バンドの音をワンランクアップさせる方法
はじめに
お世話になっております、ギタリストの嘉紀です。
今回は私が今までやってきた中で最も効果のあったバンドサウンドの向上のさせ方について解説させて頂きます。
しかし、この手法を100%活かせるバンドには条件がありまして
「ギター、ベースが全員ライン出し」
DTM環境がある
この2点をクリアしているバンド向けになります
ライン出しの是非に関しては今回ここで語る事では無いと思いますので、割愛させて頂きますね。
やり方
では実際にどうするかというと
「ライブ用の音をレコーディングし、DAW上で分析を行う」
という手法です。
ギター、ベース共にマルチプロセッサー等を用いてライン出しで完結させてるバンドである事が前提となりますが、それぞれをレコーディングし、
•最低音を一発鳴らした場合
•コード弾きの場合
•ブリッジミュートで低音を強調した場合
等、複数のパターンで録音します。
ガイドとして簡易的にドラムトラックを入れておけばイメージもしやすいと思います。
そしてレコーディング後それぞれのトラックに
•EQ
•スペクトラムアナライザー
の二つを入れ、
どの帯域が被っているのか、過剰なのか、不足してるのか、そもそも出ていないのか
これらを分析します。
そしてEQをいじって被りが解消されたり、聴感上で心地よくなる部分があれば、補正した分元々のライブ用のパッチに反映させます。
この作業で優れた部分、副次的に得られる部分として「バンド内で曖昧であった高域、中域、低域の定義が明確な帯域の数値として共有される」というものがあります。
(スタジオ練習中バンド内で「高域が〜」等の会話がされたとしても、それが目立つハイミッドの1khz周辺なのか、場合にしては耳に痛い3khz周辺か、エッジを生み出す5khz周辺か、それ以上のプレゼンス領域か、それらの認識が共有されていなければ緻密な音作りの上では無駄となります)
バンドの音作りをスタジオで行う人も多いと思うのですが、ギター単体やベース単体ならともかく、通常の広さのスタジオではドラムの音だけで飽和しますし、ライブハウス環境とは違いマイクでの集音もしないのであくまでもスタジオは演奏の確認がメインと割った方が良いです。
ライブハウスを利用したゲネプロで音作りを行うというやり方も非常に有用だとは思いますが、時間に限りもある関係で「作り込む」までは難しく「確認する」といった作業になった覚えがあります。
なのでこの「DAW上でギター、ベースの音を分析」した後にライブハウスでゲネプロを行う…が個人的にオススメの方法です。
同期バンドにもオススメ
バンドで同期を使用してる場合は、ギターとベースに加えてここに同期音源を加えてみましょう
同期に使用する音源って、レコーディング時に作成したものをそのまま書き出して使用する方が多いと思うのですが、同期を使用してるバンドを見てると
「人間が主役のライブなのに同期の音に被って生楽器が目立たない…」
なんて場合をよく見かけます。
音源であれば緻密にパン振り等で分離させる事が出来ても、ライブハウスではリスニング環境も変わってきますので改めて「このシンセギターに被りすぎてないか?」「そもそもこれ、ライブの時いる???」等、ライブ用の同期を考えてみるのも有用だと思います。
最近ではシーケンス的なフレーズで情報量を増やして帯域を埋め尽くす手法が流行りですが、個人的な考えとしてはライブにおいてはあくまでも主役は「人間」であるべきと思いますし、そういうサウンドのバンドってライブとしての説得力が段違いでカッコ良いんですよね。
※私は同期演奏肯定派ですし、今までやったライブのほとんどで同期使用してきました。
終わりに
色々書いてきましたが、あくまでも私の主観と経験則でのやり方ですので人によっては意見ある方も居られると思います。
何かさらに補足や意見などありましたら是非コメント欄に書き込んで頂けると有意義です!
ライブハウスでよくある現象として、
「最初は音微妙だったけど、後半良くなった」
みたいなの、体験した事ありませんか?
あれってPAさんが演奏を聴きながら途中でさらに調整を加えて、さらに音を良くしてくれるからなんですよね。
私が今回ここで紹介させて頂いた手法は、あの後半の「まとまったサウンド」になるべく早く辿り着けるように予めバンド側でサウンドを調整しておくというやり方です。
使用してる機材や環境にもよるかもしれませんが、是非試みてもらえると幸いです!
(ライン出し出来ない人も、ミックス経験したり各帯域の音の雰囲気をバンド内で共有するだけで効果あると思いますよ!)
それでは!!
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