギリスだけはこのミサイルの使用を進めていました。ミサイルの使用で戦争の趨勢が一挙にウクライナ優勢とはならないのは周知の事実なのに、またプーチン大統領は西側諸国に対して、もし、米国製のミサイルが使用されればNATOとモスクワの戦争になると繰り返し忠告していたにも拘わらずです。トランプ大統領が国家安全保障担当補佐官に指名したマイク・ウォルツは現時点でウクライナ戦争にさらに数十億ドルを投入するの狂気の沙汰だと述べています。バイデン政権は戦火の拡大を望んでいるのでしょうか?或いは何としてもトランプ大統領に停戦交渉を纏めさせたくないからでしょうか????
 
【豆知識】
現在の米国の債務の金額は? 
36兆ドル
 
ウクライナ戦争が始まって以来米国がウクライナに支援した金額は?
1,    829億9000万ドル(28兆3,000億円)

【今日のローン金利】

11月18日


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