小さな声かけから組織は良くしていけるかもしれないと娘に教えてもらいました
今日は、普段の日記とは異なり、最近子育てを通じて感じたことをまとめます。
娘を一人のヒトとして尊敬している
私には3歳になる娘がいます。私が現在就労する会社へ入社する前日に誕生し、私のエンジニア歴 + 1日を生きる娘です。ここしばらくはポケモンに熱中しています。多くのポケモンの名前を覚え、すでに私の知らないポケモンの名前・タイプ・進化系統を言うことができます。
そんな彼女には、親の私よりも優れているところがあります。ポケモンのことではありません。
周囲の小さな変化 (たとえばリビングの小さな装飾品や妻のおろしたての靴下など) に敏感に気づき、それに対してポジティブな声かけをするのです。しかも、それを日常的に実践しています。
私は周囲の変化に対して鈍感なのでそういうのがちょっと苦手です (苦手な理由は、鈍感なだけなく記憶力などもありますが)。そのため、彼女の振る舞いを見ながら、最近は素直に尊敬するようになりました。そして、親子の関係ではなくヒトとして尊敬していることを自覚してから、組織における我が振りについても思いを馳せたのです。
ポジティブな淡い感情がもたらすもの
相良奈美香 @NamikaSagara 氏の著書 "行動経済学が最強の学問である" によると、行動経済学における「感情」には、「淡い感情」であるアフェクトと「はっきりとした感情」であるディスクリートエモーション (Discrete Emotion) があります。アフェクトは、以下のように説明されています。
同書では、ポジティブな感情がもたらす影響について、ノースカロライナ大学の心理学者バーバラ・フレデリクソン氏の研究論文から拡張-形成理論というものを引用しています。数多の論文から被引用されているこの研究論文の Abstract には、次の記述があります。
「永続的な個人的資源を構築するのに役立つ」というのはとても面白いですね。拡張-形成理論におけるポジティブな感情 positive emotions とポジティブ・アフェクトとがイコールではなさそうですが、アフェクトが無意識 (無自覚) な感情であることを踏まえると、重要な要因であるという主張にも納得いきます。"行動経済学が最強の学問である" においては、ポジティブ・アフェクトは組織や仕事への影響も大きいとされています。
ここからは私の見解になりますが、上記のような視点で考えると、「心理的安全性」と呼ばれるものの要素の一つである居心地の良さや帰属意識は、ポジティブ・アフェクトの影響を少なからず受けていると考られそうです。
小さな声かけで良い雰囲気にしていくことは思っていたよりも重要である
淡い感情がもたらす影響を考えると、小さな変化に気づき、ポジティブに声かけすることは、組織内の行動として非常に価値があると言えます。
(もちろん、ただ声かけをしたら良いというわけでもなく、お互いの関係性や接する頻度、言い方などを例として、諸々に気を配った上での声かけであることが重要でしょうが)
そのような教訓を娘から教えてもらい、今後に活かそうと思ったこの頃なのでした。