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米国発前川のニュースレター
いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
南カリフォルニアでも朝晩の冷え込みが強くなり、秋の気配が色濃く漂ってきましたが、日中の強い日差しのせいか、真夏を思わせる花が今でも咲いています。
先週は米国民だけでなく、世界中が注目した大統領選挙が行われました。
2020年の選挙と比べると、嘘の様に落ち着いた選挙でした。
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【株式・為替市場の動き】
トランプが大統領選を制した安心感と引き続きのインフレ期待によるドル高の為、株式市場に資金が流入し、株高になっています。
ダウは304.14ドル高の44、293.13ドル、S&P500は6,000ドル越えとなり、ナスダックもメタやAMD、マイクロソフトなどが下落していますが、テスラが28ドル以上上昇し、平均株価は上昇しています。為替市場は先週も言いました様に、トランプ政権の政策がインフレを高進させるとの市場の見方で、米国債の利回りが高止まりし*、利回りが上昇したお陰でドル高になり、ドル円は153.56円となっています。予想通り、FRBが0.25%の利下げを行いましたので、7日には152円台半ばまで円が上昇しましたが、今日は1円以上円安がになりました。12月には日銀が政策金利引き上げを行うと、取り敢えずは円高方向に若干進むでしょうが、来年1月20日トランプ政権が発足して、実際の政策が発表されるまでは、ハッキリとした方向性が決まらないと思います。
*インフレになると元本保証の国債は実質の手取りが少なくなってしまうので、利回りが上がります。逆に売買価格は下がります。
【不動産・住宅ローン金利動向】
住宅ローン金利は思ったように下がってくれません。先週末と比べると30年固定の金利は6%台に戻りましたが、15年や変動の金利は逆に上昇しました。トランプ政権の政策がインフレにつながるとの懸念から米国債利回りが上昇していると先週から申し上げていますが、これは不安心理なのでしょう。来年、政権が走り出して、先が見え始め、FRBが予定通りの利下げを続けてゆくと6%を切る水準まで下がって行くと予想されます。FRBが利上げをしてから、下落を続けていた商業ローンの取り扱い件数ですが、今年の第3クウォーターに急回復していることが分かりました。特に、対前年比、金額ベースで上昇が大きいのはヘルスケア用のビルディング建設で、510%の伸び、続いてホテルが99%、リーテール82%、工業用が57%、集合住宅は56%の上昇でしょうでした。しかし、オフィス用ビルディングはマイナス3%となっています。中身を詳しく見てみないと分かりませんが、これらの増加がある程度の雇用増加に繋がっていると思われます。
一方個人のローンの差し押さえは16%の増加、商業ローンの差し押さえは8%になっています。スモールビジネスのChapter11の増加は18%と成っています。
全米平均一軒家の価格は前年比で9月には3.4%上昇していますが、8月と比較すると0.02%と上昇が止まり始めています。ただし、9月に限ってみると、下落が大きかったMiami周辺地域で6.8%、シカゴでは6.7%の上昇となっています。今年了承率が高かったのはロード・アイランドで9%、ニュージャージで8.6%となっています。
ハワイは唯一0.4%の下落です。
また、コア・ロジックのマーケットコンディションのレポートでは
以下の6都市、地域がOvervaluedとなっています。
Denver-Aurora-Lakewood, CO
Houston-The Woodlands-Sugar Land, TX
Las Vegas-Henderson-Paradise, NV
Miami-Miami Beach-Kendall, FL
Phoenix-Mesa-Scottsdale, AZ
San Diego-Carlsbad, CA
このデータは9月のものなので、価格調整が進んで、また反転上昇している地域もあるようです。
今後のローン金利の動向にもよりますが、価格上昇は全米ではスローダウンし、金利高止まりの場合、価格がさがってゆく可能性が十分考えられます。 私は、雇用統計が実情を反映していないと考えていますので、2025年には景気後退、価格下落する確率が高いと予想しています。
【経済の動き】
米国の大統領選が終わり、大統領、上下両院は共和党が制することがほぼ確実になりました。日本のマスコミではカマラハリスが優勢との報道でしたので、これほど大差でトランプが勝つとは思っていなかったでしょう。
米国ではトランプ勝利を信じている人はかなり多かったように思いますし、カリフォルニアでも今回は共和党支持がかなり伸びました。
トランプ勝利のニュースが駆け巡ると世界中に大きな変化をもたらしました。 その変化は後程お話しするとして、経済にも大きな変化を実際にもたらしています。
米国の経済界ではトランプ勝利が織り込まれていた様で、トランプの個人所得税減税継続、法人税減税、輸入関税引き上げ、不法移民の国外追放などの政策を先取りして経済が動いています。その理屈はこうです。
減税は消費を後しインフレを高進させる。さらに、減税で税収が減るので国債発行額が増えて、財政赤字を拡大させる。
国債発行額が増えると、利回りが上昇して、ローン金利が上昇する。
輸入関税引き上げは輸入を減らして貿易赤字を減らすけれども、国内の輸入業者のコスト高になり、ひいては消費者に輸入価格上昇分が価格転嫁され、インフレを引き起こす原因になる。不法移民の国外追放は低賃金の労働者がいなくなり、雇用コストが上昇。これもインフレを引き起こすという理屈です。この理屈が正しければ、米国はこれから超インフレに見舞われ、FRBは利下げを止めて、逆に利上げに舵を切り、財政破綻への不安から米国債利回りが上昇、短期金利も長期金利も上昇して、景気が急落し、失業者があふれるとなります。しかし、株価は上昇しています???
