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「同行二人」

漠然としていた「やりたかったこと」が見えてきたのでやってみている

日本の音階での挑戦からこっち 腑に落ちないままの「同行二人」

「私は私でありたい」と思ったので 自分の思う響きを重ねていくことにした

もとの旋律が陽旋と陰旋を行き来することの不自然さ(西洋の音楽の頭から感じられること)は
日本の音階だけで構成すれば問題ない

というここまでの経験からの結論により

西洋音楽的な和声づけは不可能か
と思いこんでいた

しかし
実際そうとう難解な作業にはなるのだけれども不思議なヒント(暗号みたいなね)があって
西洋音楽的な和声づけを試みることにした

20191008のメモ

しばらく時をおいて 再度「同行二人」に 違うアプローチで挑戦を始めた。
思いこみや先入観は全て自分が生み出したものであり 自分を縛っていた。

新しい方向から作品に当たることは我流ではあるが新鮮で 楽しかった。

コードを考えず 横に旋律を眺め
浮かびあがる旋律線を色づけし
法則により色分け

そして 解析してコードを書きこむ

日本音楽に和音つけすると テンションコードのてんこ盛り

テンションコードが大半になるので
「さて D6かBm7か」‥などから頭を悩ますのが常
それは ルートが何になるかの違いであり
その箇所の響きが美しい方を選べば良いとは言え
前後のコードの進行具合から納得できなければ

「何で私 この和音に行きたいと思ったのかしら」

と腑に落ちないことに繋がる

今回は 日本音階から離れた響きをつけてみることにしたので
西洋和声進行上 理にかなっているかを確認することは必須と思っている

和声進行上 理にかなっていたとしても
テンションコードが入ると ぱっと見では何のコードかわかりづらい
指がつかんだ「合う響き」は ルートが省略されていたり 何らかの経過音が入ったりしておばけになってるから
こうしてアナリーゼすることで 裏づけをする

やたらめったら気分任せな和声をつけちゃおらんよの確認(もっとも 自分が気分任せで響きをつけたものだから 不安で行う作業でもあり 和声感覚が壊れていないかを「頭」で確認することでもある)

書き込むと ある進行がパターン化して浮き出た
それを色で分類して四角く囲む

すっごく納得した

やっぱり繰り返し
オスティナートほどではないけれど 緩やかに静かに しかし執拗な繰り返し

20191009のメモ

いくつかのコード進行のパターンの中で 7回も現れるパターンがあった。
その旋律により 変形したり わからないようにおばけになったりしているが 7回も。

それをこの編曲の核になるコード進行とすると
それは初めて聴かせていただいた時に
私がこの旋律の中で最も美しいと思った「天女のうた」の部分の和声進行であることに気づいた。

巡るのです
回るのです
くりかえすのです

実は バックにはこの旋律の中で最も私が美しいと感じる「天女のうた」(と私が呼ぶフレーズ)が
絶え間なく流れていたんだ‥ということに今回気づきました。

もちろん 目には見えません。

20191029のメモ

「たいせつなことは 見えないんだよ」

私が最も好きな言葉。
「星の王子さま」の中の賢いキツネの言葉。

その通りに

「たいせつなフレーズは 見えない」

単旋律では見えない。
そのフレーズは何回聴いても美しい。
意識せずとも私の中に深く入り込んだ曽我部さんの作られたフレーズは心地よく 幸福感をもたらす。

この旋律を背後に感じていたんだ

と気づいた時に

どうして 私はこの和声進行を選んだんだろう

という疑問は頭で考えて裏づけすることよりも
ずっと腑に落ちた。

この編曲をピアノで弾いて 終わりの方でに夕焼けに向けて空の色が変わっていくさまを感じた2019年10月29日に録音しました。

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