みんな磨けば光るダイヤモンド 株式会社ソリューション代表取締役 長友威一郎さん
社員の平均年齢は20代という若手社員と、企業の採用・育成で組織強化にチャレンジされている株式会社ソリューション代表取締役 長友威一郎さんにお話を伺いました。
〜長友威一郎さんプロフィール〜
株式会社ソリューション 代表取締役
大学卒業後、富裕層マーケティング会社最大手に入社。6年間の営業活動を通じて多くの経営者と出会う。
2006年、顧客の1人であった現株式会社CONY JAPAN代表の小西正行氏から新会社立ち上げの参画要請を受け、経営者の経営サポートを本業にすべく、株式会社ソリューションに入社。
採用コンサルティング、経営コンサルティングを通じて、採用と育成の両輪を回して組織を強くすることにより、多くの企業の発展に貢献している。
特に初期教育を強めることで、新卒社員や第二新卒社員をリーダーへと変えるマネジメント力には定評がある。
人生のミッションは、「生活のための仕事ではなく、人生を輝かせるための仕事として、若手社員に夢と希望を持って働ける環境を提供すること」
みんな磨けば光るダイヤモンド
記者:どのような夢やビジョンをお持ちですか?
長友威一郎さん(以下、長友 敬称略):実はビジョンを描くというのは苦手なんですが(笑)。僕はみんな磨けば光るダイヤモンドだと思っています。ただ自分の可能性に気づかなかったり、外部環境によってそれが閉ざされたりする人たちが多いので、その可能性を広げていきたいなと思っています。
なので僕自身は会社として若い子たちのチーム、組織を作って、仕事を通じて挑戦したりして、自分の可能性を広げていき「世の中捨てたもんじゃない」みたいをことを感じる若者を増やしていきたい。そうすれば、その子たちが大人になり、その子たちの子供も絶対元気になると思うので、そういう世の中を作っていきたいなと思っています。
一人ひとりの変化に敏感に
記者:社内でのチーム作り、組織作りで特に意識していることはありますか?
長友:僕が個人として意識しているのは、みんなの発言とか行動、特に強みや得意なところを見るようにしています。この人はこういうことに強いだろうなとか、ここが得意だなとか、こう言ったら伸びるだろうなとか。
最近はガッツリ関わるということは、中々できなくなったのですが、みんなの日報を、毎日全員が見られるようにしたりとか、全員のスケジュールを全員が把握したりするので、興味があればみんなの、今日1日の動きが分かるようにオープンにしています。
だからこそ一人ひとりの変化に対して敏感に連絡を入れてあげたり、LINEで「今日なんかめっちゃいいことあったらしいな」とか、そういう細かいフォローはよくしています。で、逆に「こういうことだったら、こうした方がいい」といったアドバイスをしたりということも、よくしていますね。
ナンバー2よりチームを
記者:社内の雰囲気が伝わってきますね。現在、社員さんが20名ということですが、今の人数だからこそできるということはありますか?
長友:そうなんです。今だからここまでの関わりができるんですよね。僕らも30名を超えると、ここまでの関わりは難しいと思っているので、今だからこそ、しっかりと社内の関係性を作っていこうと思っています。
組織論を語っている人間があまりこういう話をしないのですが・・・・。僕はピラミッド型の組織って絶対ありえないって思っているんですよね。周りからはタブーと言われたりもしますが。
よくナンバー2を作りましょうと言うじゃないですか。でも、ナンバー2なんてできないと思っているんですよ。なぜかというとナンバー2を作りたがる経営者は、自分の分身を作りたがっていると思うんですよね。でもそれって、正直難しいと思うんですよ。
だからこそ僕はチームを作りましょうと。2、3人で、社長の幹部の役割ができたらいい。それぞれに強み、弱みってありますし、全部が80点以上の人なんてほぼいませんので、だからそう言った意味ではチームで。
若い子たちも得意分野、不得意分野がありますので、そこで連携して、じゃあコミュニケーションとってやろう!と。だから関係性をすごく大切にしているんです。社内でもお客様におけるサービスにおいても。やっぱり社内の関係性がうまくいかないと、絶対お客様には提供できないし、社内の関係性が良ければ、それを僕らが事例として語れるんですよね。なので社内への仕掛けもけっこうバンバンしていますし、その上でのコミュニケーションの温度感と情報共有は、綿密にしてますね。
理念経営との出逢い
記者:人の可能性を広げていきたい!と思ったきっかけはありますか?
