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NotebookLMで英語論文の概要を把握してから読むと捗る

タイトルで言いたいことを言い切ってしまったのであとはメモとして雰囲気が伝わればオッケーです。

カッコつけてACM Digital Libraryで論文をペラペラ読んでいます。(年間数万払っているので元はとりたい)

Association for Computing Machineryとは、コンピュータの科学と教育に関するテーマ全般を対象にしたコンピュータサイエンス分野の国際学会である。 一般に「ACM」の略称で知られている。 この分野の学会として世界最大で、会員規模は研究者・専門家から学生までを含めておよそ10万人を擁する。 1947年にアメリカ合衆国で創設され、本部はニューヨークに置かれている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/Association_for_Computing_Machinery

ただ、論文は基本英語なので、読めなくはないけれどもたいへん時間がかかります。流し読みでも時間がかかります。

これまではReadableを使っていた

Readable|見た目そのまま、PDF翻訳の新基準

こちらのサービスに有料契約をして、日本語に機械翻訳されたものを読みつつ、原文も見つつ、で読んでいました。

これでも英語のみ読むよりは当然スピードは上がっていたのですが・・・「デザインが崩れない!」というウリの割には正直崩れていたり、あとは翻訳後の日本語が読みづらかったりと、ダメではないけど満足もしていないという状態でした。

NotebookLM登場

NotebookLM: How to try Google’s experimental AI-first notebook
Googleのサービス「NotebookLM」が登場しました。といってもまだお試し的な形なのでこれからどうなるかわかりませんが、
2024/8/20時点ではGoogleのアカウントさえあれば無料で使えます。

このサービス自体は、PDFやMarkdownなどの情報源を読み込ませると、それを元にしてChatGPTやGeminiのようなインタラクティブなやりとりができます。この「与えた情報源を見て」というところが肝で、ChatGPTなど他のチャット形式でやりとりするLLMと比べて嘘をついてくることが少ないで
す。(全く無いとは言い切れなさそう)

おおまかな使い方

NotebookLMにログインしたら、新しいノートを選択します。

ファイルのアップロードができるので、論文のPDFをそのまま指定します。

これだけで、中身を見て「こんなドキュメントです」という概要を表示してくれています。
この画面上で、たとえば「既存研究との違いを教えて」など、ChatGPT等とやりとりするように指示を出せます。

ブリーフィングドキュメント、を出させるだけでもわかりやすい

上記の画面上に「よくある質問」「学習ガイド」など、標準の選択肢がいくつか表示されています。一番右にある「ブリーフィング・ドキュメント」を選択すると、論文の概要を(特に指示しなくとも)日本語でまとめてくれます。

少し待ち時間あり

すると、このような文章でまとめてくれます。

LLMs for Test Input Generation for Semantic Applications の論文レビュー

主なテーマ:
本稿は、大規模言語モデル(LLM)を利用したアプリケーション、特に意味検索やテキスト生成といったセマンティックアプリケーションにおけるテスト入力データ生成について論じています。

重要なアイデアと要点:セマンティックキャッシュの課題: LLMは高性能な一方、計算コストが高く、多数のユーザーにサービスを提供する際のスケーラビリティが課題となります。この問題に対処するため、セマンティックキャッシュが用いられます。これは、過去に類似したクエリに対する回答をキャッシュし、LLMの呼び出しを削減することで、低レイテンシ、低コスト、環境負荷の軽減を実現する技術です。しかし、セマンティックキャッシュはクエリの埋め込み表現に依存するため、微妙な意味の違いを捉えきれず、誤ったキャッシュヒットが発生する可能性があります。
(中略)

結論:
本稿は、LLMとセマンティックアプリケーションのテスト入力生成のための自動化されたアプローチを提案し、その有効性を示しました。提案手法は、セマンティックキャッシュの堅牢性を向上させ、LLMベースのアプリケーションの信頼性を高めるための重要な一歩となります。

