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インストラクショナルデザイナーのひとり言 『不適切にはほどがある!』★世代間ギャップ・マネジメントのヒント その5
リピュテーション・リスクのアピールはもう古い?
ゼロ・トレランス ポリシーが効果的に運用されるためには研修内容の見直しも必要です。
教材として使われる動画の「あるある」は、たいてい上司のセクハラや同僚のいじめなどの不快なシーンを流し、
「あ~、やだやだ」と嫌な気分を盛り上げたところで、
こうしたことを見逃すと職場の雰囲気が悪くなるぞ!、
どこからか噂が漏れれば世間体が悪くなって消費者やクライアントが離れていくぞ!、
関係者はもちろん放置していた組織の信用は失墜してブランド力も低下してしまいまうぞ……、
と、「不適切にもほどがある!」と、リピュテーション・リスク(世間での評判が悪くなる危険性)をアピールするストーリーです。
このような教材は「劇場型」、あるいは「管理者目線のダメ出し型」と呼ばれますが、
ネガティブな危機感をあおって組織の社会的責任を最小限におさえたいというのが研修の目的といっていいでしょう。
ポジティブなハラスメント研修の幸福感
これに対して、最近注目されるのが、風通しのよい“ワン・チーム”つくりを掲げたポジティブなハラスメント研修です。
安心できる職場の雰囲気は管理者と従業員が手を取り合って作っていくものだという意識を共有すること、
一人ひとりが小さな不安や不快感を取り除くことに積極的にかかわること、
部署が違っていても気にかけあって、どこの部署のどの人も、いじめや嫌がらせによるストレスが無いように心を配ること、
そうしたチームをみんなで作っていくためにハラスメント研修をするのだということを目標としたものです。
こうしたハラスメント研修で味わった幸福感、安心感の向上が企業文化の向上を育み、それがやがて生産性の向上につながる、というのが研修の真の目的なのです。
不適切には、ほどがある!
『ふてほど』では、「話し合いましょう~♪」と全員が歌いながら踊るシーンが出てきます。
「たとえわかりあえなくても、話し合ったという履歴は残る」という歌詞には、「もっとも効果的なハラスメント防止の方法は、傍観者をなくして、だれもが上手に介入する方法を身につけること」に通じるものがあります。
「不適切には目をつぶらず、ほど良いタイミングで、自分ゴトとして首をつっこむ」姿勢こそ、令和のハラハラ・モヤモヤを一掃するきっかけになるに違いありません。
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