【atd2023】90日で新人の心をつかむ法 シーナ・ローズ
前回にひきつづきスプリントレイの組織変革担当者さんのセッションです。
「60日で必殺仕事人、90日で会社ダイスキ人間に育てる法」とでももうしましょうか、効果的なオンボーディング・プログラムについてのお話です。
ジェネレーション・ギャップによるコミュニケーションの難しさはグローバルな課題で、スプリントレイの場合も、Z世代の新人クンたちと、ミレニアル世代の経営陣の間の、組織に対するエンゲージメントのギャップ、仕事に対する姿勢の差は深刻のようです。
入社後90日で、新人(この会社ではスプリンターと呼ぶ)と「心を共有する」ためのオンボーディング・プログラムを開発しており、そのポイントは次のようなものです。
●プログラムは入社日前、採用プロセスから始める。(会社のカルチャーの紹介からはじまる定期的なマネジャーとの1on1ミーティングをする)
●プログラムは「新人研修」のようなイベントではなく業務プロセスの一環として入社後も継続される。
●ライフサイクル・コーディネーターという専門職が担当する。
●ライフサイクル・コーディネーターは入社日初日の業務環境のチェック(パソコンはちゃんと立ち上がるかとか、名札の記載は正確かとか)から始まり、リーダーシップ教育まで、新人クンと手に手をとって進む。
●入社~90日目までの『90日間プログラム』を3つのフェーズに分け、①会社との契約関係や社内ルールを正確に把握する”契約”フェーズ、②社内での人間関係を構築し、自分の役割・責任、および業務の目標を明確にする”パートナーシップ”フェーズ、③組織への確かで継続的は信頼を獲得する”リレーションシップ”フェーズと、段階的にマインドセットする。
●ライフサイクル・コーディネーターは新人の育成を、リクルーター、コーチ、ラーニングパートナー、マネジャーたちと密接に連絡をとりながら進める。
●逆にリクルーターは、新人育成担当のライフサイクル・コーディネーターからのリポートを受けて、採用の条件や面接での質問内容を決める(たとえば経理担当の採用でも専門資格があって請求書の確認だけきちんとすれば良いのではなくて、より良い経理処理とはどのようなものかと常に考え成長する人がよい、など)
●『90日間プログラム』のゴールは、
✓世界中の患者さんに笑顔を届けることに集中し、使命を果たすこと
✓今日よりも明日が良くなるように願って、一生懸命働くこと
✓イノベーション、コラボレーション、個人の成長と発展、多様性と包摂
へのコミットメントのある強力で献身的なチームの一員となること
✓私たちの哲学を理解し、文化的な取り組みに積極的に参加すること
また、常に学び続けるために、マネジャーと相談して『能力開発計画書』をつくるのですが、そのマネジャーを育てるために定期的に「マネジャー・チェックリスト」を受けさせ、必要なトレーニングを提供しています。
なにより感動したのは、
『新人=次期リーダー』ととらえて、自律した人材、経営センスのある人材になるように、新人のときからトレーニングをしていることです。
オンボーディング・プログラムを受講した社員の88%は「チームの中で双方向的に十分なコミュニケーションがとれるようになった」と答え、75%が「チームの中で自分ができること、自分が貢献すべきことが明確になった」と感じているそうです。
少子化が進む今日この頃、こうしたオンボーディング・プログラムは必須のものになるのでしょうね。
次回は、キーノートスピーチのポイントをお知らせしますね♪
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