本当にそうなるでしょうか? 私はそのようにはならないと考えています。詳しい説明は別の機会に譲るとして、減税と移民制限が空前の好景気を米国にもたらした歴史があるのをご存知でしょうか? 輸入関税が上昇すると、勿論一部の商品は値上がりするでしょうが、一部にはもう商売が成り立たないので、中国からの輸入を止めて、他国から代替品を輸入するか、米国内での調達に変更するか、価格が上がった商品を買わないかでしょう。中国以外の国からの輸入品はもし、10%の関税がかけられたとしても、輸出国の通貨が弱く成れば、その分は吸収されてしまいます。 急速な米国債高やインフレは起こらず、徐々に米国景気が減速しても、消費の増加と国内産業の活性化で強い経済が復活すると考えられます。ばら撒きで消費を下支えするのではなく、雇用増と給料の上昇、可処分所得の増加を目指すことが出来る政策だと思います。イーロンマスクも政府支出効率化省を率いて財政赤字を減らす方向に動いてくれるようです。トランプ政権が実際に機能してくれば、景気後退が起こる可能性は低く、起こっても小さいと思います。
株価も調整が入った後、上昇でしょうね。
【今週の???な国際ニュース】
トランプが大統領選挙で大勝したニュースは世界中に大きな影響を与えました。具体的には以下のようなことが報告されています。
バイデン政権が何度も停戦を呼び掛けたが、動かなかったハマスは11月6日に突然外部に向けて戦争を直ちに停止するように要求。
7日にはハマスを支援していたカタールがハマス幹部をかくまっていたのを止めて出国を勧告。
サウジアラビアもハマスメンバーの入国を歓迎しないと声明を発表。
アメリカ軍艦にミサイルを発射したリ、紅海を航行するイスラエル関連の船を襲撃していたフーシー派これまでの様な武力行使を呈するすと発表。
トランプはゼレンスキーと1時間以上の電話会談を行い、ウクライナを支持すると表明、ネタニヤフとは20分、石破総理とは5分の会話となっています。その会談にはイーロンマスクも同席、スターリンクで衛星通信の引き続きの提供を約束。
プーチン大統領は、トランプ当選の翌日に「トランプ政権が望むなら、自分は交渉をする刃部が出来ており、トランプ氏と戦争を終わらせるための議論を行う準備が出来ている」と述べています。また、ドルでの石油取引を再開したい旨も表明。
トランプ当選は世界の過激派を静かにさせました。
EU委員会のフォン・デ・ライエン委員長がEU諸国は依然としてロシアから大量の液化天然ガスを受け取っていますが、アメリカの液化天然ガスに切り替えたいと言い出しています。
Natoのストルテンベルぐ事務総長は加盟国が国防支出をGDPの2%に引き上げることに自信を持っていると述べています。
メキシコ政府が大量の不法移民キャラバンがアメリカ国境に押し寄せるのを阻止するために積極的に取り組むと発表。
台湾のTSMCは来週から中国への7ナノ以下のチップ供給を全面的に停止すると発表。
カリフォルニアのProposition 36で950ドル以下の窃盗は微罪釈放の法律が廃案となりました。カリフォルニアでもニューヨークでも共和党支持が強くなっています。これで、少しは治安が良くなるでしょう。
トランプ政権が発足していないのに世界でこれだけの変化がどうして起こったのでしょうか??? トランプの政策を支持するしないは別にして、バイデン政権にはこれほどの世界への影響力があったでしょうか?
強いリーダーが世界を平和にするとよく言われますが、それを実感する出来事だと思います。
【豆知識】
American Freight Furnitureは全米に328店舗を展開する大手の家具屋さんですが、業績不振で倒産しました。
在庫一斉処分中です。 在庫処分でも配達はしてくれるようです。
ベッドルーム、リビングルーム家具、オーブンなどが必要な方はチェックしてもいいのでは?
【今日の住宅ローン金利表】
![](https://assets.st-note.com/img/1731373104-NIx3B9Dru4clenFQsJ2GgRj1.png)