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インストラクショナルデザイナーのひとり言    『山登り型からフィールド型へ★ AI時代のキャリアデザイン 』その1

コロナで一変したキャリアのイメージ

コロナの3年を経て、私たちの働くスタイルや仕事の環境はすっかり様変わりしました。

リモート勤務が定着し、通勤に費やしていた時間をリスキングのための学びや副業に充てることが、新しい日常になったのです。

さらに、ChatGPT をはじめとする生成 AI の目まぐるしいばかりの進化や、着々と広がる RPA(Robotic Process Automation:ロボットによる単純間接業務の自動化)など、想定外の速さで生活に入り込む技術革新を目の当たりにして、改めてこれからのキャリアについて考える人が増えています。

キャリアの時間軸と空間軸

そもそもキャリアとはなんでしょうか?

一説には、ラテン語で車輪のついた乗り物を表す “carrus”が語源とか。

それが車輪の通った跡を示すイタリア語の“carriera”やフランス語の”carriere”になり、やがて英語の“career”が生まれたと言われています。

いずれにしても時間軸で考えると、「今まで通ってきた道」「今までやってきたこと」という、過去から現在に至る「実績」をふり返るのが、そもそものキャリアのイメージだったのです。

そのキャリアの時間軸が近年、大きく変わりました。

まず、これから目指すべきゴール目標である「キャリアビジョン」を設定し、お手本にしたい「キャリアモデル」を探し、「キャリアアップ」に必要な知識やスキルを磨く「キャリアディベロップメント(開発・育成)」を計画し、ベストなタイミングを逃さない「キャリアチェンジ」も視野に入れながら、理想的な「キャリアパス」を描く、という具合に、現在から未来へと続く「プラン」をデザインすることにシフトしたのです。

もう一つ、大きく変わったのが、キャリアの空間軸です。

かつては、「キャリアとは?」と尋ねると、仕事・職業・経歴など、職場空間に限定した言葉をあげる人が多かったのです。

それが、「残業を減らし、家庭生活も大切に」を掲げる「ワーク・ライフ・バランス」という考え方の出現を境に、キャリアの示す空間軸は職場から私的な生活空間へと広がりました。

今では、仕事と家庭の両方を統合してライフスタイルをデザインすることで、仕事の生産性も私生活の質も向上させる「ワーク・ライフ・インテグレーション」や、さらには、人生100 年時代のライフプラン全体における仕事の位置づけや価値を考える「ワーク・イン・ライフ」へと、ワーク(仕事)よりもむしろライフ(人生、生き方)に重きをおいたものへと、キャリアの空間軸は伸びています。

キャリアは積むもの?上るもの?

そんなキャリアの時間軸・空間軸の変化にともなって、キャリアデザインのイメージも変わってきています。

かつては「キャリアを積む」とか「キャリアを重ねる」という表現にあるように、めざすゴールにむかって一歩一歩上っていくもの、定められたルートを着実に進むもの、というイメージが強かったのです。

しかし最近は……(次号に続く)

#TOASU
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