インストラクショナルデザイナーのひとり言「これからの“当たり前”って?」その1
コロナで変わった職場の「当たり前」
ビフォー・コロナとアフター・コロナで、世界はどう変わったのか。
企業や教育機関の人事・人材育成担当者たちは、この5年間の様々なデータや事例を分析し、コロナ後の新しいスタンダードを模索しています。
「今までの当たり前」が「当たり前」でなくなったことを明らかにして、「これからの当たり前」とはなにか、について考えはじめているのです。
たとえば、「“9時から5時まで”の終わり」という見出しがメディアで取りあげられることが増えたことも、そのひとつです。
さらに、ワシントンポストによると、リモートワーカーたちに「オフィスに戻る」ことを命じたところ、トップレベルの技術者たちがあっさり退離してしまうケースも増えているとか。
Z世代の間では、在宅勤務が普及するにつれて「静かに辞める(Quiet Quitting)」現象が起こりましたが、今では「不満を抱える出勤(Resenteeism)」や「秘密の副業(Clandestine Contracting)」が大きな問題になっています。
また、チャットGPTの普及と連動して急増している週4日勤務では、従来の「気楽な金曜日(Casual Friday)」に加えて、週明けの月曜日に多くの人が感じるプレッシャーや疲労感を軽減し、仕事の生産性を高めることを目的とした「最低限の仕事しかしない月曜日(Bare Minimum Monday)」も新たな「当たり前」になりつつあります。
オフィスはなんのためにあるのか?
こうした仕事の現場で起きている変化は、コロナをきっかけに、学ぶこと、働くこと、生きることについて、本質的な価値を追究しはじめたことの証だというのは、米国の人気ビジネス・コンサルタントでジャーナリスト、アル・ゴア元副大統領のスピーチライターを務めたことでも有名なダニエル・ピンク氏です。
たとえば、「どのような仕事は一人で行うべきで、どのような仕事はチームで行うべきか?」という疑問も、コロナを契機に真剣に考えるようになったことのひとつです。
また、どの作業をみんなで同期的に行い、どの作業を一人ひとりが都合のいい時に非同期的に行うべきか、という課題もあります。
リアルタイムで会議を開き、一緒に作業することがオフィスワーカーの「当たり前」だったのですが、はたして、すべての作業で必要なことなのか、という素朴な疑問です。
さらに、オフィスの役割とは何か、について考える機会も増えています。
かつてオフィスとは、仕事に必要な機器やツールがそろっている場所で、同僚と雑談する空間でもありました。
しかし、ポケットの中に、いつでも世界のどことでも接続できるスーパーコンピューターがある時代に、オフィスは本当に必要なのかという疑問を抱く人が増えているのも事実です
コロナを機に、多くの人は、オフィスは消えないけれど、ひとりで作業するためのコンピューターが並ぶ場所ではなくなるだろう、と想像するようになっているのです(続く……)
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