長友:昔、僕はこんな人間じゃなかったんですよ。本(“がんばる経営者”が会社をつぶす: 最強の組織をつくる経営術)にも書かせてもらいましたが、昔は、仕事=お金、仕事=自分の成長=どれだけ稼げるかという感覚の人間でした。それが違うなってことに前職時代のお客様に気づかせていただきました。
そこから創業者である小西正行と株式会社ソリューションを立ち上げた時に、小西は「理念だ理念だ」と言っていたのですが、実を言うと、意味がわからなかったんですね。もっと言えば「理念で飯が食えるか!綺麗ごと言うな」と思っていました。「トップは言っているだけで、結局、社員が働かないといけないんだ!」と感じていました。
ただ、ある時に理念の必要性を実感した出来事がありました。創業をした時に株式会社CONY JAPANという会社のスペースアップというリフォーム部門があるところに間借りをして、その子たちと一緒のフロアで働いていました。そしたら21時とか22時とかの夜中でも、彼らがスペースアップの理念の「For Happines」という「お客様・協力業者・社員・そして会社の幸福を追求します」ということについて熱く語り合っているんですよ。新卒2年~4年目くらいの若い子たちが。パってのぞくと、「僕らの仕事ってお客様に、いかに喜んでいただけるかやん」みたいなことを真剣に語っているんですよ。
一方、僕は「なんとか売上を上げないと」と日々考えていました。
それで「終電は大丈夫か?」と思う時間まで打ち合わせをしていても、翌日の朝は元気に来ているんですよね。その姿を見た時に、「これが理念経営なんだな」と思いました。それが悪く言われるケースもありますけど、自分たちが目指していきたいとか、信じ続けていきたいものを目的にかえて、そのために自分は仕事するんだって。まさに理念経営だなと思ったんです。
僕は「なんのために仕事するか?」と考えてみると、やはりお金のためというのがありました。でもそれはやはり限界があると思った時に、若い人たちが勝手な先入観や固定観念で、社会とは、仕事とは、大人とは、こんなもんだって可能性を閉ざしてしまうのは嫌だなと思いました。僕もそうだったので(笑)。
電車に乗ってるサラリーマンを見て、こんな大人に絶対になりたくないとか、電車の中で「月曜の朝なのに何で寝とんねん!」とか思っていたんですね。でもそこを気づかせていただいて、これこそ理念経営だし、こういう企業様が世の中に増えていけば絶対よくなるなと思って、自分自身も考え方が変わったり、みんなとの関わり方も変えていきましたね。
一緒に釜の飯を食べて、同じ志を目指している仲間=家族
記者:人の可能性を広げると言った時に、教育はとても大切だと思います。長友さんの中で、教育に大事なものは何だと思いますか?
長友:一言でいえば愛情ですね。
愛情というと色々な意味があると思います。お子様がいる方は特にわかると思いますが、僕は虐待とかのニュースが大嫌いなんですよね。愛情が自分の子供にもあるので。一方、社員は一緒に窯の飯を食べて、同じ志を目指している仲間=家族みたいなものじゃないですか。血がつながっていない一番近い身内=社員だと思うんです。自分たちの家族以上に時間を過ごしている仲間ですから、その子たちに愛情がないのは、逆に「なんで?」と思いますよね。その子たちの悩みもそうですし、成長もそうですし、頑張っている姿を応援したりとか、時には叱ってあげたりとか、そういうことはごくごく当たり前というか、そう思ってしまうんですよね。
記者:社長がその立場で思うことはあっても、社員間でそれを受け取って実際に行われるかどうかが、一番難しいと思っています。社員同士が愛情を注ぎ、お互いの成長に関して叱咤激励をとばす。そのようになる仕組みとしてどのようなことに力を入れていますか?
長友:育成の前の採用段階に力を入れています。例えば、今までの人生で、自分自身が人に助けられたり、救われたりした経験がある方のほうを、僕らは採用しているということはあります。
採用の段階で、その方の人生もすべて聴きます。もちろんこちらも全部オープンにしていきますが、それでお互いが、共に戦える仲間かどうか、確認しています。人からの愛情をもらったことがないとか、チームとしての成功体験、失敗体験をしたことがないという人は、中々言ってもわからないんですよね。だからこそ僕らはそういうメンバーを仲間に入れて、どう世の中に伝えていこうかというのを考えたりしています。人の顔色を見て、「ちょっとしんどそうだな」と思えば、声を掛けられるとか。それってそういう声を掛けられたことがない人は、わからないですよね。
自分が苦しい思いとか、苦しい経験、嬉しい経験をしている方を採用するから、そういった会社の組織習慣がすんなり入っていきます。なので僕らも学生さんに朝礼見学をしてもらっているのは、僕らが毎日やっている組織習慣が、学生さんに合うか、合わないかを、ジャッジしてもらうことが1つの目的です。これに合わないと言われると、僕らは毎日するので、どれだけ仕事とか、働いている人が好きでも、一緒に働いていくのは難しいかなと思っています。
自分たちが採用活動をしていて感じるのは、採用に力を入れていない企業様が多すぎるということです。とりあえず人が欲しいから入れる。そして育成に悩んでいる。結局、育成に悩んでいるということは、多くの場合、そこの会社に合った人材を採用できていない、ということだと思っています。
記者:社長だけでなく、社員同士の関係性をつくっていく重要なことのひとつは採用にありということなんですね。長友さん、本日は本当にありがとうございました!
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長友威一郎さんの活動、詳細情報についてはこちら
●株式会社ソリューション
https://solution-hr.com/message.php
●株式会社ソリューションfacebookページ
https://www.facebook.com/solutionhr/
長友威一郎さん著
「“がんばる経営者”が会社をつぶす: 最強の組織をつくる経営術」
全国の書店、オンラインで販売中です。
【編集後記】
今回インタビューを担当させていただいた山口、帆足、大槻です。
インタビューをさせていただきながら、長友さんの愛情あふれる在り方、姿勢を感じ、とても活気のある場となりました。社長だけでなく社員同士が愛情を持った組織が増えていった時に訪れる「未来」というのが、とても楽しみです!
インタビュー後、私たちも朝礼を体験させて頂きました。朝の短い時間の中で、あらゆる要素をトレーニングできる仕組みに感動しました!見学はいつでもできるそうなので、ご興味ある方は、是非、体験してみてくださいね。
今後のご活躍が未来の企業活性化に繋がると思うと、とてもワクワクします。これからも応援していきます。
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この記事はリライズ・ニュースマガジン”美しい時代を創る人達”にも掲載されています。