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「これほど自由な音楽はない」よさこい楽曲提供歴14年・沼宮内真が心躍る瞬間
「よさこいは、あらゆるジャンルの音楽を飛び越える。」
Otoneko Music代表・沼宮内 真さんは、よさこい楽曲の提供を続けて14年になるプロの作曲家です。
多くのリピーターからの支持を獲得し続ける沼宮内さんは、どんな思いでよさこい楽曲を制作しているのでしょうか。
いまもなおスキルを高め続け、時代に沿ったメロディを作り出す秘訣を知るべく、制作現場にお邪魔してインタビューをおこないました。
インタビュイープロフィール
Otoneko Music代表・沼宮内 真
12歳から作曲活動をスタート。会社勤めをしながら続けていた音楽活動のなかで、AKB48・HKT48に作品が採用される。
2014年9月に独立。教材音楽、イベントBGMなどジャンルを問わない多数の楽曲提供で活躍の幅を広げている。
よさこい楽曲提供においては14年以上の実績があり、チームの特色・要望と自らの知見を合わせたオリジナルの作品作りが得意。
――沼宮内さんは、なぜよさこいの楽曲提供をしているのでしょうか?
沼宮内真(以下、沼宮内):まさに「なんでもあり」なところに魅力を感じているからです。
実は、よさこいは「鳴子を持って踊る」「地方の民謡の節が入っている」これらのルールが守られていれば、どのような楽曲にするかは自由なことが多いんです。
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実際にこれまでも、J-POPやコンテンポラリーなど、多様なジャンルを組み合わせた楽曲の提供をしてきました。
若者にも響くような現代的メロディに、太鼓や三味線などが合わさっていく楽曲構成などは、まさに自由なよさこいだからこそ打ち出せる領域と言えますね。
――沼宮内さんの作る楽曲には、どのような特徴があるのでしょうか?
沼宮内:お客様がもつイメージに対し、私の音楽への知見をミックスさせて“プラスアルファ”の提案ができるところは、10年以上よさこい楽曲制作を続けてきた「Otoneko Music」ならではの特徴です。
たとえば「ゲーム音楽のような曲を作りたい」との要望に対しても、モダンダンス風のリズムを取り入れたり、過去の名曲で使われた手法を現代的なアプローチで取り入れたりして、オリジナル楽曲としての色を付けていくことは常に意識しています。
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実際に、楽曲を提供したよさこいチームからは「予想外の表現にびっくりしました。この曲で踊るのが楽しみです!」と、前向きな言葉をいただくことができました。
――ほかにも、沼宮内さんだからこそ出せる魅力があれば教えてください。
沼宮内:もう一つの強みとしては、訴えたいメッセージを「心に残るメロディ」に乗せて届けられることですね。
誰もが憶えやすいだけでなく、演舞の情景をふと思い出せるような楽曲に仕上げることは常に意識しています。
これは、長年JPOPの作曲をして培われたスキルだと感じています。
――最近は、どのような依頼が来ることが多いのでしょうか?
沼宮内:よさこい演舞曲にも「トレンド」のようなものがあり、ロックやラップ、EDMを取り入れたり、JPOPのような「歌モノ」の依頼や相談が最近増えてきました。
もちろん、トレンドに左右されない楽曲イメージを好むチームからも相談を受けています。高知系、北海道系、全国のよさこい楽曲に幅広く対応しております。
――依頼するときに意識してほしいことがあれば教えてください。
沼宮内:「こんな要望出してもいいのかな?」と不安になっているときこそ、ぜひ遠慮なく相談をしてほしいと思っています。
実は、もはや無茶ぶりと感じられるようなイメージであるほど、オリジナリティのある楽曲が出来上がりやすいんです。
お客様の思いと、私の音楽性がぶつかり合って化学反応が起きる。それは、Aメロ・Bメロなどの縛りすらない「自由」なよさこいが、楽曲の可能性をどこまでも広げてくれるからにほかなりません。
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「子どもが前向きになるようなメッセージを◯◯にたとえて」のような相談がきたときも、これまでの経験を総動員したメロディと歌詞を乗せた結果、まさに唯一無二の曲が出来上がりました。
――「自由」だからこそ届くであろう幅広い要望に、なぜ応えられるのでしょうか?
沼宮内:音楽の研究を総合的・継続的におこない、実際に楽曲へ反映をしているからです。
国内外の代表的なジャンルはもちろん、能楽や相撲甚句(すもうじんく)など、人によっては聴く機会がないような音楽も積極的に自分のなかに取り入れています。
最新のヒットチャートも常に押さえており、多くの引き出しのなかから要望に合うものを組み合わせていくことを意識しています。
――依頼をしたくても「まだ曲のイメージが湧いていない.....。」という方もいるのではないでしょうか?
沼宮内:どんな曲にしたいか決まっていない場合でも、どうか気軽に声をかけてください。一緒にイメージを作り上げるお手伝いをいたします。
「こんなアーティストの曲のイメージ」というざっくりした表現でもかまいませんので、まずはお話を聞かせてくださいね。
――最後に、これからどのような活動をしていきたいかを教えてください。
沼宮内:ジャンルを飛び越えた作品作りが可能なよさこいの楽曲提供は、「お客様の思いを形にできた」その瞬間に心が躍る魅力的な仕事です。もっともっと、多くのよさこいチームと一緒に楽曲を作っていきたい思いが日々強まっています。
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これからも私は、どんな要望にも対応できる作曲家として、自身の知識やスキルの向上に力を入れていくつもりです。そして、あなたの想像を超えた「感動」を作っていきたいと思っています。
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