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【Overseas-14】DOGEの光と影

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週80時間以上働ける超高IQの革命家たち急募!

2024年の大統領選挙から10日も経っていない11月14日、まだ存在しない政府効率化省(DOGE:Department of Government Efficiency)のXアカウントから、人材募集の投稿が発射された。

上記X投稿の訳:
Department of Government Efficiency @DOGE
DOGEの活動に関心を示してくれた何千人ものアメリカ人に感謝している。私たちは、パートタイムのアイデア・ジェネレーターを必要としているのではない。週に80時間以上、地味なコスト削減に取り組んでくれる、超高IQの小さな政府革命家が必要なのです。もしそれがあなたなら、このアカウントに履歴書をDMしてください。応募者の上位1%をイーロンとヴィヴェックが審査します。

週80時間以上働けて、地味な仕事に取り組めて、超高IQで、革命的という四拍子が揃っていて、かつ上の投稿には書いてないが、「給料は期待しないでほしい」という額らしい。実際DOGEトップのイーロン・マスクは無給だし、現時点で3分の1の職員が無給らしい。新大統領の就任まで、約2ヶ月しかない。公募から採用まで1年かかるのが普通の国際機関感覚で、僕はどうせ何も起こらないだろうとたかを括っていた。


I. 大統領令14158号

DOGEが求人を始めてから約2ヶ月後の2025年1月20日、大統領就任式が行われ、ドナルド・トランプは2回目の大統領になった。その日のうちに、トランプは42の大統領令に署名し、200件以上の行政措置を取った。

その中の一つに、大統領令14158号—大統領の「行政効率化省」の設立と実施(Executive Order 14158—Establishing and Implementing the President's "Department of Government Efficiency")があった。これによって、DOGEは正式に誕生した。(大統領令14158号の全訳をこの記事の一番下に載せておく)。

DOGEチーム

この大統領令の中に、「これらの職員は本大統領令発令日から30日以内に採用または配置される。」とある。つまり、2月19日までに全部そろえろというのだから、尋常じゃないスピードの計画が作られている。しかし、数人雇うだけなら、それほど難しいことではないかもしれない。いったい何人くらい採用する必要があるのか。

この大統領令によると、各連邦機関には、DOGEチームが派遣され、組み込まれることになる。それぞれの組織の中で仕事をするという計画だ。米国には約400の連邦機関がある。一番大きいのが300万人が働く国防省で、小さなものは職員数が100〜200人のところもある。

派遣先の連邦機関の規模によって、DOGEチームの大きさも変わるが、最小チームが大統領令に設定されている。①チームリーダー、②エンジニア、③人事専門家、④弁護士の4名で構成されるのが最小チームになる。単純に4x 400でも、最低でも1,600人を2月19日までに採用しなければならない。無理だろうと普通は思う。

しかし、2月に入って直ぐに数千人の応募があったことをイーロン・マスクはXで公表し、その直ぐ後に、DOGEは結果を出し始めた。不意打ちをくらったようにアメリカ国内はそれ以来、右往左往の大騒ぎになっている。

「ほれ見たことか、独裁だ、民主主義の破壊だ、法的にどうなの」系から、「よくやった、待ってた、民主主義の回復だ」系までいろんな意見が飛び交っているが、ホントのところ何が起きているのか、DOGEの正体はなんなのかを見てみる。

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