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米国発前川のニュースレター
いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
日本の可憐な花に比べて、南カリフォルニアの花は大きく育って
楽し気な花が多いですね。今回も名前は分かりませんが、木に綿菓子が
くっついたようにも見えて面白そうな花だったので、写真に収めました。
事情があって、来週から一か月ぐらい日本に滞在することになりますので、
ニュースレターをお送りするのが不定期になるかもしれませんがご容赦ください。
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8月5日のニュースレターをお送りします。
【株式・為替市場の動き】
先週から、米国も日本も、世界中の株式市場が大荒れです。ダウ工業株は、先週と比べて1,033.99ドルの下落、S&P500,ナスダックも軒並みの値下がりです。ナスダックが3.38%下落と一番影響を受けています。皆さんもニュース解説などでご存知だとは思いますが、先週の金曜日の米国雇用統計で失業率が予想されていた横ばいから大きく上昇しました。4.1%から4.3%まで上昇。今まで強いと言われた米国の景気、雇用が本当は弱いことが表に出てきました。大半の金融関係者はインフレが低下しても雇用は維持され、景気後退がない、所謂、ソフトランディングが出来ると考えていたようですが、どうもそうはならないのかも???と、考え始めたことで株が売られ、国債が買われました。株から安全資産の国債への資金移動です。そのため、国債が買われた為に国債の利回りが下がり、ドル安になったことで、円高へのシフトが起こっています。円高はまた、日銀の利上げにも影響されて、日米金利差縮小が起こり、円売り、ドル買いの巻き戻しとも相まって、円高が加速しています。現在、143円台後半で推移しています。FRBの会合が無い8月にも緊急利下げの可能性が取り沙汰され始めましたので、今のところは更なる円高に進む可能性が強いですね。
【不動産・住宅ローン金利動向】
株価の下落は不動産市場へも大きな影響を及ぼすでしょう。株価の下落は富裕層の資産減少を意味します。株価下落で、国債利回りが下落して、住宅ローン金利が下がっています。また、株価下落の影響で資産が減ったため、家を売って資金調達する投資家もいるでしょう。今が一番家の値段が高いと考えるからです。売り物件が増えて、ローン金利が下がれば住宅購入者が増えると思いますが、そこで米国景気の後退が進めば、物件購入意欲がそがれます。まだまだ、金利が下がって欲しい、待っていれば、物件価格が下がってくるだろうと買う立場としては考えます。物件を売る立場としては、物件価格が高い間に売っておこうと思いますので、売り物件が増えると、さらに価格が下がる可能性を高めます。
買い時になってもなかなか、モチベーションが高まらない状況が来る可能性が高いです。そこが買い時です。
これから、FRBの利下げが始まり、住宅ローン金利がさがって行くでしょう。9月まで待たずに利下げする可能性もあり、来年も利下げが続いてゆくでしょう。
今の予想では、現在5.25%の政策金利が3%ぐらいまで下がると言われています。現在の10年国債の利回りは3.7%後半で推移していますが、政策金利との整合性を考えると、10年国債の利回りは1.5%ぐらいになってもおかしくありません。その場合は住宅ローン金利は5%を切って4%半ばから後半になってゆくと考えられます。
2024年に入り物件価格の上昇は徐々に収まり始めていますので、今が最高値と考えても差し支えないと思われます。
その中でも州、街によっては大きなばらつきがあります。最新のデータになります。
物件価格上昇率 / 下落率ベスト5の州
Rhode Island +11.9% Colorado - 6.1%
Illinois +10.4% Oregon -1.9%
Delaware +9.5% Louisiana -1.6%
New Jersy +9.4% Vermont -0.9%
West Virginia +8.8% Texas -0.7%
物件価格上昇率 / 下落率ベスト5の街
Memphis, TN +12.5% Denver, CO -7.0%
Providence, RI +11.5% Tampa, FL -5.1%
Cincinnati, OH +10.9% Portland, OR -3.3%
Buffalo, NY +10.1% Austin, TX -2.3%
Hartford, CT +9.8% Raleigh, NC -1.8%
物件価格の上昇、下落な複数の要因が絡んでいるのですが、基本的には需要と供給です。下落市場は供給過剰です。
しかし、供給を絞ると、今後は上昇に転じて行く可能性が高くなります。
