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538. Roundup From ECCMID: New Anti-Viral and Bacterial Drugs of Interest

From ECCMID
パンデミックが侵襲性A群連鎖球菌感染症に及ぼした顕著な影響について
パンデミック期をカバーしたイギリスの6年間のデータでは、パンデミック前は平均して年間350件あったのが、2021年には29件に減少。その後、2022年には690件に回復。

リトナビルを必要としない新規プロテアーゼ阻害剤、すでに日本ではCOVID-19の緊急使用許可を得ているエンシトルビル(ゾコーバ)の第3相試験のデータが発表。ウイルス培養陰性までの期間が短いなど、ウイルスの阻害作用があったことが示唆された。軽症、中等症、無症状の感染者70名のうち、本剤を投与した患者さんでは、プラセボと比較して、症状が出る人が少なかった。同薬はFDAからファストトラック認可を受け、追加の臨床試験が進行中。

2つの抗菌薬
ゲポチダシンは、2種類のトポイソメラーゼに結合してDNA複製を阻害する新薬。仕組みはフルオロキノロン系にやや似ている。グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌、淋菌に対して広いスペクトルを示す。単純性尿路感染症で、ニトロフラントインと非劣性だった。
スルバクタム・デュロバクタムは、BLIとBLIの組み合わせの新薬。カルバペネム耐性菌やアシネトバクターを治療できる可能性あり。世界的に見ると、in vitroでは、この薬に対する耐性は4%程度しかないそう。第3相ATTACK試験ではスルバクタム・デュロバクタムはコリスチンよりも死亡率、臨床的治癒、微生物学的治癒で優れており、腎毒性も少ないことを明らかにした。

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