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インストラクショナルデザイナーのひとり言 『山登り型からフィールド型へ★ AI時代のキャリアデザイン 』その3
一歩一歩上る階段型では変化に対応できない?
キャリアアップに必要な能力を磨くキャリアディベロップメントにも、新しい考え方が生まれています。
今までは、キャリアに必要な知識やスキルを、一段一段階段を上るように身につける「ステアーズ(階段)型」というスタイルが一般的でした。
みんな一緒の既定プロセスなので、安心安全で間違いないように見えますが、急激な技術の進化や社会の変化が起こると、途中のステップが必要なくなったり、エレベーターで一気に昇らないと間に合わない、という事態も起こりかねません。
階段を作り直すのには手間暇がかかるため、どうしても変化に後れをとってしまうことと、みんな一緒で多様性に乏しいのが弱点です。
それに対して、最近注目されているのが「ドット(点)型」のキャリアディベロップメントです。
ジョブズが歩んだドット型キャリア
これは、今いる組織や今している仕事にとらわれず、好奇心のおもむくままに様々な学びにチャレンジするスタイルです。
なんの脈絡もなく散らばっている点のような学びの成果を、あとから線で結ぶことで、思いがけない新たな発見やアイデアが生まれるモデルです。
「ドット(点)型」のキャリアディベロップメントで有名なのが、スティーブ・ジョブズが 2005 年、スタンフォード大学の卒業式の祝辞で披露したエピソードです。
“Stay hungry, stay foolish”(貪欲であれ、常識に捕らわれるな)という締めの言
葉で有名なそのスピーチで、彼はキャリアについてこう語ったのです。
心が惹かれるもの、魅力を感じるものを追究しよう
「大学を中退すると決めてからというもの、残りの学生生活では、必修とか単位とかは気にせずに、興味のある講義、面白そうな授業だけを受けたんだ。
そのひとつがカリグラフィー(装飾文字)。
その時は、それがこれからの人生でなんの役にたつのかまったく考えず、ただその美しさにひかれて夢中になった。
でもそれから数年後、Mac を開発するときに、美しいフォントをデザインしょうと思いついたのは、カリグラフィーの授業で学んだことが元だった。
目の前のなにかに役立つからではなく、心が惹かれるもの、魅力を感じるものを追究すれば、今はなんの関係性もない点と点であっても、いつかかならずつながって新しい世界を創ることができるんだ」(続く……)
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