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米国発前川のニュースレター

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
今年も我が家のハイビスカスが咲きました。これで本格的な夏の訪れです。
LAでも連日暑い日が続いています。と言っても日本よりはかなり涼しいですが。 
6月24日のニュースレターをお送りします。

庭のハイビスカス

【株式・為替市場の動き】
今日のダウ工業株は5営業日続伸で260.88ドル高の39,411.21ドルとなりました。S&P500とナスダックは先週最高値を更新しましたが、EVヴェンチャーのFiskerの倒産などの影響でしょうか?
それとも先週高値を付けた為の利益確定売りでしょうか?S&P500はやや値を下げています。
ナスダックは今日前半米国債の利回りがやや上昇したこととNVIDAや一部ハイテク株の下落の影響で188.77ドルの下落で終わりました。 
ドル円は先週からじりじり上がって今日は1ドル159.65円。また160円を超えて来そうです。米国債の利回りが安定し、午前中は少し上昇していましたが、現在は下がり始めており、4.233%と先週金曜日より下がっています。またドルも下がっていますので、もう少し円高に振れてもいいのですが、やはり日銀の政策と日本政府の新NISAでの円売りドル買い、円で資金を仕入れてドルで投資する円キャリ―トレードが止まらないのでしょう。ヘッジファンド、FXも絡んで未だ円高にはなりにくい状況ですね。 FRBが今年中に利下げをするのはほぼ間違いないでしょうが、1回の利下げでは、わずか0.25%でしょうから当分大きく円高にはなりにくい状況が続きそうです。米国の利下げが本格的に進み、米国経済の減速が本格化してくればもう少し安定するのでしょう。日銀の利上げを待つ向きもありますが、日銀利上げ、国債購入減額(国債価格の下落を誘発)は日本の景気を冷やして更なる円安を引き起こしかねないので、難しい選択になりそうです。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】     
今週のローン金利はじりじりと下がってはいるものの、もほぼ先週月曜日と変わらず、この所安定しています。変動金利やFHAのプログラムは金利の上がり下がりが大きいのですが、ConformingやJUMBOのプログラムは上昇せずに安定しています。少しのポイントを払えば、6%半ばから前半の金利を取ることが出来るようになってきました。6月に入って米国債の利回りの下落が続いており、徐々に利回りが下がって来たお陰です。FRBの利下げは何時かは未だはっきりとはしませんが、米国債の利回りが下がってくれるとローン金利が下がるので、弱い経済指標、インフレ緩和のデータが出るたびに金利が徐々に下がって行くことになります。
政府もそれを望んでいることでしょう。8月には一段のローン金利下落に希望が出てきました。 
不動産市場はこの所大きく変わっていません。先週も言いました様に、全米で見ると物件の在庫(Inventory)は徐々に増えています。新築一戸建て物件居住用、賃貸用の建設が増えて、アパートの建設も増えました。ただし、地域格差が大きくなっています。この地域格差によって、物件価格、家賃も上がっているところ、下がっているところなど様々です。今週は具体的に最新情報をお伝えします。北東部や中西部の一部では今年に入り家賃が上昇しています。サンベルト地帯=リタイアした人が多く移住する暖かい地域では物件の供給が記録的な高水準となっており、家賃が下落しています。例えば、テキサス、フロリダ、アリゾナなどです。住宅価格が高騰した為に購入を控え、レントの需要が高くなっていることは確かです。家賃が下がっている都市としては、マイアミ、ヒューストン、ロスアンゼルス、タンパ、サンフランシスコ、ダラス、フェニックス、アトランタとなっています。逆に家賃が上がっている都市は、ミルウォーキー、ワシントンDC, カンサズシティー、デトロイト、シカゴ、ボストン、コロンバス、ニューヨーク、フィラデルフィアなどです。
 
