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言葉の力

2019年9月14日日経朝刊、半歩遅れの読書術。
文芸評論家川崎賢子さん。

彼女は「私はニグロではない(私は日本人である、あるいは私をニグロと呼ぶな)」という名乗りが包含する差別意識を、「私はニグロだ」と称することで解体する。
私がいま「非色」のヒロインに見出すのは蔑称(ヘイト言説)をのみこんで解体する言葉の可能性である。

差別意識を解体する、のみこんで解体する、それは言葉の力、という点ではっとさせられる。

言葉の持つ力。目にした時、耳にした時、口にした時。
ありきたりだけども、言霊という言葉まである。
差別意識を解体する力まである言葉。

名前を与えられることにより、言葉を与えられることにより顕在化する差別意識。隠されていた差別意識。

そういうものにあまり関心がなかったのだけど、凄く単純だけど、先日観た映画「ビリーブ」の中での、裁判ののきっかけとなった法律の文言の話で、はっとする。
自分になかったそうした視点。
隠れているものも言葉として現れる。

その後、友人が勧めていた角田由紀子弁護士の岩波新書「性と法律ー変わったこと、変えたいことー」を読み進める。

そして今朝。さらに、のみこんで解体する、と。
意識が外に出たものが、言葉。
言葉がその人を作っている。