因みに、ミレ二アル世代(1980年前後から2005年頃に掛けて生まれた世代)で裕福な世代がどこに家を買いたいかのアンケートによると
1. カリフォルニア
2. ニューヨーク
3. テキサス
4. コロラド
5. フロリダ
このようになっています。 2024年下落が大きかった街とほぼ重なりますね。
これらの街は今後が楽しみですね。
【経済の動き】
7月30日に発表されたADPの雇用統計では6月の米求人件数は市場予想を上回り、5月の件数は上方修正されたとのニュースが出ました。
しかし、このデータは、これまで何度も言ってきましたお化け求人だったのでしょうね。実際は失業率が0.2%も上昇しているのにです。景況指数など経済の停滞や需要の減退、収入が増えない現状を伝えるデータが発表され、そして8月2日の労働省発表の雇用統計でとどめが刺されました。 この統計をうけて、一挙にソフトランディングからハードランディングへ、強い米国市場から景気後退へとセンチメントが急変しました。その為、株が売られ、ビットコインも売られ、さらに金までもが売られました。ビットコインや金は株価下落に伴い、金融機関から投資家へ信用取引の拠出金不足を求める、マージンコールの費用を捻出するために売られたのでしょうか? しかし、一つ値上がりしたものがあります。米国債です。ご存知の様に国債は人気が出て買われると、利回りが下がります。この米国債の利回りと日本国債の利回りの差が、ドル円の金利差の指標ですから、金利差縮小で円高へと向かっています。米国債が買われるのは、株から債権への資金の移動ですね。
この米国の景気後退リスクを受けて日本株も下がりました。さらに円高による日本の大手企業、輸出企業の収益悪化リスクから日本の株はさらに大きく下がっています。結局日銀=財務省は政府の意向を受けて円安から円高にすると言う経済重視ではなく、政治重視の判断をしたおかげで今までにないような大きな株価下落に突っ込んでいきました。政府は円安がインフレの元凶だからという認識の下、次の衆院選を有利に戦う為、国民にアピールす為に円安から円高にどうしても誘導したかったのでしょう。
理論的には個人消費が落ち込み、実質所得が減っており、GDPが落ち込んでいるこの時期に利上げをするのは間違っています。円安の為に物価が高いのであれば、大手企業収益が上がり、過去最高の税収が上がっているのですから、政府がインフレ補填を続けて景気の下支えと、減税などで、消費拡大の後押しをすれば良いだけなのですが、日本政府は逆に社会保障費の増税などをするのですから、景気は上がるはずがありません。そこに利上げです。確実に銀行は儲かりますが、個人、中小企業などの住宅ローン、事業資金の借入金利は上がりますので、さらに消費を減らす方向へ向かう可能性が高くなります。
さて、今後は、当分ドル安、円高が続くと見るのが妥当でしょう。今後FRBは金利を下げてゆくでしょう。今日のニュースではFRBは来年9回の利下げを行うと見込まれています。9月から或いは今月からの利下げが始まり、 円高が進行し、日本の大手企業、輸出企業の収益が減少すれば更なる株安への不安が残ります。イスラエルとイランの一触即発状況も安全資産への回避を促進するでしょうから、米国債の利回りが更に下がってくる要因の一つとなります。
【今週の???な国際ニュース】
パリはオリンピックで大いに盛り上がって、市民もオリンピック観戦を楽しんでいるのかと思いきや、そうではないらしいです。
元々、フランス人は夏季休暇を長くとるので7月、8月はのパリは人が減り、その時期を観光客が埋めてきたのですが、今年のオリンピック期間中はその観光客も少なく、ホテルやレストランでは値引きをしてもお客様がこないと嘆いています。オリンピックがある為にテロの噂があり、パリの住民はバケーションで街におらず。他の都市に住むフランス人はオリンピックの混雑やテロの噂で、パリには来ないからです。お客様が集まらないので、例えばロンドンーパリ間の格安航空券は39ドルで買えるとのことです。 嘗てはブランド物を買い漁っていた中国人の姿も見えないのです。何故なら、ブランド品を世界一安く買えるのは円安の日本だからという話。フランスに住む日本人も買い出しに日本に行くと言うのだから笑えない話です。
ところが、急な円高です。これから日本人が大挙して世界に出て行くことになる世界が戻ってくるのでしょうか?
円高と米国の景気後退で米国不動産を買うタイミングがいよいよ来ましたね?(笑)
【豆知識】
全米で最も固定資産税が低い州ベスト5
Alabama 0.4%
Louisiana 0.56%
Wyoming 0.56%
Utah 0.57%
Nevada 0.59%
番外 カリフォルニア 1.25%
【今日のローン金利】
![](https://assets.st-note.com/img/1722901651391-r1BHHAGqcZ.png)
漸く、5%台の金利が視野に入って来ました。
そろそろ外国人ローン金利も下がると思われます。