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前川のニュースレター No. 26

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
過去2週間体調不良の為ニュースレターをお送りできませんでしたが、
今週からまた週一回のペースでお送り致します。過去2週間大きな出来事が
沢山あり、株式、国債、為替相場が大きく乱高下しました。
今日はそののニュースを中心にお伝えいたします。 
さて、本日8月7日のニュースレターをお送りいたします。
 
【株式市場の動き】
先週金曜日に大きく下落した株価が本日は大きく戻りました。ダウ工業株30種平均は407.51ドル高の35,473.13ドル、S&P500は4,518.44ドル、ナスダックは13,994.40ドルとそれぞれ1.16%、0.90%、0.61%の値上がりです。米国債は、3日から4日に掛けて大きく値下がりし、利回りが上昇、4.2%を伺うところまで行きましたが、その後大きく下げて、4.04%ぐらいまで下落、本日は4.09%前後で推移しています。 国債の利回りは上昇すると、価格が下がります。10年国債の利回りは長期金利の指標となりますので、長期金利である住宅ローン金利が上昇します。日本の10年国債も一時0.64%近くまで上昇しましたが、本日は0.62%前後で推移しています。本日は米国債が若干上昇、日本国債が下落していますので、日米の金利差がやや拡大しており、ドル円はやや上昇です。
*いつも必ずではないのですが、今のところはドル円の金利差が拡大すると円安。 差が縮まると円高に動きます。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
住宅ローン金利は方向感の定まらない、上がっては下がり、下がっては上がりを繰り返しています。要するに、市場も、FRBも自信をもって、インフレは収まってきている、企業業績は力強く、景気後退はなく、ソフトランディングするとはハッキリ言えない状況だという事です。その為、家の購入予備軍は沢山いるのですが、先が見えない為、もう少し様子を見ようと売り主も、買主も待っている状況が続いていますので、不動産市場に売り物件が思ったより供給されず、物件不足の為、不動産価格は若干の上昇圧力が掛かっており、どうしても物件を買いたい人たちは、価格の高い大都市部から地方都市へと動いています。カリフォルニア政府の発表によるとロスアンジェルス郡の人口は2023年から2060年までに約140万人の人口が流出すると予想しています。2023年時点で、2020年と比較すると60万人も人口減少しています。 2060年時点で人口は8百20万人と予想されています。この流出した人口はカリフォルニアの田舎の州やテキサスなど住居費、生活費が低い場所へ流れています。オレンジ郡やサンディエゴ郡でも人口が若干流出していますが、直ぐに人口が増えると予想されています。
カリフォルニアの政府見解では、住居費の異常な上昇(5年前と比べて30%の値上がり)がその理由としていますが、実際には、治安の悪化、高い税金、左翼教育などがその主要な要因だと考えられます。 カリフォルニア全体では、これから人口が減少し、2030年にはリバウンドして、人口増加が見込まれるという事です。
 
 
【経済の動き】
前回のニュースレターでも言いましたが、今後引き続きインフレの低下が続くと私は予想しています。FRBはまだ利上げをストップするのにはデータが少ない、とか自分たちの立場をプロテクトするのに必死の様に見えます。市場は早ければ今年、遅くても2024年には利下げが始まり、大きな景気後退は起こらずソフトランディングすると言う予想です。ソフトランディングはFRBもそのように考えている様です。しかし、日々のニュースを見ていると、必ずしもそうなるとは思えません。 以下がそのニュースです。
 
*7月も中古車価格の下落が続いています。自動車オークション会社マンハイムの集計では6月は前月比4.2%下落、7月は前月比1.6%の下落と前年同月比では
 11.6%の下落となっています。―>消費者物価指数が下がると予想されます。
 
*大半の投資家は2024年までに、米国経済がリセッション(景気後退)に陥ると予想。現在の株式の強気相場が短命の留まるとみて期間長めの米国債を選好している。
 と最新のブルームバーグの調査が発表されました。―>ウォーレン・バフェットも大量に米国債を購入しています。
 
*商業用不動産ローン市場の枯渇が深刻化しています。商業不動産ローンを持っている銀行各社は、ローン支払不履行が起こる前に保有するローンを債権化して、多少の損を覚悟で安
 値で売却したいのですが、買い手が見つからない状況になっています。
 
*世界最大のコンテナ海運会社、デンマークのマースクは世界のコンテナ輸送量が今年、最大で4%落ち込むとの見方を示しました。最大2.5%のマイナスから下方修正。
 
*7日、大手物流会社(トラック輸送)のイエローが経営破綻、チャプター11を適用申請。 3万人の雇用が失われる。
 
*米食肉大手タイソン・フードは7日、中西部ミズリー州の2箇所を含む鶏肉処理場4か所を閉鎖すると発表。コスト高と需要の伸び悩みによる採算悪化が理由。
 牛肉、豚肉と比べて鶏肉が一番価格が低く、不景気になると鶏肉の売り上げが上がるはずですが、どうなっているのでしょう。価格の低い加工食品が買われているのでしょうか?
 