今後の研究方向:
- クエリバリエーションの質を高めるための追加のフィルタリング技術の検討
- データ生成プロセスへの人間のフィードバックの組み込み
- より高度な埋め込み技術やドメイン固有の埋め込みの活用
- 複数のセマンティックキャッシュシステムを用いたさらなる実証的比較

日本語訳に関する注記:
専門用語については、一般的な日本語訳を採用しています。文脈によっては、より適切な表現があるかもしれません。

※長いので途中略してます。

この概要まとめを先に読んで雰囲気を掴んでから、もとの論文を読みにいくとはかどります。ありがとうNotebookLM。

学習ガイドも作ってくれる

さらっと読むものだとそこまで不要かもしれませんが、しっかり読み込んで内容理解したいものの場合、学習ガイドも役に立ちます。

さきほどの、標準で用意されている選択肢の中から「学習ガイド」を選ぶと、以下のような文章を出してくれます。

LLMを用いたセマンティックアプリケーション向けテスト入力生成に関する研究ガイド

このガイドは、「LLMs for Test Input Generation for Semantic Applications」という論文を深く理解するためのものです。

用語集
大規模言語モデル (LLM): 大量のテキストデータで学習され、人間のようなテキストを理解・生成できる強力なAIモデル。
セマンティックキャッシュ: 類似したクエリに対する応答をキャッシュすることで、LLMへの負荷を軽減し、応答速度とコスト効率を向上させる技術。
テキスト埋め込み: テキストを数値ベクトルに変換し、LLMが意味の類似性を理解できるようにする技術。
(中略)

クイズ
以下の質問に対して、それぞれ2〜3文で解答してください。
1. セマンティックキャッシュは、LLMベースのアプリケーションにおいてどのような利点をもたらしますか?
2. セマンティックキャッシュの主な課題は何ですか?
3. VaryGenはどのようにしてドメイン固有のクエリを生成しますか?
(中略)

エッセイ問題
以下の問題に対して、それぞれエッセイ形式で解答してください。
1. テキスト埋め込みの精度の問題が、セマンティックキャッシュの性能にどのような影響を与える可能性がありますか?具体的な例を挙げて説明してください。
2. VaryGenのクエリ評価プロセスを改善するために、どのような方法が考えられますか?
(中略)

解答用紙(クイズ)
1. セマンティックキャッシュは、類似したクエリに対する応答をキャッシュして再利用することで、LLMへのクエリ負荷を軽減します。これにより、アプリケーションの応答速度が向上し、コスト削減と環境負荷の低減にもつながります。
2. セマンティックキャッシュの主な課題は、テキスト埋め込みの精度にあります。微妙な意味の違いを正確に捉えることが難しいため、不適切なキャッシュヒットが発生する可能性があります。
(中略)

1. 評価の結果、VaryGenが生成したクエリの81%が現実的な質問として妥当であると判断されました。これは、VaryGenがドメインに特化した現実的な質問を生成できることを示しています。
2. GPTCacheは、LLMアプリケーション向けに設計されたオープンソースのセマンティックキャッシュライブラリです。本論文では、LLMアプリケーションでの利用を想定していることと、人気の高さ(スター数5000以上)から、GPTCacheが評価に選ばれました。
(略)

用語集の他に問題を作って、回答例まで出してくれます。
ただし、回答例は一部途中で切れていたりしたので、アテにしすぎないか、別途チャットベースで問題を出させるほうが確実かもしれません。

まとめ

特にたくさんの情報源にざーっと目を通しつつ、きになるものを探したり、全体感を捉えるためには、NotebookLMによるまとめは非常に有効です。

もちろん英語論文だけでなく日本語の論文や文章でも同じように要約・学習ガイド作成などはできるので、使い道はいろいろありそうです。

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伊藤由貴 / Yoshiki Ito
ありがとうございますありがとうございます