テスト自動化は3回や4回やれば元が取れるの?

テスト自動化でたまに言われる「自動化してから3回もしくは4回実行すれば元が取れる=コストに対してメリットが上回る」という説について考えてみましょう。


その前に・・・

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Webメディアのほうは開発者やPMなどより広い範囲向けに書き、こちらは主にQAエンジニア向けとして書きます。
そのため、こちらの記事内容が全て別記事に載るわけではありません。


背景

テスト自動化にはコストがかかるため、組織で導入する際には当然「やる・やらない」の判断が発生します。
いちQAエンジニアからすると「テスト自動化しないって選択肢あります?」と思う部分もありますが、ソフトウェア自体は利益を得るために作っているので、ビジネス的な判断は必ず入ります。

そうした状況のなか、Twitterなどでたまに「へー、テスト自動化は4回(※3回のこともある)で元が取れるんだ!」といったつぶやきが流れてきて、そのたびにモヤッとするわけです。

実際テスト自動化エンジニアとして仕事をするなかで、システムテスト自動化の費用対効果試算は何度も行いました。もちろん、場合によっては3,4回で元が取れることもあると思いますが、多くの場合はより多くの実行回数や期間をかけないと、粗い試算だとしても元が取れなかったりします。

「毎週実行したとして、損益分岐点は2年後です」と説明したことも実際あります。

なのに3回とか4回とか、そういった話は無くならないので、否定するにしても真面目にその情報の出どころについて考えてみたい、というのが今回の背景・動機です。

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