【経済の動き】
この所FRBの理事たちの間にもインフレ低下の兆しを指摘する声や、労働市場の弱さを気にする発言が出てきました。今までも言って来たように実態は労働市場は弱なって来ており、特にハイテク分野の企業が多い州では全米平均よりもかなり高い失業率となっています。大手の小売りやレストランチェーンが多数倒産しています。ウォールストリートジャーナルでも報じられたように、スタバの売り上げが下がっており、(対前年比7%減少)今までブランドイメージを維持するために値下げをしなかったスタバがとくべつな 割引を始め、今月は10年ぶりの試みとしてコーヒーと朝食のセット割引を開始しました。確かに、最近お客様とスタバで待ち合わせする場合も以前の様に空席が見つからないことは無くなりました。値下げ後のスタバでは列が出来て、注文するまでに5-15分掛かるとの不満が出ているため、バリスタの数を増やしてたり、スピードアップのための機器を設置したリと業務の効率化を図っていますが、これはまた、コスト増になり、収益を圧迫することになります。 
マクドナルドも25日から約1か月の期間限定で5ドルのセット割引を提供し始め、バーガーキングは今月5ドルのセット割引を復活させています。
要は、値下げしないとお客様が買ってくれない=購買力が下がっていることの証明です。今週28日、FRBの最も重要視する個人消費支出(PCE)が発表されます。状の様な現状を踏まえて、今のところの予想では、昨年終盤以来最も緩やかな上昇となりそうです。5月の米小売売上高では商品に対する購買意欲低下が示されました。サービス分野の個人消費が下がっているのですが、今回のデータに反映されるかどうかは???ですね。
個人消費支出(PCE)が予想よりも低く成れば、FRBの利下げが早まる期待が広がり、米国10年国債の利回りが低下、株価はさらに上昇、金価格も上昇となるのですが。 
次に気になるのは、紅海あたりの治安の悪化です。紅海ルートを航行する西側船籍の船舶に対して、フーシ派のミサイル、ドローン攻撃が続いています。米国は空母セオドア・ルーズベルトを派遣する予定ですが、空母アイゼンハワーは帰国しており、紅海とアデン湾での危険度が増しており、輸送船チューターが沈没など、フーシ派による攻撃が激化しています。6月24日にも2艘が被弾し、航行不能となっています。このため、喜望峰周りルートの船が前年比63%増えており、日本から欧州へは10日ほど輸送日数が増えているなど輸送コストが上昇。運賃も上昇です。またイスラエルのガザ地区への攻撃は止まらないことを受けてイラン支援グループの戦闘員数千人がレバノンに殺到し、ヒズボラに加わる準備を整えているとAP通信が伝えています。この為、原油価格が上がっており、本格的なレバノンとイスラエルの戦闘が始まればさらに原油価格高騰からインフレ高騰する可能性もあります。米国はまず、備蓄を放出し、自国の掘削量を増やしてゆけば乗り切れますが、日本はそうはゆきません。大変です。
 
【今週の???な国際ニュース】
今まで民主党やバイデン大統領を支持し、献金をしていたビジネス界のリーダーたちがこの所トランプ氏支持に回り、献金を始めています。トランプ氏の税制の規制緩和などに期待しているのです。この所リーダーたちはトランプ氏に会おうと躍起になっています。トランプ氏が共和党予備選で勝利して以来、金融界の大物たちが同氏を支持するようになりました。その理由は、ジョー・バイデン大統領への不満、トランプ氏が勝利する可能性への認識の高まり、そして選挙後に奔走するよりも選挙前に共和党の政策課題を形成しておきたいという願望からです。JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)やバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)のブライアン・モイニハンCEOなど、これまで支持を表明することを避けてきた経営者でさえも、トランプ氏の政策に好意的な姿勢を見せる一方、バイデン氏の政策に対しては歯に衣(きぬ)着せぬ発言を行っています。ダイモン氏とモイニハン氏のほか、シティグループのジェーン・フレイザーCEOとウェルズ・ファーゴのチャーリー・シャーフCEOなどもトランプ氏と合おうとしています。トランプ氏は、自身が大統領に復帰するなら、税率と経済はバイデン氏よりも良くなると語っています。さらに、嘗ては強固な民主党支持だったシリコンバレーの起業家たちもトランプ氏支持を表明しています。ペイパルの共同創業者で知られるピーター・ティール氏、イーロン・マスク氏、コスラ・ベンチャーズのキース・エアボイス氏、セコイア・キャピタルのダグ・レオーネ氏とショーン・マグワイア氏などなどです。
日本ではトランプ支持だと言うと変な顔をされるようですが、米国の現状は全く違うようです。ダイモン氏はトランプ氏の貿易や移民などに対する発言は、「ある意味で正しい」としており、 ダイモン氏よりも控えめなモイニハン氏でも、自行の顧客との会話によれば、バイデン氏の政策はビジネスに不利だと批判しています。同銀の顧客の多くは米国中部におり、バイデン氏の政策、特にエネルギープロジェクトや取引に関する許認可に不満を抱いていると周囲に明かしています。トランプ氏は、さらなる減税に加え、人工知能(AI)を歓迎し、規制緩和についても、特に取引に関する規制を緩和すると述べており、このことがビジネスリーダーたちに受け入れらています。対するバイデン政権下の連邦取引委員会(FTC)は、近年で最も積極的に合併を阻止し、巨大企業を抑え込もうとしている。 一方で、移民などの政策や、法の支配を疑問視する発言は、企業を警戒させてます。トランプ氏は13日、共和党の下院議員に対し、所得税に取って代わるほど大規模な、全て関税で賄われる連邦歳入制度というアイデアを披露しました。この案は未だ具体的になっていませんが、南北戦争前の様に、連邦所得税を無くして、小さな政府を作りたいのでしょう。不要な省庁は廃止すると言っています。地方税や社会保障費は残るのでしょうが、トランプ氏は、かつての自由な米国を目指している様です。関税を上げれば、輸入コストが高くなるため、国民の生活に多大な負担増になるとサマーズ元財務長官やイエレン現財務長官は行っていますが、輸入品に頼るのを止めて国内で製造をする企業が沢山出てくることを期待してのことでしょう。そうなれば、国内の雇用が増えて、中・低所得層の所得が増えることにより、消費が増え景気を下支えするという考えですね。
 
【豆知識】
2024年に中国から流出する億万長者の数は?
1万5,200人がシンガポール、アメリカ、カナダ、日本などに逃げようとしている。
  
ドイツには何人のウクライナ難民がいるのか?
2024年3月時点でおよそ130万人
このうち25万6,000人が18歳から60歳の男性
 
【今日の金利】

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