などなど、今までも述べてきたように景気後退を示唆する出来事は枚挙にいとまがあません。だれも景気後退を待ち望んでいませんが、見て見ぬふりをすると後がもっと怖いですね。景気後退にならければそれはそれでいい事ですが、もしかの為の準備をしておかないと、ハードランディングが思ったより厳しいものになってしまいます。ご注意を。
 
 
【今週の???なニュース】
7月26日にFOMCで0.25%、米国政策金利の利上げが発表されました。27日(日本時間28日)に日銀がイールドカーブコントロールを正常化に向かわせると発表。10年国債の利回り上限の目標を0.5%から1.0%に引き上げました。その後、フィッチが米国債格下げを発表しました。まず、日銀黒田総裁の時に、イールドカーブコントロールYCCの利回り目標は0%から、0%から0.5%に変更されました。この時、日本国内には低利で借りられる資金が豊富にあり、また、銀行預金、株、国債など利回りが低かったので、為替リスクを考慮しても4%以上の利回りのある、世界一安全な米国債に年金基金、生保、機関投資家がこぞって、米国債や米株に投資しました。ところが、日銀がYCCの利回り目標を0.5%から1%に上げたことにより、実質日本国債の利回りが0.5%上昇したことになり、今まで、米国債に流れていた日本の資金の一部が日本国債に戻って来た(リパトリエーション)が起こると予想されています。現在の日本10年国債の利回りは0.62%になっています。27日前は0.42%前後でした。さて、次にフィッチの米国債格下げについてですが、世界で主要格付け会社が3社あります。この3社で95%のシェア―を持っています。そのうちS&P, ムーディーズはシェアが40%、25%がフィッチです。どうしてフィッチが格下げに踏み切ったかと言うと、規律なく増え続ける米国政府の財政赤字です。昨日も米国国債の大量発行がニュースになりました。6月に米国財政破綻すると大騒ぎした時の公的債務が31.4兆ドルだったのですが、現在は32兆ドルに増加。財政規律の悪化を見てフィッチが格下げに踏み切ったのです。財政赤字を埋めるための米国債発行、また、日本など大手投資ファンドが米国債から利回りの上がった日本債へのシフトを嫌がって、米国債の利回りが上昇。 資金を米国に土留め、米国国債を購入してもらう動きに出ています。米国債の利回りが上昇すると、負債の借り換えコストが上昇。また長期金利の上昇による銀行資産の目減り、企業や、発展途上国の資金調達コストの上昇と経済に大きな影響があります。さらに、米国債の格下げの為に、米国の州債、や他の債権もリスクプレミアムとして起債の時の金利が上昇してしまいます。その為、株価が大き下落しました。今日は戻していますが、8月1日、2日と大きく下落しました。このYCCの上限引き上げ、フィッチの米国債格下げは全く予想していませんでした。10年国債がおかしな動きをしているなと思ってい調べたらこのような理由が背後にありました。今日現在は落ち着き始めています。株価も戻り始め、円安も逆に触れはじめ、米国債、日本国債も落ち着きそうな動きですが、未だ予断を許しません。
 
あくまで私見ですが、突然日銀がYCCの上限を引き上げた理由として、米国側からの指示があった可能性があります。今までの植田日銀総裁の言動や、市場環境から今実質利上げのYCC上限引き上げに向かうのはどうも道理に合っていないからです。日本政府の財務省は社会保障費の引き上げ、増税に向かっているところに、日銀が政策金利を引き上げると、せっかくインフレ、賃金引上げでデフレを脱出し始めたところに冷や水を掛けることになるからです。余程、この引き上げを強力に進めた勢力があったとしか考えられません。日本にとってそれは、米国政府と考えるのが一番合理的でしょう。米国はこの引き上げによって、円高に誘導したかったのだろうと思います。そうなれば、この所増発している米国債を日本に沢山買わせることが出来るからです。米国債が沢山買われれば、米国債利回りが下がり、日本国債の利回りとの差が縮まり、さらに円高に振れてゆきます。 私は、これが狙いだったのではないかと思います。  しかし、ハッキリとしたことは分かりません。?????ですね。
 
今週は10日に米国消費者物価指数(CPI)、11日に卸売り物価指数(PPI)の発表があります。UPSやディズニーの決算もあります。機関投資家やヘッジファンドなどの動きにもよりますが、恐らく引き続きのインフレ率下落傾向が続くと思われます。 
 
【豆知識】
日本語では動物の名前の前に子を付けるだけの場合がほとんどですが、
英語ではそれぞれに赤ちゃん名があります。
 
犬: Dog ― Puppy
猫: Cat ― Kitten
ひよこ: Chicken ― Chick
羊: Sheep ― Lamb 
兎: Rabbit ― Bunny
カンガルー: Kangaroo ― Joey
豚: Pig ― Piglet
アヒル: Duck ― Duckling
ライオン: Lion ― Cub (熊、狼もCubです)

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