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インストラクショナルデザイナーのひとり言   「休み方を、学ぼっ♪」その4

自然を感じさせるもので脳をだます


自然には人の心を安らげる効果があることを多くの人が本能的に知っており、安らぎたいときは自然と(!)自然に近づいてしまうことがわかりました。

では、心から休むためには、人里離れた山奥や、潮騒しか聴こえない浜辺に行くしかないのでしょうか?

これについては、ペンシルベニア州のある病院で、ロジャー・ウルリッヒ教授が9年間に渡って行った、
『窓からの眺めが術後の回復に与えうる影響』
という研究が、ひとつの答えを示してくれます。

手術を受けた患者のうち、窓から木々が見える病室にいた人と、壁しか見えない部屋にいた人を比較すると、前者は痛み止めの量が少なく、入院期間も短かったという結果が得られたのです。

他の国の、他の病院で行われた研究でも、同様の結果が得られました。

ここから学べることは、たとえ短い休みでも、自然や“自然を感じさせるもの”を見ることで、疲労やストレスに対する治癒力が高まり、質の高い休息になる、ということです。

仕事の合間のひとときでも、ビルの屋上での休憩でも、緑を眺める一瞬が心を癒すとともに、大きな自然に抱かれたように肩の力を抜いて、自分自身と向かい合う貴重な時間になるのです。

しっかり休むには、体を休めることより脳を休めること、もっと言えば、脳をだますことが効果的です。

自然の中にいる気分をどう演出するか。

『生花』や、床の間の『掛け軸』など、日本の伝統の中にも、脳を休めリフレッシュさせるヒントがたくさんありそうですね♪

休暇の前にぜひ考えておきたいポイントです。

パーフェクトな寝落ちに欠かせないもの


アカデミー賞にノミネートされた役所広司主演の映画『PERFECT DAYS』には、本にまつわる印象的なシーンがあります。

一人暮らしの清掃員である主人公は、仕事が終わると銭湯に行き、古本屋に立ち寄り、文庫本を1冊買うのがルーティーンです。

馴染みの居酒屋で一杯やって帰宅すると、静かな部屋の布団の上で本を開き、ゆっくりとページを繰っていきます。

眠気が襲ってくると本を置き、そっと目を閉じて、昼間見た木漏れ日を瞼の裏に映しながら、深い眠りにつくのです。

まさに、パーフェクトな寝落ちのシーンです。

どうしたらこんなに安らかな眠りが手に入るのでしょうか。

トロント大学のレイモンド・マー教授は、映像と本の違いについてこう述べています。

人は映画やTV番組を見はじめると、少々飽きてしまっても興味が失せても、最後まで見続ける傾向が強いのです。

それは一人ではなく誰かと一緒に見ることが多いこと、見るスピードや見方をコントロールされているので、いつのまにか受け身になってしまうことが要因です。

一方、本は違います。(続く……)

インストラクショナルデザインにご興味のある方は💓
https://toasu-gakken.co.jp/event/20250130/

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